「ソウルメイト」小学以来の親友2人がたどった数奇で壮絶な友情物語

第93回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた中国・香港合作映画「少年の君」（19年）のデレク・ツァンによる単独監督デビュー作となった中国・香港合作映画「ソウルメイト／七月と安生」（16年）の韓国版リメイク。韓国・済州島を舞台に波乱の友情物語が展開する。

主人公・ミソに、ドラマ「梨泰院クラス」でヒロインのチョ・イソ役で大ブレイクを果たしたキム・ダミ。表向きは自由奔放で明るく振る舞う一方、複雑な家庭環境で育ち、心の奥底に悲しみを抱える繊細な役を熱演。
両親から愛されて何不自由なく育つも、自分の意志では生きることができない親友のハウンには、ドラマ「ボーイフレンド」でパク・ボゴムの親友役を務め注目を集めたチョン・ソニ。さらにNetflixオリジナル映画『20世紀のキミ』の好演が記憶に新しい次世代俳優ピョン・ウソクが、2人の半生に深く関わるジヌを演じる。
監督のミン・ヨングンは1976年、韓国・ソウル出身。漢陽大学で演劇・映画を専攻。「小さな泥棒」（06年）が世界最大の短編映画祭クレルモンフェラン・ショートフィルム・フェスティバルをはじめ、数多くの映画祭で公式上映され、高い評価を受けた。ほかに「短い記憶」（10年）、「ある視線―氷の川ー」（12年）など。

■ストーリー

公募展で大賞に選ばれた「作者・ハウン」による少女を写実的に描いた絵画の前に立つミソ（キム・ダミ）。その絵は高校生のミソが描いたものだった。ギャラリーの担当者から、ハウン（チョン・ソニ）とコンタクトを取りたいと頼まれるが、 ミソはハウンとは幼いころに遊んだ仲だが今は連絡を取っていないという。
ミソとハウンは、小学生からの大親友だった。絵を描くのが好きな2人は、性格も価値観も育ってきた環境も違うが、大切な存在だった。しかし、17歳の夏にジヌ（ピョン・ウソク）との出会いが2人の運命を大きく変えていく。ハウンはジヌに告白して交際するようになるが、ジヌは奔放で自由なミソに惹かれるものを感じていた。そうしたなか、ミソは済州島を離れてソウルで暮らすことを決意する。ソウルでの暮らしは精神的にも肉体的にも過酷だったが、ハウン委は絵の勉強をしながら旅をしていると嘘の手紙を送っていた。5年後に再会した2人は釜山旅行に出かけるが、価値観の違いで大ゲンカをしてしまう。想い合いながらもすれ違い、疎遠になっていた16年目のある日、ハウンはミソに“ある秘密”を残して忽然と姿を消してしまう。そして思いもよらない壮絶な半生が紐解かれるとき、数奇な“2人だけの秘密”が明らかになる。