「テノール! 人生はハーモニー」その日暮らしの青年がオペラに挑戦する人生賛歌

(2023年6月8日14:30)

「テノール! 人生はハーモニー」その日暮らしの青年がオペラに挑戦する人生賛歌
「テノール! 人生はハーモニー」(© 2021 FIRSTEP - DARKA MOVIES - STUDIOCANAL - C8 FILMS)

「エミリー、パリへ行く」「マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー」の製作者が手掛けた オペラが引き合わせた“運命の出会い”を描く感動ヒューマンドラマ。一流オペラ教師とその日暮らしのラッパーの偶然の出会いが奇跡を起こす。

主人公の青年アントワーヌを演じるのは、今月、日本版の地上波放送も始まった人気オーディション番組「THE VOICE」で準優勝した、ビートボクサー、MB14。劇中すべてのオペラ歌唱にも挑戦し、「蝶々夫人」「椿姫」「トゥーランドット」などオペラの名曲を歌い上げ、天才的な歌の才能を惜しみなく披露している。
才能あふれる青年との出会いで、自身の人生も大きく動き出すことになるオペラ教師マリーを演じるのは「100歳の少年と12通の手紙」などのミシェル・ラロック。また、世界的なテノール歌手のロベルト・アラーニャも本人役で出演し華を添えている。監督は、本作が単独初監督となるクロード・ジディ・ジュニア。  

「テノール! 人生はハーモニー」その日暮らしの青年がオペラに挑戦する人生賛歌
「テノール! 人生はハーモニー」アントワーヌ㊧とロベルト・アラーニャ(© 2021 FIRSTEP - DARKA MOVIES - STUDIOCANAL - C8 FILMS)

 【劇中で歌われるオペラの名曲】
♪ある晴れた日に ――プッチーニ ≪蝶々夫人≫
♪女心の歌 ――ヴェルディ ≪リゴレット≫
♪誰も寝てはならぬ ――プッチーニ ≪トゥーランドット≫
♪乾杯の歌 ―― ヴェルディ ≪椿姫≫
♪カタログの歌   ―モーツァルト ≪ドン・ジョヴァンニ≫

原題:TENOR/101分/フランス/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/字幕翻訳:古田 由紀子/配給ギャガ 

「テノール! 人生はハーモニー」その日暮らしの青年がオペラに挑戦する人生賛歌
「テノール! 人生はハーモニー」(© 2021 FIRSTEP - DARKA MOVIES - STUDIOCANAL - C8 FILMS)

■ストーリー

スシの出前でパリ、オペラ座・ガルニエ宮にやってきたラップ好きのフリーターの青年アントワーヌ(MB14)は、一流のオペラ教師マリー(ミシェル・ラロック)が生徒らを教えている現場に出くわす。出前を生徒に渡してオペラの歌唱に聞き入っていると、生徒から「早く失せろ」といわれて、怒ったアントワーヌはオペラをまねたラップでその生徒をこき下ろした。その美声にほれ込んだマリーは、彼を猛スカウトすることに。 “オペラ座とは住む世界が違う”と思い最初は断っていたアントワーヌだったが、次第にオペラに興味を持ちはじめる。内緒でマリーと2人でオペラの猛レッスンを始めるが、ストリートファイターの兄や友人たちと次第に疎遠になって孤立していく。デリバリーのアルバイトのためレッスンに遅刻したことをとがめられ、マリーとけんかして一度はやめてしまうが、再びオペラへの情熱が燃えて突き進み、やがて奇跡が待ち受ける。

「テノール! 人生はハーモニー」その日暮らしの青年がオペラに挑戦する人生賛歌
「テノール! 人生はハーモニー」パリ・オペラ座(© 2021 FIRSTEP - DARKA MOVIES - STUDIOCANAL - C8 FILMS)

■見どころ

  ラップバトルで相手に打ち負かされたり、ストリートファイターの兄を手伝ったりしながら、その日暮らしのフリーターの青年アントワーヌが、オペラ座で偶然出会った一流のオペラ教師に才能を認められてオペラの世界に引き込まれていくドラマは、オペラ教師のマリーの人生や、オペラを目指すライバルたちや、アントワーヌを取り巻く仲間たちとの人間関係画がからみあい、エモーショナルで、最後まで目が離せないドラスティックな展開が続く。
ビートボクサー、MB14がみずみずしい演技を見せ、圧倒的な声量でオペラを熱唱し、テノール歌手ロベルト・アラーニャと歌唱共演するシーンもこなしている。
パリ・オペラ座が舞台になっていて、数年がかりの説得のうえ、多くのシーンが実際にオペラ座内部で撮影されたという。絢爛豪華な吹き抜けの間や、ヴェルサイユ宮殿の鏡の間を思わせるグラン・ホワイエ(大広間)、有名なシャガールの天井画も必見だ。  
(6月9日(金)より 新宿ピカデリー ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー)