軍事政権下の抵抗運動を記録した「ミャンマー・ダイアリーズ」ポスタービジュアル&予告編解禁

(2023年5月14日23:50)

軍事政権下の抵抗運動を記録した「ミャンマー・ダイアリーズ」ポスタービジュアル&予告編解禁
「ミャンマー・ダイアリーズ」のポスタービジュアル(© The Myanmar Film Collectiv)

軍事クーデター以降のミャンマーが舞台の映画としては初めて国際的な場で上映され、第72回ベルリン国際映 画祭でドキュメンタリー賞を受賞するなど多くの注目を集めた映画「ミャンマー・ダイアリーズ」が8月5日公開されることが決定した。あわせてポスタービジュアルと予告編が解禁になった。

ミャンマーではこの10年間、民主化にむけて変革が続き、市民 は自由と発展への希望を抱き始めていた。しかし 2021 年 2 月 1 日、軍が 再び国の支配に乗り出し、反発した民衆による大規模な抗議デモが全国各地 で勃発。人々は抵抗のシンボルとして“3本指”を掲げて軍政に反対する声を あげた。だが一人の少女の死を皮切りに軍の弾圧行為は激化し、人々の自由と 平穏な暮らしは崩れていく……。
インターネットは定期的に遮断され、軍に都合が悪い情報を発信するメディ アや SNS 投稿が処罰の対象となるなど、国内外に情勢を伝えることが困難 な中、若手ミャンマー人作家たちが自らの匿名性を維持しながら“ミャンマ ー・フィルム・コレクティブ”を結成。それぞれの日常から生まれた10人の映 画監督による短編映画と、SNS に投稿された一般市民の記録映像をシーム レスにつなぎ、抑圧された日常における切実な”一人称の物語”を紡いでいった。

このたび解禁となった予告編は、軍への抗議を示す“3本指”とデモの場面から 始まる。つぶやき声と交互に差し込まれる悲痛な叫び声の間からは、ミャン マーの生々しい日常が浮かび上がってくるようだ。またポスタービジュアル では、コロナ禍の抗議活動を象徴するマスクとヘルメット姿の人物のシルエッ トを背景に、「SAVE MYANMAR(ミャンマーを救え)」「STOP KILLING OUR PEOPLE(私たちを殺すな)」 「RESPECT OUR VOTE(我々の選挙権を尊重せよ)」「RELEASE OUR LEADERS(私たちのリーダーを解放せよ)」 「WE WANT DEMOCRACY(私たちは民主主義を望んでいる)」といった市民の声、また劇中でアニメーションとして描 かれる“蝶”をレイアウトし、「どうか私たちの声が届きますように」というコピーとともに映画のメッセージをストレートに表 現したものになっている。

ドキュメンタリーとフィクションを行き来しながら、圧政下のミャンマーにおける市民の声の断片を生々しく伝える本作は、 世界の話題から忘れ去られつつあるミャンマーで今なお生きる人々の”叫び”を伝える、きわめて重要な作品となっている。なお、配給元の株式会社 E.x.N では、本作の興行収入より映画館への配分と配給・宣伝経費を差し引いた配給収益の全額 を支援金とし、ミャンマー避難民の生活支援活動を行う団体・施設に寄付をおこなう。

【ストーリー】
2021 年 2 月 1 日、軽快な音楽に合わせてエクササイズの動画配信を行う女性。その背景には慌ただしく軍の車両が集結していく。抗議活動 に参加した事により指名手配をうけ、引き裂かれるパートナー。理由もわからず拘束される母を守るため、必死に抵抗する幼い子ども。軍と戦 うために地元を離れて戦闘訓練を受ける若者たち。自身が拘束される様子を必死に配信するジャーナリスト。パンデミックの最中に隣国に一人 で避難した女性は隔離中のホテルで平和だった頃の記憶をノートに綴る――。映画はドキュメンタリーとフィクションを横断し、圧政下のミャン マーにおける市民の声の断片を生々しく伝える。

【海外レビュー】
事政権下の恐怖を詳細に記録。――ハリウッド・レポーター
政治的にも芸術的にもパワフル。――シネヨーロッパ
示唆に富んだ芸術作品。――スクリーンデイリー
ゾッとするような光景。――ヴァラエティ

監督・制作:ミャンマー・フィルム・コレクティブ(匿名のミャンマー人監督たちによる制作)
原題:Myanmar Diaries /2022 年/オランダ ミャンマー ノルウェー/70 分/ミャンマー語/カラー/DCP5.1ch / ©The Myanmar Film Collective/配給:株式会社 E.x.N/宣伝:高田理沙
公式サイト:www.myanmar-diaries.com