「マリリン・モンロー　私の愛しかた」　マリリンが新婚旅行で訪れた川奈ホテルで先行特別上映会

マリリン・モンローのドキュメンタリー映画「マリリン・モンロー　私の愛しかた」（5月30日公開）の先行特別上映会が27日、マリリンがメジャーリーガー、ジョー・ディマジオとの新婚旅行で日本を訪れた際に宿泊した静岡県伊東市の川奈ホテルで行われた。

2025年6月1日に生誕99年を迎えるマリリン・モンローの誕生日を祝すとともに、映画『マリリン・モンロー　私の愛しかた』の公開を記念して行われた上映会。マリリンとヤンキースのスター選手ジョー・ディマジオは新婚旅行にお忍びで1936年創業のクラシックホテルの川奈ホテルを訪れていた。同作のなかでも描かれているが、マリリンは1954年1月14日にディマジオと結婚。翌2月1日に新婚旅行で初来日して東京国際空港（羽田空港）はマリリン・フィーバーとなった。同年10月、マリリンは離婚申請。55年10月に離婚が成立。56年6月、劇作家のアーサー・ミラーと結婚したが61年に離婚した。

上映会の当日は事前に予約したマリリンのファンや川奈ホテルに興味があった人など約30名が来場した。まずは川奈ホテルに勤続47年のレジェンド井原利夫さんによる館内ツアーからスタート。大倉財閥二代目総帥の大倉喜七郎が留学先の英国貴族たちが楽しむカントリーライフに憧れ、建設当時、贅を尽くして建てられたリゾートホテルである川奈ホテル。メインロビーに掲げられた鷲のエンブレムや巨大なシャンデリアなどの重厚で美しい装飾品の数々を紹介し、いまなお使用できる蓄音機が設置されている図書室やプールを眺めながらお酒を嗜むことができるメインバー、そしてマリリンが実際に宿泊した部屋「本館オーシャンビュー ラグジュアリーツイン」を見学した。川奈ホテルの滞在中、マリリンたちは伊東の漁村を散策し、新婚旅行の日程の中で最もリラックスして過ごしたといわれる。「当時、伊東には映画館がなく『スターが来たと話題になっていたが、地元の人は誰もマリリンのことを知らなかったのでは？」とのエピソードを披露し笑いを誘った。

その後はメインダイニングにてマリリンが絶賛したオムライスを試食。「夜遅くにお腹が空いたマリリンから『何か作って欲しい』と依頼がきたが、遅い時間だったために、見習いのコックしかいなかった。彼に唯一作れるオムライスを提供したところ、マリリンが気に入り、２晩連続で食した」というエピソードが紹介された。長らくホテルの食事としてオムライスはカジュアルすぎるとメニューになかったが、マリリンの逸話を広く知らせるために10年ほど前に90歳ぐらいになっていた見習いコックに、当時のレシピを聞きオムライスを復刻させたという。

場所を昭和初期に貴族の夜の楽しみの場所であり、実際に映画館として使用されていたクラシックな第二ロビーに移し、映画『マリリン・モンロー　私の愛しかた』を鑑賞。「彼女の裏と表の出来事を時系列で知れて面白かった」「今の時代を生きる私たちが勇気づけられるドキュメンタリー。学ぶことが沢山ありました」「「私の愛しかた」というタイトルが響きました。『愛しかた』『愛されかた自己肯定感が生まれました」などの感想が聞かれ、来場者は充実した時間を過ごした。

■川奈ホテル

1936年に開業し、大倉財閥2代目の大倉喜七郎が英国の貴族の生活に憧れ、日本にその夢を見出そうと伊豆川奈の地に広大な敷地を購入したのが始まりで、これまで多くの国内外のVIPを迎えてきたクラシックホテル。世界的に有名なゴルフ場を併設し、その建造美と貴重な備品類、相模灘を見渡す美しい景観は、見るもの、聞こえるもの、触るものなど全てにおいて現実感を一切感じさせない圧倒的なスケールを誇るリゾートホテルとして人気がある。（www.princehotels.co.jp/kawana）