第81回ベネチア国際映画祭 シガニー・ウィーバー生涯功労賞受賞 「エイリアン」シリーズなど

(2024年8月28日11:00)

第81回ベネチア国際映画祭 シガニー・ウィーバー生涯功労賞受賞 「エイリアン」シリーズなど
生涯功労金獅子賞を受賞したシガニー・ウィーバー(公式サイトから)

第81回ベネチア国際映画祭(現地時間8月28日~9月7日)は28日(現地時間)、オープニングナイトのセレモニーで「エイリアン」シリーズなどで知られる米女優シガニー・ウィーバー(74)が生涯功金獅子賞を授与された。

同映画祭ディレクターのアルベルト・バルベラ氏は「シガニー・ウィーバーのような女優のライバルはほとんどいない。リドリー・スコット監督の『エイリアン』で映画ファンの度肝を抜き、1980年代を代表する女優となった。その10年間で、彼女はアクション映画というジャンルにおいて前例のないヒロインのイメージを築き上げ、それまで大作映画や冒険映画を支配してきた男性モデルに勝利することができた」(公式サイトから)と称賛した。
そして「パワフルな女性俳優の道を切り開いたことに満足することなく、この女優は絶え間なく自分らしさを追求し続けた。ジャンル映画からコメディ、アート映画、子供向け映画まで、レーガン時代の勝利の象徴というレッテルに縛られることなく、常に自分の個性に挑戦し続けた。ジェームズ・キャメロン、ポール・シュレイダー、ピーター・ウィアー、マイケル・アプテッド、ロマン・ポランスキー、アイヴァン・ライトマン、マイク・ニコルズ、アン・リー、その他多くの監督作品の成功に貢献してきた。繊細でありながら脆さを感じさせない卓越した気質に恵まれた彼女は、自信に満ち、決然とした、ダイナミックで毅然とした女性像を作り上げた」と指摘した。

「生涯功労賞の金獅子賞は、最も洗練されたアート系映画と、率直で独創的な方法で大衆と関わる映画との架け橋を築き、自分自身に忠実であり続けたスターに対する評価である」としている。

ウィーバーは「ヴェネチア・ビエンナーレから生涯功労賞の金獅子賞をいただき、本当に光栄です。この賞を授与されたことは、長年一緒に仕事をしてきたすべての映画製作者や協力者と分かち合える特権です。これらの作品に命を吹き込んでくれたすべての人たちを称え、この賞を誇りを持って受け取ります」とコメントした。

シガニー・ウィーバーは1975年、「コンスタント・ワイフ」で舞台デビュー。1977年、ウディ・アレン監督の「アニー・ホール」で米映画デビュー。1979年、リドリー・スコット監督の「エイリアン」で宇宙船の中で凶暴なエイリアンと死闘を繰り広げる女性宇宙飛行士エレン・リプリーを演じて映画が大ヒットし、4作目まで出演した。ほかに「ゴーストバスターズ」シリーズ、「アバター」シリーズに出演。1988年、第46回ゴールデングローブ賞で、「愛は霧のかなたに」が主演女優賞(ドラマ部門)、「ワーキングガール」が助演女優賞とW受賞し、アカデミー賞にも両部門でノミネートされた。

同賞はウィーバーと、「刑事ジョン・ブック 目撃者」(85)、「グリーンカード」(90)などのピーター・ウィアー監督が受賞した。昨年は、「愛の嵐」などのイタリアの映画監リリアーナ・カヴァーニと香港の俳優トニー・レオンが受賞。カトリーヌ・ドヌーブ(22年)ジェイミー・リー・カーティス(21年)なども受賞しており、日本の黒澤明監督(82年)、宮崎駿監督(05年)も受賞している。