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映画
ダニエル・クレイグ、主演最新作「クィア/QUEER」に出演を決めた理由を語る。「自由な気持で役に臨むことができた」
(2025年5月3日10:20)

ダニエル・クレイグが、ルカ・グァダニーノ監督のラブストリー「クィア/QUEER」(5月9日公開)に出演した理由について語った。また、新たな場面写真が公開された。
『君の名前で僕を呼んで』(17)でティモシー・シャラメ演じる17歳の少年とアーミー・ハー―マー演じる大学院生のひと夏の切ない恋を描いたルカ・グァダニーノ監督が、今度は愛する相手と心身共にひとつになりたいと切望する男を描く。
主人公の孤独な中年男リーを演じるのは、「007 ノータイム・トゥ・ダイ」(21)を最後にジェームズ・ボンドを卒業したダニエル・クレイグ。ボンドとは全く異なる魅力で、自分を保てないほどに相手を求める圧倒的ピュアネスを演じきる姿は、あまりに痛く愛おしく、観る者の心を搔き乱す。2024年の第81回ヴェネチア国際映画祭でワールドプレミアを迎え、第96回ナショナル・ボード・オブ・レビューでダニエル・クレイグが主演男優賞を受賞。第82回ゴールデングローブ賞でも、主演男優賞(ドラマ部門)でノミネートされるなど、多くの映画賞を賑わせている。
リーが恋する相手のユージーン役には、映画ファンの間で今年最高の“発見”との呼び声も高いドリュー・スターキー。一見クールで感情を露わにしない新世代に見えつつも、己のアイデンティティへの戸惑いや葛藤が垣間見える絶妙な表情で、ユージーンの心の中の繊細なゆらぎを観客に突き付ける。
原作はビート・ジェネレーションを代表する作家ウィリアム・S・バロウズが、謎多き人生を赤裸々に綴り、一度は出版を封印した自伝的小説「Queer」。トレント・レズナー&アッティカス・ロスが手掛けた音楽と、ニルヴァーナ、プリンス、ニュー・オーダーらの挿入歌が聴覚を、ファッションの新しい軌道を創り上げたJW Andersonのジョナサン・アンダーソンによる衣装が視覚を魅了する。愛を確かめるために男が選んだ数奇な手段とは──究極の愛を探し求める姿が、あまりに無様で崇高で、どこまでも愛おしいラブストーリーになっている。




この度、主人公・リーを演じたダニエル・クレイグが役作りについて語ったインタビューと新たな場面写真が到着した。
ダニエル・クレイグは、ジェームズ・ボンドから、『ナイブズ・アウト』シリーズでお馴染みのブノワ・ブランまで、幅広い役を演じ、活躍してきた。そんなクレイグが新たに挑んだのは、孤独な中年男性・リーのどこまでも愛おしくなるラブストーリー『クィア/QUEER』。一途な恋のために地の果てまでも行く主人を演じたクレイグの別人級の変化が注目を集めた。
出演を決めた理由のひとつは、ルカ・グァダニーノ監督作品だったからだという。「20年ほど前にローマでルカと出会ったんだ。彼はいつか一緒に映画を撮ろうと言ってくれて、遂に映画『クィア/QUEER』で実現した。ルカが長年、映画化を望んでいた作品に参加できて、とても嬉しく思っているよ」とクレイグは語る。また、「ルカとの撮影はとても楽しかった。自由な気持で役に臨むことができた」と撮影時を振り返った。
クレイグは、ウィリアム・リーというキャラクターに命を吹き込むためには、アイコン的存在であるバロウズ自身の私的生活を深く知ることが必須だと考えたという。「僕は、ウィリアム・バロウズの内面にあるものを発見したいと思った。彼がドラッグをやり、精神的、身体的にも危険な方向に自分を追い込んでいたことは知っていた。だから、何が彼をそこに追いやったのかを知ることがカギだった」と役作りについて語る。
バロウズに関してできる限りのリサーチを行う中で、慎重に言葉を選ぶバロウズのインタビュー映像や反社会道徳的な講義の映像、そして、対決的な姿勢で出演して伝説として語り継がれさえしたテレビ番組「サタデー・ナイト・ライブ」などを見て、クレイグは彼の仕草や話し方などを研究し尽くした。
ルカ・グァダニーノ監督は、「ダニエルは才能あふれる俳優で、(自分が演じる役の)素材に対して脅威を感じない最高のアーティストなんだ。僕たちはすぐに、ウィリアム・バロウズを、優しく寛大で、献身的な人間として、最高にロマンチックに描き出そうと同意した。そして、彼は、愛を求めて苦悩する男を見事に体現してくれた」と語り、「ダニエルが表現するユーモアは、スクリーン上で最高に映えるんだ。彼は、バロウズの内に内気さや謙虚さを見出した一方で、バロウズの偉そうで賑やかな一面の裏に、非常に繊細な男がいるということを忘れなかった」と称賛を贈った。
【STORY】
1950年代、メキシコシティ。退屈な日々を酒や薬でごまかしていたアメリカ人駐在員のウィリアム・リーは、若く美しくミステリアスな青年ユージーン・アラートンと出会う。一目で恋に落ちるリー。乾ききった心がユージーンを渇望し、ユージーンもそれに気まぐれに応えるが、求めれば求めるほど募るのは孤独ばかり。リーは一緒に人生を変える奇跡の体験をしようと、ユージーンを幻想的な南米への旅へと誘い出す。そしてこれまで経験したことのないディープでシュールな体験が待ち受ける。
【クレジット】
監督:ルカ・グァダニーノ(『君の名前で僕を呼んで』)
出演:ダニエル・クレイグ、ドリュー・スターキー、ジェイソン・シュワルツマン、レスリー・マンヴィル 他
原題:Queer/2024年/アメリカ・イタリア/カラー/ビスタ/5.1ch/137分/字幕翻訳:松浦美奈 R15+ 配給:ギャガ
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5月9日(金) 新宿ピカデリー 他 全国ロードショー