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映画「ラブ・イン・ザ・ビッグシティ」自由奔放な女性とゲイ男性の波乱の友情とそれぞれの恋愛
(2025年6月12日10:00)

自由奔放な女性とゲイ男性の波乱の友情とそれぞれの恋愛をキム・ゴウンとノ・サンヒョン共演で鮮烈に描いた映画「ラブ・イン・ザ・ビッグシティ」が13日から公開される。
世間のルールに縛られず、周囲の偏見にさらされながらも自由奔放に生きるジェヒと、ゲイであることを隠して孤独の殻に閉じこもるフンス。正反対の2人が出会い、同居したことから始まる、お互いの「自分らしさ」を励まし合うかげがえのない存在になっていく13年間を描いた話題作。
原作は世界三大文学賞「国際ブッカー賞」や「ダブリン文学賞」にノミネートされたパク・サンヨンのベストセラー小説。
主演の自由奔放な女性ジェヒ役は、「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」(16)や「ザ・キング:永遠の君主」(20)などのドラマや、百想芸術大賞・女性最優秀演技賞を受賞した映画『破墓/パミョ』などのキム・ゴウン。本作で2024年「今年の女性映画人賞」演技賞を受賞した。


ジェヒと同居するフンス役のノ・サンヒョンは、米留学中に高身長と端正なルックスを生かし韓国でモデルとして活動し、2015年に「マトリックス」シリーズの監督として知られるラナ・&リリー・ウォシャウスキー姉妹が手掛けた初のシリーズ作品Netflixドラマ「センス8」で俳優デビューを果たし、AppleTV+「Pachinko パチンコ」(シーズン1)で教師イサク役を熱演して国際的に知名度を高めた。本作で「韓国映画製作作家協会賞」新人賞などを受賞した。
さらに『パラサイト 半地下の家族』(19)、「愛の不時着」(19~20)のチャン・へジン、「涙の女王」(24)のクァク・ドンヨン、「海街チャチャチャ」のイ・サンイら豪華キャストが集結した。
監督のイ・オニは2003年に「アメノナカノ青空」で監督デビュー、クォン・サンウ主演の「探偵なふたり:リターンズ」(18)で第19回女性映画人賞の監督賞を受賞。本作で「2024年今年の女性映画人賞」の監督賞を受賞した韓国映画の注目の監督の一人。
【STORY】
映画は、ウェディングドレスを着たジェヒ(キム・ゴウン)が、ビルの屋上でタバコを吸っているところに、フンス(ノ・サンヒョン)が歩み寄っていくシーンから始まる。2人の手首には同じ「J・H」のタトゥーが。その冒頭の短いシーンはドラマのラストにつながるものであることが最後に分かる。その13年前、20歳の仏文科の大学生の2人が教室で出会う。夜な夜なクラブに繰り出し、テキーラのショットをあおって踊りまくるジェヒは、同様にクラブに入り浸るフンスが大学の教授オリヴィエと熱烈なキスをしている現場を目撃する。クラスでも噂が広がる中、ジェヒは教室でフンスといちゃつく仕草をして噂を打ち消すのに一役買った。ところが今度はジェヒに、「俺の好みじゃなかった。胸の大きさとほくろの位置が」などとあらぬウワサがSNSで拡散。ジェヒは教室の壇上でシャツをはだけて胸を見せ「ほくろはないし、Aカップだけど文句ある?」と啖呵を切る。その「ジェヒの乱」で、”イカレ女”のレッテルを貼られるが、フンスはジェヒの自由奔放なところを意気に感じ、2人はクラブで飲んで踊りすっかり意気投合する。やがて高校時代をパリで過ごしたジェヒとゲイであることを隠して生きるフンスは、生活費の節約のためルームシェアをして一緒に暮らすようになり、互いの「自分らしさ」を励まし合うかけがえのない存在となっていく。大学を卒業しそれぞれの道に進んでも、関係は変わらないはずだった。だが社会に出た2人に人生の大きな転機が突き付けられ、大切な友情に思いがけない危機が降りかかる──。
【見どころ】
他人の目を気にせず差別やゆがんだ噂話や嫉妬を嫌い、しばしば周囲と衝突し”イカレ女”と呼ばれながらも自分らしさを貫こうとする主人公のジェヒを、キム・ゴウンがパワフルに繊細に演じて圧倒的な存在感を見せて魅了する。ゲイを隠して葛藤しながら恋をし、ジェヒとの固い友情の絆を築いていくフンス役のノ・サンヒョンはモデルとしても活動する際立った風貌と米映画・ドラマで培われた演技力を見せている。イ・オニ監督は「ノ・サンヒョンの持つすべてが新しかった」と語っている。そして、自由奔放な女とゲイ男性の友情という斬新な題材をスタイリッシュな映像で描いたイ監督の手腕も光る。
劇中に散りばめられた”刺さる”2人のセリフの数々にも注目だ。フンスと大学教授の男性のキスを目撃したジェヒから飲みに誘われたフンスが「俺の弱みを握ったからか?」というと「あんたらしさが何で弱みなの」と返す。
バスケ部のイケメンに恋をしたと告白するジェヒにフンスが言う。「ビョーキだな。単にドーパミンのせいだろう」「愛の基準ってなんだ?」。ジェヒが答える。「”好き”が”愛”になる分岐点はわからない。でも”会いたい”は”愛してる”より真実味がある」
飲み会で知り合った男性とホテルに行ったフンスがジェヒに告白する。「もう会わない。相手が恋愛モードだから。重かった」など。2人の何気ない会話がエッジが効いたセリフになって入って来て腑に落ちるのもこの映画の魅力だろう。
【クレジット】
監督:イ・オニ 出演:キム・ゴウン、ノ・サンヒョン
2024年/韓国映画/韓国語/原題:대도시의 사랑법(英題:Love in the Big City)/1時間58分/カラー/1.85:1/5.1ch/字幕翻訳:本田恵子
原作:小説『大都会の愛し方』 より「ジェヒ」(パク・サンヨン著、オ・ヨンア訳/亜紀書房)
提供:KDDI 配給:日活/KDDI
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#映画ラブイン
公式サイト:https://loveinthebigcity.jp/
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公式Instagram:https://www.instagram.com/lovein_jp/
6月13日(金)全国ロードショー