「のみとり侍」阿部寛が”添い寝業”に身をやつした侍を熱演

(2018年5月18日)

  • クリス・プラット
  • クリスとキャサリン
    (Instagram/@prattprattpratt)

江戸時代に実在したという表向きはお客の猫の蚤を取って日銭を稼ぐという仕事だが、裏では女性に愛を奉仕する”添い寝業“に身をやつした侍の物語で、「後妻業の女」の鶴橋康夫監督が歴史小説の第一人者・小松重男の短編集「蚤とり侍」の人気エピソードを基に阿部寛主演で映画化した時代劇コメディ。

十代将軍・徳川家治の治世の越後長岡藩が舞台。勘定方書き役としてエリートコースを走っていた小林寛之進(阿部)は、歌会の席で藩主(松重豊)の歌がある歌人の歌に似ていると指摘して怒りを買い、「猫の蚤とりになって無様に暮らせ」と追放されてしまう。

蚤とり業の元締め・甚平衛(風間杜夫)と女将(大竹しのぶ)に引き取られ、いわれるままに蚤とり業を始めるが、亡き妻にそっくりのおみね(寺島しのぶ)に呼ばれて必死で奉仕するも「へたくそ!」と言われるなど失意の日々を過ごす。そうしたなか、女の扱いにはたけている小物問屋・近江屋の婿養子(豊川悦司)と出会い、「女の悦ばせ方」を教えてもらい、腕を磨いておみねもぞっこんになるが蚤とり禁止令が出されて大ピンチを迎えるというストーリー。

阿部が体を売る蚤とり侍というユニークな役どころを軽妙に演じている。寺島がバスト全開で阿部との過激な濡れ場をやってのけているのも見ものだ。笑いあり、エロティックな濡れ場あり、ほろりとさせる人情噺ありのエンターテインメント時代劇になっている。 (2018年5月18日公開)