第79回カンヌ国際映画祭 岡本多緒 日本人初の最優秀女優賞 濱口竜介監督「急に具合が悪くなる」

(2026年5月24日10:00)

第79回カンヌ国際映画祭 岡本多緒 日本人初の最優秀女優賞 濱口竜介監督「急に具合が悪くなる」 
最優秀女優賞を受賞した岡本多緒㊨とヴィルジニー・エフィラ(カンヌ国際映画祭の公式サイトから)

第79回カンヌ国際映画祭の授賞式が23日(現地時間)、フランス・カンヌで開催され濱口竜介監督の「急に具合が悪くなる」に主演した岡本多緒(41)とヴィルジニー・エフィラ(49)が最優秀女優賞を受賞した。日本人の女優賞受賞は史上初めて。最高賞のパルムドールは、クリスティアン・ムンジウ監督・脚本の「Fjord」が受賞した。

岡本は受賞スピーチで「濱口監督と素晴らしい脚本・演出のおかげ。私たちやチームに対する監督の愛情と経緯を毎日現場で感じられたことが、私たち全員い撮って前へ進むための原動力や活力になった」などと語った。 岡本は同作のプレミア上演後に撮影された集合写真を自身のインスタグラムに投稿して、「去年の夏にパリで撮影していた本作を、こうしてカンヌという特別な地にて、敬愛する濱口監督、最高の共演者であるVirginie Efira、長塚京三さん、黒崎煌代くんらと共に上映に臨めたことに感無量の思いでいます。本作に携わって頂いた全ての方々に心より御礼申し上げます」と感謝の言葉を述べ、「上映後は観客の皆様からとても温かい拍手を頂き、改めてこの作品に携われた事に、私はなんて幸せ者なんだろうと再認識させられました 濱口監督、本当にありがとうございました 是非たくさんの方に見て頂きたいと思っています」などとつづっていた。
ヴィルジニー・エフィラはベルギー出身の女優で「年下のカレ」(14、日本激情未公開)などの仏コメディ映画に主演。フランスでロマンティックコメデイの女王として知られる。「急に具合が悪くなる」では岡本演じるがん治療中の日本人演出家(岡本多緒)と交流する介護施設「自由の庭」の施設長を演じている。

最優秀男優賞は、是枝裕和監督の「誰も知らない」(04)に主演した柳楽優弥が第57回カンヌ国際映画祭で、14歳史上最年少、日本人として初めて受賞。また第76回カンヌ国際映画祭で、役所広司がヴィム・ヴェンダース監督の「PERFECT DAYS」で同賞を受賞している。

第79回カンヌ国際映画祭 岡本多緒 日本人初の最優秀女優賞 濱口竜介監督「急に具合が悪くなる」 
㊧から長塚京三、黒崎煌代、濱口竜介監督、ヴィルジニー・エフィフ、岡本多緒 (Instagram/@taookamoto)
第79回カンヌ国際映画祭 岡本多緒 日本人初の最優秀女優賞 濱口竜介監督「急に具合が悪くなる」 
「急に具合が悪くなる」(公式サイトから)

濱口竜介監督の「急に具合が悪くなる」(6月19日公開)は「ドライブ・マイ・カー」(21)以来3回目のコンペ出品となる作品。パリ郊外を舞台に、介護施設「自由の庭」の施設長(ヴィルジニー・エフィラ)と、がん治療中の日本人演出家(岡本多緒)の交流を描く。ドイツ、フランス、ベルギー、日本合作。

岡本多緒(旧芸名:TAO)は千葉県出身。14歳でモデルデビュー。高校時代のイギリス留学で養った語学力を生かして2006年、単身で渡仏。ロンドン、ミラノ、パリなどの数多くのファッションショーに出演し国際的に高い評価を得る。2013年、ヒュー・ジャックマン主演の「ウルヴァリン:SAMURAI」のヒロイン役でハリウッドデビュー。アメリカのテレビシリーズや「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」(16)などに出演している。映画「クロスロード」(15)で邦画初主演。「ラプラスの魔女」(18)などの邦画にも出演している。

最高賞のパルムドールはクリスティアン・ムンジウ監督(58)の「Fjord」が受賞した。 2007年の「4ヶ月、3週と2日」以来2度目のパルムドール受賞となった。ムンジウ監督はルーマニア出身。短編映画を数本製作し2002年、「Occident」で長編監督デビュー。「4ヶ月、3週と2日」のパルムドール受賞で世界的に知られるようになった。
第79回カンヌ国際映画祭(5月12日~5月23日)の最高賞のパルムドールを競うコンペティション部門には、濱口監督の「急に具合が悪くなる」のほかに是枝裕和監督の「箱の中の羊」、深田晃司監督の「ナギダイアリー」が出品された。日本人監督の3作品の出品は2001年以来25年ぶりの快挙となったがパルムドールの受賞は逸した。