ハリウッドのレジェンド、ドリス・デイさん９７歳で死去 4度の結婚、不倫…波乱万丈の生涯

「ケ・セラ・セラ」のヒット曲で知られる米歌手で女優のドリス・デイさんが１３日午前１時(現地時間)、カリフォルニア州カーメルバレーの自宅で肺炎のため死去した。９７歳。デイさんが設立したドリス・デイ動物財団が明らかにした。デイさんは１９５０年代から６０年代にかけて歌手・女優として一世を風靡した。その一方で4度の離婚や許されざる恋、金銭トラブルなど波乱万丈の人生が浮上している。米芸能サイト「レーダーオンライン」が報じた。

財団によるとデイさんは年齢の割にはとても健康で４月３日には９７歳の誕生日を祝ったが最近になって肺炎を患い容体が悪化して、友人たちに見守られて息を引き取ったという。

１９２２年４月３日、オハイオ州シンシナティ生まれ。１０代でジャズバンドの専属歌手としてデビュー。４８年、「洋上のロマンス」で映画デビュー。５３年のミュージカル映画「カラミティ・ジェーン」が大ヒットして人気を不動にした。１９５６年のヒッチコック監督作品「知りすぎていた男」に主演し劇中で歌った主題歌「ケ・セラ・セラ」が大ヒットしてアカデミー賞歌曲賞を受賞した。日本でも雪村いづみやペギー葉山らが同曲を歌ってヒットした。６０年代初期には４年連続で最も稼ぐ女優の１位に選ばれた。2004年、大統領自由勲章を授与され、08年にはグラミー賞の生涯功労賞を受賞した。長年、動物愛護運動にも力を入れていた。

米芸能サイト「レーダーオンライン」によると、デイさんは明るくチャーミングで親しみやすいキャラクターから「Girl Next Door」(となりのお嬢さん)と呼ばれたが、私生活は波乱万丈だった。関係者は「彼女は８００のヒットソングを世に送り３９本の映画に出演したが、『生涯の伴侶』は見つけられなかった」と語る。

ジャック・カールソン、バート・レイノルズ、俳優から大統領になったロナルド・レーガンなどと浮名を流し、４度の結婚・離婚を経験した。
デイさんは２３歳のときにトロンボーン奏者のアル・ジョーダンと結婚して唯一の子供となった男児テリーをもうけたがDVなどが原因で１９４３年に離婚。
１９４６年にサクソフォン奏者のジョージ・ワイルダーと再婚したが長続きせず３年足らずで離婚した。
１９５１年、映画プロデュ―サーのマーティン・メルシャーと３度目の結婚をしたが１９６８年、マーティンは心臓発作で急死する。
その後、ジェローム・バーナード・ローゼンタールとビジネスパートナーとなるが、１９６９年、ジェロームがドリスの２０００万ドル（約２２億円）の財産を浪費して負債を負わせたとして訴訟を起こして勝訴し財産を取り戻したという。
１９７６年、１２歳年下のレストラン経営者バリ―・コムデンと４度目の結婚したがこの結婚も長続きせず１９８１年に離婚した。
１９７０年代に放送されて人気を呼んだテレビシリーズ「ドリス・デイ・ショー」で共演した妻帯者の俳優パトリック・オニールと当時不倫関係にあったことを昨年友人がメディアに明かして話題になったこともあった。１９８５年にエイズを発症後にゲイであることを告白して同年１０月に５９歳で死去したハリウッドスター、ロック・ハドソンとは「夜を楽しく」（１９５９年）などで共演して友人だった。ハリウッドのレジェンドは数々の伝説を残して旅立った。

デイさんの死去でハリウッドやミュージック界から相次いで追悼の声が寄せられた。
ポール・マッカートニーは自身のインスタグラムにディさんの写真を投稿し「ドリス・デイが亡くなったと聞いてとても悲しい。彼女はあらゆる意味で本当のスターだった。彼女とは光栄にも何度かお会いしたことがあった。カリフォルニア州の家を訪れたことがあったが、たくさんの犬が放し飼いになっていて動物たちの聖地のようになっていた。とても親切で面白い人で一緒にたくさん笑った。『カラミティ・ジェーン』や『女房は生きていた』やほかの数多くの彼女の映画はみな信じられないくらい素晴らしく、そして彼女の演技や歌はいつも的を得ていた。とても寂しいけど、彼女の輝く笑顔や一緒に笑いたくなるような笑い、そしてたくさんの偉大な歌と映画をいつも思い出すでしょう」などと長文の追悼を寄せた。