「ヴェノム」　奇怪なヴェノムが暴れまくる異色のヒーロー映画

スパイダーマンの宿敵として知られるマーベルコミックのダークヒーロー「ヴェノム」を「マッドマックス　怒りのデスロード」「ダンケルク」などで人気のトム・ハーディ主演で実写映画化した異色のヒーロー映画。

正義感が強く突撃取材でトラブルも多い記者のエディ・ブロック（ハーディ）は、人体実験で死者を出しているという「ライフ財団」の実態に迫ろうと取材をするうちに、彼らがひそかに管理して人間との合体を実験していた地球外生命体のシンビオートと接触して寄生されてしまう。この生命体はエディに寄生して奇怪な姿のヴェノムとして名乗りを上げ、エディはほんろうされていく。エディの恋人のアンにミシェル・ウィリアムズ。ライフ財団の邪悪な独裁者カールトン・ドレイク役にリズ・ア―メッドなどが出演している。

牙をむき長い舌をうねらせる狂暴極まりないヴェノムはなんとも奇怪だが、人間のような意志を持ち宿主のエディと会話したりするのがユニーク。やがてヴェノムとエディに不思議な連帯感が生まれていく。ヴェノムが人間をなぎ倒す独特のアクションシーンは壮絶で、テンポのいい展開と斬新な映像で最後まで飽きさせない。容貌は醜悪だが、ひたすら凶暴な「エイリアン」とは違って“人間味”があるヴェノムとエディのコンビはニューヒーローとしてシリーズ化されるようだ。

同作は11月２、3日の週末の観客動員数（興行通信社調べ=右上の「映画興行ランキング」）で初登場1位になるヒットとなった。(2018年11月3日公開)