映画「キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩」公開記念 ウクライナ復興支援チャリティ試写会

(2023年6月28日21:30)

 映画「キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩」公開記念 ウクライナ復興支援 チャリティ試写会
演奏を行った澤田智恵さん㊧とセルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ大使 (28日、都内で)

映画「キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩」(7月7日公開)公開記念イベントとして、ウクライナ復興支援のミニコンサート付チャリティ試写会(主催:ウクライナ大使館、彩プロ)が28日、都内で開催された。

イベントには、ウクライナ駐日大使・セルギー・コルスンスキーによる挨拶、監督からのビデオメッセージも公開された。会場ロビーではウクライナ支援として募金箱が設置された。

ウクライナ復興支援 映画「キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩」公開記念 ミニコンサート付チャリティ試写会
ビデオメッセージで語るオレシア・モルグレッツ=イサイェンコ監督

同作のオレシア・モルグレッツ=イサイェンコ監督は、会場のスクリーンに映し出されたビデオメッセージで「私たちの映画が日本で公開されることをとても光栄に思います」とあいさつし、第2次大戦下にドイツ・ナチス、ソ連に支配されるなかで、ウクライナ、ポーランド、ユダヤ人の3家族が大地と子供たちを守り抜こうとする姿を描いた感動的な同作について「残念ながら全てのウクライナ人が現在経験している様子と非常によく似ています」と語った。
そして「ウクライナの国、ウクライナ人の生活、そして現在の戦争についてもっと知っていただきたいです。どうか我々のためにお祈り下さい。我々のことを思い出してください」と訴え「ウクライナに栄光あれ!」と締めくくった。

その後、日本ウクライナ芸術協会代表のヴァイオリニスト・澤田智恵さんとピアニストのユリア・レヴさんとの共演でミニコンサートが開催され、同作のタイトルにもなっている「キャロル・オブ・ザ・ベル」や、ウクライナ国民に愛され、侵略後にウクライナのゼレンスキー大統領が各国のオンライン演説を行った際にも引用された「メロディ」など3曲を演奏し、観客を魅了した。
澤田さんは、ロシア国立グネーシン音楽院学士・修士(モスクワ)、パリ・エコールノルマル音楽院ディプロムを取得し、国内外で毎年リサイタル開催している。ウクライナ出身の世界的ヴァイオリニスト、オレグ・クリサ氏と国内外で共演を重ねる他、ソリストとして、ウクライナ国立管弦楽団及び国立アンサンブルと共演。2018 年に日本ウクライナ芸術協会創設。国際交流コンサート、支援公演等を主催する傍ら、在日ウクライナ大使館の取組みに協力している。

続いてウクライナ駐日大使セルギー・コルスンスキー氏が登壇して挨拶した。
大使は「我々ウクライナ人にとってソ連時代は、ウクライナの占領時代でした。そしてウクライナがロシア帝国の一部であったときと合わせて370年間は、ウクライナが占領に耐えていた時代でした。被占領地の経験から、今こそ自由になりたいということで、ウクライナ人たちが今必死で戦っている。そういうことも、この映画を見ながら皆さんに考えていただきいと思います」となど語った。


■映画「キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩」

ウクライナ復興支援 映画「キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩」公開記念 ミニコンサート付チャリティ試写会
「キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩」(©MINISTRY OF CULTURE AND INFORMATION POLICY OF UKRAINE, 2020 – STEWOPOL SP.Z.O.O., 2020)

クリスマスキャロルとして有名な「キャロル・オブ・ザ・ベル」は、ウクライナで古きから歌い継がれている民謡「シェドリック」に 1916 年“ウクライナのバッハ”との異名を持つ作曲家マイコラ・レオントーヴィッチュが編曲し英語の歌詞をつけたもの。映画「ホーム・アローン」(1990年)のなかで歌われ、世界中に知られるようになった。「シェドリック」は「ウクライナ語、ウクライナ文化が存在している」という明確な証として今も歌い継がれている。ロシアによるウクライナへの侵攻が始まることを予感していたかのように 2021 年、ドキュメンタリーを主戦場とするオレシア・モルグレッツ=イサイェンコ監督は同作を作り上げた。第2次大戦下、ウクライナ、ポーランド、ユダヤ人の3家族が大地と子供たちを守り抜こうとする運命の物語。

1939 年 1 月、ウクライナのイバノフランコフスク(当時はポーランド領スタニスワヴフ)から物語は始まる。同じ屋根の下で暮らすウクライナ、ポーランドを舞台にした家族を通して日常を生きる戦争を描く。

【クレジット】
出演:ヤナ・コロリョーヴァ、アンドリー・モストレーンコ、ヨアンナ・オポズダ、ポリナ・グロモヴァ、フルィスティーナ・オレヒヴナ・ウシーツカ
監督:オレシャ・モルグネツ=イサイェンコ 脚本:クセニア・ザスタフスカ 撮影:エフゲニー・キレイ 音楽:ホセイン・ミルザゴリ プロデューサー:アーテム・コリ ウバイエフ、タラス・ボサック、マクシム・レスチャンカ
2021/ウクライナ・ポーランド/ウクライナ語/ビスタ/122 分/原題:Carol of the Bells
配給: 彩プロ 後援:ウクライナ大使館 映倫G
© MINISTRY OF CULTURE AND INFORMATION POLICY OF UKRAINE,2020 – STEWOPOL SP.Z.O.O,2020,
7月7日(金) 新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国公開