映画「バカ塗りの娘」に坂東龍汰が出演 場面写真解禁

(2023年3月29日21:50)

映画「バカ塗りの娘」に坂東龍汰が出演 場面写真解禁
「バカ塗りの娘」の坂東龍汰㊧(©2023「バカ塗りの娘」製作委員会)

第1回「暮らしの小説大賞」を受賞した「ジャパン・ディグニティ」(髙森美由紀著)を原作に主演・堀田真由、鶴岡慧子監督で映画化する「バカ塗りの娘」(9月1日より全国公開、8月25日より青森県先行公開)で、坂東龍汰が演じる主人公の兄・ユウの場面写真が解禁となった。

海外では「japan」と呼ばれることもある“漆”。 漆は時代を問わず、工芸品、仏像、社寺建築、芸術品など日本の歴史と文化を象徴するものに使用され、世界中の人々を魅了する。耐久性があり、たとえ壊れてしまっても修理してまた使うことができる漆器は、昔から日本人にとって大切な日用品として私たちの暮らしに寄り添ってきた。

同作はその中でも、青森の伝統工芸・津軽塗をテーマに描かれる物語。タイトルにある“バカ塗り”は、津軽塗のことを指す言葉で、完成までに四十八工程あり、バカに塗って、バカに手間暇かけて、バカに丈夫と言われるほど、“塗っては研ぐ”を繰り返す。

漆が丁寧に塗り重ねられるように、本作も津軽塗の完成までの工程を1カット1カットをじっくり映し出す。そして津軽塗職人を目指す娘・美也子と寡黙な父・清史郎が、漆や家族と真摯に向き合う姿を、四季折々の風景や、土地に根付く食材と料理、そこに生きる人々の魅力を織り交ぜ描く。

主人公・美也子役に堀田真由。将来への不安やほのかな恋心に揺れる等身大の女性をたおやかに演じる。津軽塗職人の父・清史郎には、日本映画界には欠かせない俳優、小林薫。二人は実際に地元の職人から津軽塗の技法を教わり撮影に挑んだ。監督は、初長編作「くじらのまち」でベルリン国際映画祭、釜山国際映画祭などで高い評価を得たのち、西加奈子の小説「まく子」の映画化も手掛けた鶴岡慧子監督。つらい時、楽しい時を塗り重ねるように日々を生きる父娘が、津軽塗を通して家族の絆を繋いでいく。

 この度、坂東龍汰が演じる主人公の兄・ユウの場面写真が解禁になった。 「お兄ちゃんは昔から明るくて人気者で、みんなから似てない兄弟って言われてました」と劇中で美也子が語るように、内気で引っ込み思案な妹に優しく寄り添うユウは、美也子とは正反対の性格を持つ青年。自分自身は家業を継がず家を飛び出したものの、津軽塗に心惹かれる美也子に一歩踏み込むよう勇気を与える存在だ。そんなユウは実家を出て弘前で美容師として働いており、今回解禁された場面写真の通り、劇中ではメッシュの入った暗い髪色から鮮やかな金髪に変化する姿が見られる。笑顔でピアノを弾く1枚からは、その明るくおおらかな雰囲気までもが伝わってくる。

映画「バカ塗りの娘」に坂東龍汰が出演 場面写真解禁
「バカ塗りの娘」の坂東龍汰(©2023「バカ塗りの娘」製作委員会)

坂東は、2017年にドラマ「セトウツミ」で俳優デビュー、翌年には「EVEN〜君に贈る歌〜」で映画デビューを飾り、その活躍ぶりは年々勢いを増している。2021年には、和山やま原作の話題のコミックのドラマ化「夢中さ、きみに。」や、犯人捜しの考察がネットを賑わせた「真犯人フラグ」など6本のドラマに出演。2022年になるとドラマ「ユニコーンに乗って」で脇を支える実力派若手キャストと評され、初主演映画「フタリノセカイ」では第32回日本映画批評家大賞 新人男優賞を獲得した。今年に入るとドラマ「リバーサルオーケストラ」で名だたるバイプレイヤーたちと肩を並べながらその存在感を遺憾なく発揮し、昨日最終回を迎えた話題のドラマ「王様に捧ぐ薬指」ではヒロインの初恋相手を演じ物語に波乱を巻き起こすキーパーソンとして注目を集め、今年だけで4本のドラマと3本の映画への出演が決まっている。

いまや映画やドラマに引っ張りだこの坂東だが、本作への出演に関して「鶴岡監督の映画がとても好きなので今回お話を頂いた時は素直にとても嬉しく楽しみでした」と語る。自分の夢・目標と津軽塗職人を父に持つ家族の間で葛藤する姿が印象的なユウだが、その役作りについて坂東は「実際に僕の実家もワイン農園をやっていて、僕が継ぐという話まではしませんでしたが役者の道に進むときに感じた感情などはユウにも少し生かすことが出来たかなと思います」と語り、自身の置かれていた環境とユウの境遇に共通点を見出したことを明かしている。
また、妹への深い愛情を忘れないユウという人物を演じたことについては、「美也子との最初のシーンは妹思いなユウの人柄をうまく表現できたらと思って演じました。父親に対しては色々とぶつかる事の多いユウですが根本の人柄は明るくて優しい、という部分を繊細に見せられたらと」とコメント。

堀田との共演に関しては「3度目の共演ということもありとても安心してお芝居ができました。普段からほんわかした空気感の堀田さんは常に現場で美也子にしか見えなかったのでとても撮影に入りやすかったです」と撮影時を振り返る。「津軽塗りの美しい職人技、静けさの中に響く音や画面いっぱいに広がる鮮やかな色は見ていて聞いていて一瞬で引き込まれうっとりしてしまいました」と坂東が語るように、津軽塗の工程を1カット1カット丁寧に漆を塗り重ねるように撮影された本作では、色鮮やかな模様を研ぎ出すように登場人物たちの個性も光る。

この夏は瀬々敬久監督最新作『春に散る』の公開も控えている坂東龍汰、躍進を続ける彼の新たな魅力が「バカ塗りの娘』で見ることができる。

映画「バカ塗りの娘」に坂東龍汰が出演 場面写真解禁
「バカ塗りの娘」の堀田真由㊨と小林薫(©2023「バカ塗りの娘」製作委員会)

【ストーリー】
「青木家は津軽塗職人の父・清史郎と、スーパーで働きながら父の仕事を手伝う娘・美也子の二人暮らし。家族より仕事を優先し続けた清史郎に母は愛想を尽かせて出ていき、家業を継がないと決めた兄は自由に生きる道を選んだ。美也子は津軽塗に興味を持ちながらも父に継ぎたいことを堂々と言えず、不器用な清史郎は津軽塗で生きていくことは簡単じゃないと美也子を突き放す。それでも周囲の反対を押し切る美也子。その挑戦が、バラバラになった家族の気持ちを動かしていく――。

【クレジット】
堀田真由/坂東龍汰 宮田俊哉 片岡礼子 酒向 芳 松金よね子 篠井英介 鈴木正幸  ジョナゴールド 王林/木野 花 坂本長利/小林 薫
監督:鶴岡慧子 脚本:鶴岡慧子 小嶋健作
  原作:髙森美由紀「ジャパン・ディグニティ」(産業編集センター刊) 
企画プロデュース:盛 夏子 プロデューサー:遠藤日登思 松岡達矢 福嶋更一郎  ラインプロデューサー:大川哲史
撮影:髙橋 航 照明:秋山恵二郎 録音:髙田伸也 音響効果:齋藤昌利 美術:春日日向子 
装飾:松尾文子 衣裳:藪野麻矢 ヘアメイク:光岡真理奈
編集:普嶋信一 音楽:中野弘基 スクリプター:押田智子 スチール:蒔苗 仁 助監督:栗本慎介
製作:「バカ塗りの娘」製作委員会 制作プロダクション:アミューズ映像企画製作部 ザフール 
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
(C)2023「バカ塗りの娘」製作委員会
2023年/日本/カラー/ビスタ/5.1ch/118分
●公式サイト:https://happinet-phantom.com/bakanuri-movie/ ●公式Twitter/Instagram:@bakanuri_movie