-
OTHER
金正恩委員長20日ぶりに公の場 手首に謎のマークと米紙報道 健康不安説消えず
(2020年5月3日)
「死亡説」「重病説」が入り乱れていた北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(38)が1日、平安南道順川の肥料工場の竣工式に出席してテープカットを行い、20日ぶりに公の場に姿を見せて健在をアピールした。北朝鮮国営の朝鮮中央テレビが報じた。しかし「健康不安説」は消えず、米紙は手首に謎のマークがあると金委員長の”異変“を指摘した。
米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、工場視察を行う金委員長の映像から手首に傷跡のような謎のマークがあることが確認されたという。北朝鮮関連ニュースを専門のニュースサイト「NK News」が報じたという。
米国の医療専門家は金委員長の右の手首のマークについて、最近の心臓血管系の処置に関連するもので、右の橈骨動脈(とうこつどうみゃく)から採血するなどの施術の傷跡とみられると指摘したという。橈骨動脈とは肘窩から手にかけて走行する動脈の解剖学的名称だという。
金委員長は公の場から姿を消し、今回の欠席で最も目立ったのは、4月15日に行われた北朝鮮の創始者であり祖父でもある故金日成国家主席の生誕祭に出席しなかったことだった。
そうしたなか、4月初め地方視察中に倒れ、心臓ステント手術を受けたと報じられ、「死亡説」「植物状態説」などが飛び交っていた。
金委員長の父親の金正日総書記や祖父の金日成国家主席が心臓発作で死亡していることや、肥満でヘビースモーカーとして知られることから心臓病のリスクを抱えているとも報じられた。金委員長は2014年にも1か月近く公の場に姿を見せずクーデター説が報じられたことがあったが、この時は右足首の嚢胞(のうほう)除去手術を受けていたことが後に明らかになった。
韓国の北朝鮮専門ニュースサイト「デイリーNK」は先週、北朝鮮からの脱北者やその他の国内からの証言に基づいて、金委員長が手術後、海岸沿いのリゾート地で療養し回復した可能性があると報じた。同サイトは「過度の飲酒や過労が原因で、金氏の健康状態が悪化したのではないか」と報じた。
トランプ大統領はツイッターで「彼が戻ってきて元気なのを見ることはうれしい」とコメントしたが、金委員長の健康不安説をめぐる謎は残されたままで成り行きが注目される。