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クオモNY州知事の“セクハラ報告書”の衝撃内容を米メディア報道

(2021年8月4日19:50)

クオモNY州知事の“セクハラ報告書”の衝撃内容を米メディア報道
クオモNY州知事(インスタグラムから)

米ニューヨーク州のジェームズ司法長官は3日(現地時間)、ニューヨーク州のクオモ知事(63)が元側近など11人の女性にセクハラをしていたとする調査結果の報告書を発表した。クオモ氏は「不適切に誰かに触れたことはないし性的アプローチをしたことはない」と疑惑を否定しているが、バイデン大統領が辞任を求めるなど辞任論が高まっている。165ページの報告書で認定された現役のNY州知事のセクハラの衝撃内容とはーー。

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、ニューヨーク州知事アンドリュー・クオモ氏のセクハラ疑惑を調査した独立調査委員会は、クオモ氏が州政府の内外で複数の女性にセクハラ行為を行っていたことを認定した。7人の女性からのセクハラの訴えはこれまで当事者がメディアに告発するなど公表されていたが、報告書にはクオモ氏が知事の警備を担当していた女性州兵にセクハラをしたとされる衝撃的な新事実も含まれているという。

クオモNY州知事の“セクハラ報告書”の衝撃内容を米メディア報道
リンジー・ボイランさん (インスタグラムから)

■リンジー・ボイランさん「唇にキス」「ストリップ・ポーカー」

リンジー・ボイランさん(36)は、NY州の経済開発担当官として働いていた2016年から2018年の間に、知事から複数回のセクハラを受けたと証言。2018年にクオモ氏がマンハッタンのオフィス内で唇にキスをしたことや、州の航空機の中でストリップ・ポーカーをしようと提案されたこともあったという。
報告書では、そのほかにも、クオモ氏が「腰、脚、背中など体のさまざまな部分を触った」ことなどを裏付けることができたとしている。さらに2020年12月にボイランさんが被害を公表した後、クオモ氏と執行会議所が「彼女の信用を落とすための活動を積極的に行った」としている。

クオモNY州知事の“セクハラ報告書”の衝撃内容を米メディア報道
CBSテレビのインタビューで証言するシャーロット・ベネットさん(インスタグラムから)

■シャーロット・ベネットさん「恋人探しを頼まれ」「腕立て伏せ20回やらされた」

クオモ知事のセクハラを告発したシャーロット・ベネットさん(25)は、クオモ氏の元側近で2月にニューヨーク・タイムズ紙に、知事から不適切な個人的質問をされた証言したという。ベネットさんは、エグゼクティブ・アシスタントや医療政策のアドバイザーとして働いていた。クオモ氏のセクハラのほとんどは新型コロナウイルスの感染拡大が再燃した2020年6月に行われたもので、彼女が知事に性的暴行の体験を伝えたころだったという。

報告書によると、クオモ氏は、同氏の元恋人のサンドラ・リーが 「話しかけてこないので寂しい」とか「バイクに乗って女性と山に行きたい」などと話し、ガールフレンドを探してほしいと頼んだという。「22歳以上の女性なら誰とでもデートしたい」と話したという。ベネットさんは、この時の会話の中で、クオモ氏が自分を「手玉に取っている」ように感じて不安になったと証言したという。さらにオフィスで自分の前で腕立て伏せをするように頼まれて20回やったという。

ベネット氏の弁護士は「知事の行為はべネット氏や彼の誘いを断った他の多くの人々のプロ意識、情熱、そして州への献身を奪った」と非難した。

■アナ・リスさん「腰を触り手にキスされた」

アナ・リスさん(35)は、2013年から2015年までアンドリュー・クオモ州知事のもとで政策・運営補佐官として働いていた。クオモ氏は彼女を「スイートハート」(愛する人)と呼び、恋人がいるかどうか尋ね、腰を触り、手にキスをしたという。彼女は、クオモ氏の下で働いている間、これらの出来事が彼女を不快にさせたにもかかわらず、苦情を言わなかったという。

■アリッサ・マクグラスさん「脇腹を強くつかんだりした」

アリッサ・マクグラスさん(35)は、知事室でのセクハラについて告発した最初の補佐官だという。3月に「Times」紙に、クオモ氏が彼女の結婚生活について質問し、彼女に「美しい」と言ったなどと証言した。また、2019年のオフィスのクリスマスパーティーで写真を撮る際に、クオモ氏が彼女の額にキスしたり、脇腹を強くつかんだりしたという。マクグラスさんは捜査官に対し、「それが奇妙で不快なことで、通常の職場環境では許されないことであっても、通常のルールは適用されないという考え方をしていました」と語ったという。

マクグラスさんの弁護士は「クオモ氏の女性蔑視と虐待は否定できません。彼は何年も何の影響も受けずにこのような行為を続けてきました。彼は我々の州政府の責任者であるべきではなく、誰かに対して権力を持つ立場であってはならない」と非難した。

■エグゼクティブ・アシスタントAさん「ブラジャーの上から胸をつかまれた」

クオモ氏のエグゼクティブ・アシスタントの30代女性Aさんは、平日にクオモ氏の携帯電話の操作を手伝うために邸宅に呼び出されたと証言。報告書によると、クオモ氏は「彼女のブラウスの上に手を滑らせ、ブラジャーの上から「私の胸を掌で包みました。私はとてもショックを受けました」と証言したという。
さらに2019年12月31日、クオモ氏は、オフィス内で2人で仕事をしているときに、彼女に写真を撮るように頼み、。彼女がカメラを構えると、クオモ氏は「尻をつかみ、少なくとも5秒間こすり始めた」という。

■女性州兵「お腹や背中に手や指を走らせ頬にキス」

報告書では、クオモ氏が2017年に同氏の警護を担当していた女性州兵に対して、複数回にわたってセクハラ行為を行っていたという疑惑が初めて明らかにされた。
クオモ氏は州兵の女性のお腹や背中に手や指を走らせたり、頬にキスをしたり、恋人探しに協力を求めたり、なぜドレスを着ないのかと尋ねたりしたという。クオモ氏は捜査当局の聴取に、イベントでこの隊員にキスをした可能性があることを認めたが、接触は否定したという。
NY州警察の慈善協会のトム・マンギア会長は「知事を警護し、その安全を確保する任務を負っていた私たちのメンバーの一人が、彼が与えられていたのと同じ安心感を彼女の職場環境で得られなかったことに私は憤慨し、うんざりしている」と述べたという。

■バージニア・リミアティスさん「イベント中に胸を触られた」

エネルギー会社の従業員であるリミアティスさんは、2017年5月にニューヨーク州北部で行われた自然保護活動のイベント中に、クオモ氏に胸を触られたと告発した。彼女は3月に知事が「不適切に誰かを触ったことはない」と発言したのを聞いて、調査官に名乗り出たという。「当時、彼が私にしたことをどのように報告すればいいのかわからず、恥ずかしさが重荷になっていましたが、今、名乗り出なければ、彼の嘘に加担することになるので、それはしません」と語ったという。

■州政府の職員#1「写真撮影中にお尻を触られた」

報告書の中で「州政府の職員#1」とだけ書かれている女性は、2019年9月にニューヨークで開催されたイベントで、クオモ氏と一緒に写真を撮っているときに、自分のお尻を触ったと証言したという。彼女は「ショックを受けた」と語り、当時、複数の家族や友人に事件のことを話したという。

■州政府機関の職員#2「

報告書の中で「州政府機関の職員#2」と書かれている州保健局の元ディレクターは2020年3月、コロナウイルス関連の記者会見でクオモ氏から性的な意味合いのジョークを言われたという。記者や報道カメラマンの前で「お会いできて嬉しいですドクター」「あなたのおかげでガウンが似合うようになりました」と彼女に言ったという。彼女は不快に感じたといい「男性である熟練した医師に対しては、そのような発言はなかったでしょう」と語ったという。

■ケイトリンさん「何度も容姿についてコメントされた」

報告書は、3月に「ニューヨーク・マガジン」に初めて掲載された、姓が公表されていないケイトリンさんが受けたセクハラ疑惑についても明らかにした。イベントで出会った後、知事が2016年に彼女を雇ったという。知事室で働いていた1年間、ケイトリンさんは、クオモ氏に何度も容姿についてコメントされるなど、不快な思いをさせられたと証言した。その後、彼女は州の機関で働くようになったが、仕事のために知事室に行かなければならないときは、「とても苦痛になった」とのことです。

■アンナ・ルッチさん「体をつかんだりキスをしたりした」

報告書では、3月にクオモ氏の不適切な性的行為を告発したルッチさん(33)は、2019年の結婚式でクオモ氏が彼女の体をつかんだり、キスをしたりしたなどと詳細に証言したという。ほかにも、2000年12月にクオモ氏から不適切なハグをされたと証言したカレン・ヒントンなどセクハラの告発証言が相次いだ。クオモ氏は報告書が発表されて直後に釈明する動画を公開して「不適切に誰かに触れたことはないし性的アプローチをしたことはない」などと否定したが、知事と同じ民主党の中からもバイデン大統領をはじめ辞任論が高まり、今後弾劾手続きが加速する可能性があるとい、クオモ氏は大ピンチを迎えてる。