米紙ニューヨーク・ポスト、森会長「女性理事の発言をしゃべりすぎて”迷惑“と発言」
ツイッターで「＃森喜朗氏の退任を求めます」拡散

東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長（83）＝元首相＝は「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」などと女性蔑視ともとれる発言をした問題で4日、記者会見して「不適切だった」と謝罪し発言を撤回したが辞任は否定するなどさらに波紋を広げている。森発言は海外でも報じられたが米紙ニューヨーク・ポストは「東京五輪森喜朗会長が性差別発言で騒動引き起こす」との見出しで報じた。また国内でも「＃森喜朗氏の退任を求めます」がツイッターで拡散している。

ニューヨーク・ポスト（電子版）は「組織委員会の森喜朗会長は、水曜日（3日）に開かれた日本オリンピック委員会の会議で、女性理事の発言をしゃべりすぎて”迷惑“と発言したと報じられている」と報じた。

この発言は「委員会に女性を増やすことへの対応として行われたものだという」とした上で森氏の発言を「『女性の役員を増やすと、話す時間が制限されてしまい会議がなかなか終わらないので困る』と述べた」と紹介した。また「組織委員会には女性が7人ほどいるが、全員が自分の立場を理解している」との発言も紹介。そして「実際（JOCの）25人の理事には女性は5人しかいない。2019年には、委員会は女性を40%にしたいとしているという」と報じた。
「報道によると、83歳の元首相の発言には笑いが起こったが、森氏が物議を醸す発言をしたのはこれが初めてではない」などと付け加えた。

■「東京大会のトップの森会長が性差別発言」（ロイター通信）

同紙は森発言を「性差別」であり、JOCに女性理事を増やすのを制限しようとしている問題として指摘した。米紙ニューヨーク・タイムズ（電子版）も「会議での女性の制限を提案」と報じた。さらには「東京大会のトップの森会長が性差別発言」（ロイター通信）、「東京大会トップが女性は会議で話が長く迷惑だ発言」（米紙ワシントンポスト）などなどまさに前代未聞の”世界的な恥さらし“といった様相だ。

■謝罪会見で「皆さんが邪魔だといわれれば、掃いてもらえばいい」

4日の謝罪会見での森会長の発言も火に油を注ぐ結果になっている。記者から「オリンピック精神に反するという話もされていましたが、そういった方が組織委員会の会長をされるのは適任なんでしょうか」と聞かれて「さあ、あなたはどう思いますか？」と記者に逆質問。「私は適任じゃないと思いますが」といわれると「じゃあそういう風に承っておきます」と述べた。
しかし「辞任するという考えはありません。皆さんが邪魔だといわれればおっしゃる通り、老害が粗大ごみになったのかもしれません、掃いてもらえばいいんじゃないですか」と開き直った。
「テレビのニュースで森会長のあの発言を見たときは耳を疑いましたね。ひとに掃除（辞任）させないで、自分で掃除しろっていうこと。委員会のだれも辞任しろと言えないだろうとでも思っているのか。菅首相も国会で『（森会長の発言は）あってはならない』とか『女性の社会参画は極めて大事』などと言ってましたが、『発言の詳細は承知していない』とありきたりなことしかいっていない。世界的に大問題になっているのに、ただちに発言の詳細を把握して適切な指示をしていないことがばれてしまった。コロナ対策と同様に後手に回っている。森会長に限らず大がかりな掃除と洗濯が必要な時に来ているのではないか」（事情通）という声も。

■ツイッターで「＃森喜朗氏の退任を求めます」広がる

ツイッターでは「＃森喜朗氏の退任を求めます」「＃森喜朗会長は辞任してください」「＃森喜朗氏は引退してください」などのハッシュタグが拡散し「森喜朗は昔から差別発言ばかりだった」とか「何が悪いかわかっている人々がこういう人を公職に就くことを止めなければ」「一緒に笑っていた人もそれが正しかったか一度考えてほしい」などと森会長の辞任を求める書き込みが相次いでいる。そして「＃オリンピックより命を守れ」「＃東京五輪の中止を求めます」などのハッシュタグも拡散している。