「ソウルの春」1979年の軍事クーデターを題材にした迫真の実録映画

韓国で「パラサイト 半地下の家族」を上回る1300万人以上の観客動員の大ヒットとなり、2023年韓国の年間観客動員数第１位を記録した「ソウルの春」が8月23日より全国公開になった。

本作は、「粛軍クーデター」「12.12軍事反乱」などともいわれる韓国民主主義の存亡を揺るがした実際の事件を基に、一部フィクションを交えながら描いた迫真の実録映画。
韓国で公開されると、事件をリアルタイムで知る世代はもちろん、事件を知らない若者たちの間でも話題となり大ヒット。最終的には国民の4人に1人が映画館に足を運び、『パラサイト 半地下の家 族』などを上回る1300万人以上の観客動員を記録した。

この圧倒的緊迫感にあふれる歴史エンターテインメントを作り上げたのは、国内外の映画ファンから熱烈な支持を集めるノワールアクション『アシュラ』などで知られる名匠キム・ソンス監督。同作でもタッグを組んだ2大スタ―、ファン・ ジョンミンとチョン・ウソンを再び主演に迎え、文字通りの歴史的傑作を誕生させた。

実際の歴史では、1961年に軍事クーデターで政権を奪取した朴 正煕（パク・チョンヒ）大統領が1979年10月26日、側近の一人だったKCIA（中央情報部）の部長に射殺され、崔圭夏（チェ・ギュハ）首相が大統領代行に就任。「ソウルの春」（民主化）の期待が高まるのもつかの間、保安司令官に就任した全斗煥（チョン・ドウファン）が同年12月にクーデターで実権を掌握して、80年9月に大統領に就任し7年余り軍事政権を率いた。その間、80年5月に光州の民主化デモを軍隊を出動させて鎮圧して多数の死者を出す（光州事件）など、民主化運動を徹底的に弾圧した。民主化後の1996年に軍事クーデター、光州事件などで逮捕・訴追され懲役17年の判決を受けるが97年に特赦で刑の執行停止。21年11月に死去した。

映画では79年10月のパク・チョンヒ大統領暗殺事件から始まり、同年12月12日の軍事クーデターに至るまでのドラスティックな展開をドキュメントのようなリアリティと緊迫感で描いている。チョン・ドゥグァンの名前で登場し、「ユア・マイ・サンシャイン」（05）、「工作 黒金星と呼ばれた男」（18）、「極限境界線―救出までの18日間ー」（21）などのファン・ ジョンミンが、ドウファン本人に似せて禿げ上がった頭にして、権力にとりつかれて保安司令官の立場を利用して秘密組織”ハナ会”の将校たちを巻き込みクーデターに暴走する軍人を熱演して圧倒的な存在感を見せている。,

チョン・ドゥグァン保安司令官のクーデターを命がけで阻止しようとする首都警備司令官イ・テシンを、日本でも大ヒットした「私の頭の中の消しゴム」（04）、「アシュラ」（16）、「無垢なる証人」（19）などのチョン・ウソンが熱演している。

【STORY】
1979年10月26日、独裁者とも言われた大韓民国大統領が、自らの側近に暗殺された。国中に衝撃が走るとともに、民主化を 期待する国民の声は日に日に高まってゆく。しかし、暗殺事件の合同捜査本部長に就任したチョン・ドゥグァン保安司令官(ファン・ ジョンミン)は、陸軍内の秘密組織“ハナ会”の将校たちを率い、新たな独裁者として君臨すべく、同年12月12日にクーデターを決行 する。 一方、高潔な軍人として知られる首都警備司令官イ・テシン(チョン・ウソン)は、 部下の中にハナ会のメンバーが潜む圧倒的 不利な状況の中、自らの軍人としての信念に基づき“反逆者”チョン・ドゥグァンの暴走を食い止めるべく立ち上がる。

【クレジット】
監督:キム・ソンス 脚本:ホン・ウォンチャン、イ・ヨンジュン、キム・ソンス
出演:ファン・ジョンミン、チョン・ウソン、イ・ソンミン、パク・ヘジュン、キム・ソンギュン、チョン・マンシク、チョン・ヘイン、イ・ジュニョク
2023年/韓国/韓国語/142分/シネマスコープ/5.1ch/字幕翻訳:福留友子/字幕監修:秋月望 
原題:서울의 봄(英題:12.12:THE DAY)/G/配給:クロックワークス
© 2023 PLUS M ENTERTAINMENT & HIVE MEDIA CORP, ALL RIGHTS RESERVED. 
公式HP:https://klockworx-asia.com/seoul/ 
映画公式X:@19791212theday
8月23日(金)より新宿バルト9ほか全国公開中