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映画
桜田ひより主演、山元環監督「この夏の星を見る」星空観測会イベント
(2025年5月29日11:00)

桜田ひより主演、山元環監督「この夏の星を見る」(7月4日公開)の星空観測会イベントが28日、東京・新宿区の新宿バルト9の屋上で行われ、桜田、水沢林太郎、中野有紗、山元環監督が登壇した。オフィシャルレポートを公開。
本作は、直木賞作家・辻村深月氏による青春小説「この夏の星を見る」(KADOKAWA)を山元環が自身初となる長編商業映画の監督を務め、東映配給により7月4日に全国公開される。
2023年6月に刊行された同小説は、2020 年、新型コロナ ウィルスが蔓延したコロナ禍を背景に、登校や部活動が次々と制限され、更には緊急事態宣言に直面し、大人以上に複雑な思いを抱え中高生たちの青春を描いた作品。次代をけん引していくことを期待される若きクリエイター、監督山元環氏、脚本森野マッシュ氏が、それぞれ商業映画デビューを飾る。さらに『ルックバック』の音楽家・haruka nakamura 氏が本作の音楽を担当している。
茨城県立砂浦第三高校の2年生・溪本亜紗を演じるのは、映画やドラマ、CM など近年の活躍が目覚ましい実力派俳優の桜田ひより。これまで誰も経験したことのないコロナ禍において、不安な気持ちや悩みを抱えながらも懸命に生きる高校生の亜紗を確かな演技 力と多彩な表現力で見事に演じきっている。
主人公・溪本亜紗と同じ茨城県立砂浦第三高校に通う生徒役を水沢林太郎、河村 花、増井湖々、安達木乃が演じる。長崎五島に住む学生を中野有紗、早瀬憩、和田庵、蒼井旬が演じ、東京都心で暮らす学生を黒川想矢、星乃あんな、萩原護や秋谷郁甫が演じている。

イベントが行われた会場は、本作『この夏の星を見る』のメイン上映劇場となる新宿バルト9の屋上にあるヘリポート。主人公の亜 紗を演じた桜田は実際にこの場に立ち、「今日はまさかのヘリポートからお送りすることになるなんて、夢にも思わなかったです。東京の空を見るというイベントを実現することができて、すごくうれしいです。今日は短い間ですが、よろしくお願いします」とあいさつ。そしてあらためて会場を見渡して、「ヘリポートに立つなんて人生初めて。 雨も降らずに、本当にひと安心しました」と笑顔を見せた。
一方、本作の撮影で東京だけでなく、茨城・土浦や長崎・五島の星空も見てきたという山元監督も「ここはすごいですね……」と驚きを隠せない様子。「なか なか東京って空が広く見える場所がないので、こういう景色の中で撮影したかったな。今日は特別な日だと感じております」としみじみ。さらに「五島列島の満 点の星空もとてもすごかったのですが、ここはやっぱり東京でしか見られないよ うなネオンがあって。それが星屑のような気もするので、なんだか“東京の夜”と いう感じもしますね」と感慨深い様子を見せた。

主人公の亜紗と同じ茨城県立砂浦高校に通う生徒・凛久を演じた水沢は、「実際にこんな高いところから夜空を見ることも、ビル を見ることもなかったので、感動しています。茨城では、そこまで星を見てきたというわけではないのですが、山の中で撮影があった際に、夜、ホテルで空を見上げるとたくさんの星座が見えました。その時の感動は今でも覚えてます」と述懐。
そして長崎・五島 の泉水高校吹奏楽部に所属する佐々野円華を演じた中野も「五島での撮影はナイトロケが多く、夜の山の上は本当に真っ暗でし た。その中で星を見たときに、星ってこんなに近いんだと感じました。ほんとうに手を伸ばせば届きそうなくらいに近く感じたのを 覚えています」と続けた。

コロナ禍で部活動を制限された中高生たちが、リモート会議を駆使して、同時に天体観測をする競技「オンラインスターキャッチ コンテスト」に挑む学生たちの姿を描いた本作。山元監督は、「これは技術的な話になるのですが、なかなか星空を撮るのは難しいんです。動画としては、少し映りづらいところもあるため、今回は『Day for Night』や『疑似ナイター』と呼ばれるような、太陽を月明かりに見立てて撮影していく、要は日中に夜のシーンを撮るという撮影手法を採用しました。日本映画の中では、その撮影手法 を全編通して行うという作品は少ないそうなので、そういった点でも見どころが多い映画なのかなと思っています」と明かす。

本作のキャッチコピーは「2020 年、あの時を生きた君たちへ」。そこで登壇者たちの2020 年について質問が及ぶと、まずは桜田が「当時、わたしは高校生でしたけど、文化祭や体育祭、そして部活で目指していた大会が中止になってしまった方たちが多くいました。わたしも、学校の行事や作品づくりをしている途中でコロナ禍になって。その後、自粛が明けてからは、フェイスシールド 越しやマスク越しで皆さんと一緒にお芝居を交わすという時間がありましたね。それがなんとも不思議な感覚になったのを覚えて います」と述懐。
水沢も「僕は 16 歳でデビューしたのですが、いざ頑張ろうというタイミングでコロナ禍になってしまったので、目の前の仕事がなくなってしまい、すごく取り残されたような感覚が常にありました。その気持ちも今みたいにしゃべれなかったので、誰にも伝えることもできず、抱え込む一方でした。ただあれから 5 年も経ち、マスクをしたり、消毒をしたりという日常をどんどん忘れてきている自分に、この作品を通して気付いたので、なんだか不思議な気持ちもありました」と語る。
そして中野も、「2020 年はまだ中学生で した。卒業旅行や運動会もなくなって、中学最後の思い出がすべてなくなってしまったので、悲しさだったり悔しさがあります。でも、 コロナ禍は自宅で家族と一緒に昔の映画をたくさん見たりもしていたので。今思い返せば、悲しい思い出ばかりではなく、自分の 興味を育てる時間でもあったなと思います」と語る。

この日は、原作に登場する、天文部顧問のモデルにもなった 土浦第三高等学校の岡村典夫先生がゲストで登壇。同校は実際の撮影場所としても協力してもらったということで、桜田も「実際にモデルになった高校を使わせていただくということもなかなかないですし、ほんとうに多くの方に協力していただいて実現することができました。部室などに置いてあるものも小道具ではなく、生徒の皆さんが実際につくった望遠鏡や材料が置いてある状態で 撮影をさせていただきました。撮影に掛ける思いは人一倍違いましたし、実際に高校に通われている方がエキストラとして参加し てくださっていたことにも感謝しかないです」としみじみ語った。
会場には天体望遠鏡が設置され、みんなで星空を見ることに。「今日は一つだけ、アークトゥ ルス(うしかい座の一等星)という星が見えています。映画の中でも出てきましたよね」という岡村先生のアドバイスとともに、次々と望遠鏡を覗く登壇者たち。5月から6月にかけて東京で 見ることのできる星について、「東京ですと、明るい一等星はもちろん見えますし、意外と 3 等星くらいまでは見えるんです。今日は新月なので、月が見えなくて。月があれば、もうちょっとよく見えたかもしれないですね」という岡村先生の解説に熱心に耳を傾ける登壇者たち。そんな中、星を見ながら「見えました!」「輝いています!」などと大盛り上がりとなった。
イベントもいよいよ終盤。最後に山元監督が「この目の前にある望遠鏡も、肉眼では見えない星を捉えようとする装置なんです が、コロナ禍の先が見えない不安の中でも、なんとか自分自身を見つめ直して、先を歩いていこうとする学生たちの物語となります。どうかそういうキャラクター込みで、この映画を皆さんに愛していただけたら嬉しいです」とメッセージ。桜田も「作品を見終わった後に、ほんとうにきれいで美しいなと思いました。映像の美しさだけでなく、人と人とのつながりの美しさだったり、リモートを通して全国の学校とつな がる一瞬一瞬の輝きというものが、とても繊細に、きれいに、そして迫力のあるシーンに完成さ れています。コロナの時に学生だった皆さんや子どもたちを見守ってきた大人の方々にも刺さ る、そんなすてきな作品だと思っています。ぜひ劇場に足を運んでいただけたら」と呼びかけた。
【ストーリー】
2020 年、コロナ禍で青春期を奪われた高校生たち。茨城・砂浦の亜紗や凛久は、失われた夏を取り戻すため〈スターキャ ッチコンテスト〉開催を決意する。東京では孤独な中学生・真宙が、同級生の天音に巻き込まれその大会に関わることに。長崎・五島では実家の観光業に苦悩する円華が、新たな出会いを通じて空を見上げる。手作り望遠鏡で星を探す全国の学生 たちが、オンライン上で画面越しに繋がり、夜空に交差した彼らの思いは、奇跡の光景をキャッチする――。
【クレジット】
原作 : 辻村深月「この夏の星を見る」(角川文庫/KADOKAWA 刊)
出演 : 桜田ひより 水沢林太郎 黒川想矢 中野有紗 早瀬憩 星乃あんな 河村花 和田庵 萩原護 秋谷郁甫 増井湖々 安達木乃 蒼井旬 中原果南 工藤遥 小林涼子 上川周作 朝倉あき 堀田茜 近藤芳正 岡部たかし
監督 : 山元環 脚本 : 森野マッシュ
音楽 : haruka nakamura 企画 : FLARE CREATORS 総合プロデューサー : 松井俊之(FLARE CREATORS) プロデューサー : 島田薫(東映)
配給 : 東映
コピーライト : ©2025「この夏の星を見る」製作委員会
公式サイト/SNS https://www.konohoshi-movie.jp/
INSTAGRAM https://www.instagram.com/konohoshi_movie/
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TikTok https://www.tiktok.com/@konohoshi_movie
7月4日(金)全国公開