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映画
「チェコ・ファンタジー・ゼマン! 2024 」 チェコ・アニメーションの巨匠カレル・ゼマンの代表作10作品と短編2本を上映
(2024年11月13日11:00)
2022 年に開催されアンコールの声が高かったチェコ・アニメーションの巨匠カレル・ゼマンの 初期から晩年に渡る代表作 10 作品(+短編2本)を上映する「チェコ・ファンタジー・ゼマン!2024」が 11 月 16 日よ り、新宿 K‘s cinema で開催される。
チェコが生んだアニメーションの巨人、カレル・ゼマン。想像力とユーモアで ファンタスティックな世界を蘇らせ多くのファンを魅了した。その非常にユニークな 特撮とストップモーションの創造力で作られた奇想天外な作品は、スピルバーグ、 宮崎駿、ジョージ・ルーカスなどにも影響を与えているという。今回上映される作品はゼマン処女作の 短編『クリスマスの夢』から晩年の『ホンジークとマジェンカ』までの代表作。
カレル・ゼマン(1910-1989)は、人形アニメーションや絵本で人気の高いイジー・トゥルンカと 並ぶチェコ・アニメーションの創設者のひとり。ゼマンは第二次世界大戦中、チェコ・アニメーションの発 祥地ズリーンを拠点にアニメーションの制作を開始した。チェコの伝統でもある人形劇への愛着を強 く持つ一方で、切り紙アニメに人形アニメ、実写とアニメの合成など様々なスタイルを駆使した斬新 な作品を多く生み出した。
ゼマンの描くその世界は、少年時代にのめり込んだジュール・ヴェルヌの小説のように、潜水艦や飛行船、恐竜や架空の動物など魅惑的な乗り物や動物が次々に登場する SF冒険小説を思わせる作風が特徴的だ。
今回、そのジュール・ヴェルヌ原作の『悪魔の発明』、『盗まれた飛行船』、加えてG ・ビュルガー の原作をアニメと実写の合成で作り上げたゼマンのファンタジー大作『ほら男爵の冒険』ほか全10作品と、ゼマン幻の処女『クリスマスの夢』、そして『プロコクウ氏 映画制作の巻』の二つの短編を上映。ゼマン初期から晩年に至る詩情とロマン溢れる代表作が一挙に見ることができる貴重な 機会となる。これら数々の作品群はこれまでに多くのファンを魅了し、スピルバーグ、宮崎駿、ルーカス、P・ジャクソンなどの監督たちにも 多大な影響を与えたという。CG が発達し、リアルな映像表現が可能になった現代だが、改めてゼマンの作品を観ることで、少年のような遊び心と、溢れ出る想像力の豊かさに、今なお魅了されるに違い無いという。
■作品紹介
『鳥の島の財宝』
『鳥の島の財宝』(1952 年/73 分/カラー)(©Czech National Film Archive)
小さな美しい島では皆が平和に暮らしていた。ある日突然、島に黄金がもたらされたことから人々の暮らしぶりが 一変する。古いペルシャの寓話を元にして作られた牧歌的人形アニメ。ペルシャ細密画のような作風で描いた”大人の絵本”のようなゼマン初の長編作。
『前世紀探検』
『前世紀探検』(1955 年/93 分/カラー)(©Muzeum Karla Zemana )
ボートに乗った4人の少年が“時間の川”を上りながら古代世界を冒険していく。 ブロントザウルス、ティラノザウルスなどの恐竜との遭遇、そして未知の生きものの発見。『ジュラシック・パーク』のはる か先駆ともいうべき恐竜映画史に残る SF トリック・フィルムの傑作。
『悪魔の発明』
『悪魔の発明』(1958 年/82 分/B&W)(©Muzeum Karla Zemana)
科学者ロック教授とその助手アールは新型爆弾の開発に没頭していたが、完成寸前で何者かに拉致されてしま った。「海底二万マイル」などの SF 小説の祖として名高いジュール・ヴェルヌの原作を映画化したゼマンの代表的 特撮冒険 SF 映画。
『ほら男爵の冒険』
『ほら男爵の冒険』(1961 年/85 分/カラー)(©Muzeum Karla Zemana )
宇宙飛行士のトーニークは人類初の月面着陸に成功した、と思ったが降り立った月面にはすでに何者かの足跡 が残されていた…。G・ビュルガーの原作から飛び出した“ほら男爵”の奇想天外な大冒険譚が、ゼマンのアニメと 実写の見事な合成で最後までノンストップで綴られていくファンタジー大作。
『狂気のクロニクル』
『ほら男爵の冒険』(1964 年/82 分/B&W)(©Czech National Film Archive)
17 世紀のドイツを舞台に、ヨーロッパ諸国を30年にわたって巻き込んだ宗教戦争を背景に、主人公ピーターを 通して戦争の愚かさをゼマン流に描いた。ゼマンは劇中に登場するキュートな天使をはじめ、重いテーマをシュール にユーモラスな遊び心を織り交ぜて作り上げた。
『盗まれた飛行船』
『盗まれた飛行船』(1966 年/90 分/カラー)(©Czech National Film Archive)
19世紀末のベル・エポックの時代。飛行船が発明され人々は興奮して大騒ぎ。その最中に5人の少年たちが 飛行船を乗っ取り大空に飛び出した…。ジュール・ヴェルヌの代表作「神秘島」の特撮映画化で少年たちの奇想 天外な冒険を、実写と書き割りで描き出した。『天空の城ラピュタ』を先取りした傑作ファンタジー。
『彗星に乗って』
『彗星に乗って』(1970 年/74 分/カラー)(©Czech National Film Archive)
1868 年のフランス領アルジェリア。フランス軍の若き中尉は町で見かけた絵葉書の美女に一目惚れするが、その 時、謎の彗星が地球に大接近してくる。その彗星は全盛期の恐竜や龍が棲む惑星だった…。『盗まれた飛行船』 に続くジュール・ヴェルヌ原作の映画化。鮮やかな色彩に圧倒されるゼマン・アドベンチャー 。
『シンドバッドの冒険』
『シンドバッドの冒険』(1974 年/94 分/カラー)(© KRÁTKÝ FILM PRAHA )
アランビアンナイトの主人公のひとり、船乗りシンドバッドは大海を旅し、異国の王国を尋ねる途中で数多くの驚き に遭遇する。その冒険譚を7つの短編で色鮮やかに描いたエキゾチックな切り絵アニメーション。
『クラバート』
『クラバート』(1977 年/73 分/カラー)©Czech National Film Archive 少年クラバートは、夢に誘われるまま水車場の見習いになり、親方から魔法の修行を受けるのだが…。児童文学 の傑作をダークなキャラクターで映像化した。アニメーション映画史に刻まれるゼマン晩年の傑作。 同時上映短編①:クリスマスの夢(1945 年/7 分/B&W)
『ホンジークとマジェンカ』
『ホンジークとマジェンカ』(1980 年/66 分/カラー)(©Czech National Film Archive )
ホンジークは妖精マジェンカと出会い恋に落ちる。しかし二人の愛の前には様々な苦難が襲いかかってくる。牧歌 的音楽が流れる中での恋の行方は…。ゼマン最後の長編ファンタジー。 同時上映短編②:プロコクウ氏 映画制作の巻(1947 年/8 分/B&W)
2024 年 11 月 16 日(土)~29 日(金)新宿 K’s cinema にて魔術的ロードショー!
配給:アダンソニア 宣伝・配給協力:ブライトホース・フイルム デザイン:千葉健太郎 協力:Muzeum Karla Zemana, Czech National Film Archive, 仙元浩平