「6月0日 アイヒマンが処刑された日」 9月公開決定 ナチス戦犯アイヒマン処刑までの最後の日々描く

(2023年6月20日14:00)

「6月0日 アイヒマンが処刑された日」 9月公開決定 ナチス戦犯アイヒマン処刑までの最後の日々描く
「6月0日 アイヒマンが処刑された日」(© THE OVEN FILM PRODUCTION LIMITED PARTERNSHIP)

最重要ナチス戦犯アドルフ・アイヒマン処刑までの最後の日々を、史実を基に描いたヒューマンドラマ「June Zero」が邦題「6月0日 アイヒマンが処刑された日」として9月8日より日本公開することが決定した。

第二次世界大戦時、ナチス親衛隊中佐としてユダヤ人の大量虐殺に関わったアイヒマンは、終戦後逃亡しブエノスアイレスに潜伏していた。しかしイスラエル諜報特務庁により、1960年に捕らえられ、61年12月に有罪が確定。

全ての訴状で有罪となったアイヒマンの処刑は、イスラエルの「死刑を行使する唯一の時間」の定めに基づき、1962年5月31日から6月1日の日が変わる真夜中に執行された。処刑後アイヒマンの遺体を焼却するため、秘密裏に焼却炉の建設が進められる。宗教的・文化的にも火葬を行なわないイスラエルで、この「世界史の大きな節目」に深く関わることとなった焼却炉を作る工場の人々、そこで働く13歳の少年、アイヒマンの刑務官、ホロコーストの生存者である警察官、市井に生きる人々を通して、これまで描かれることのなかったアイヒマン最期の舞台裏がドラマチックに描かれる。

「6月0日 アイヒマンが処刑された日」 9月公開決定
「6月0日 アイヒマンが処刑された日」 9月公開決定
「6月0日 アイヒマンが処刑された日」 9月公開決定
「6月0日 アイヒマンが処刑された日」(© THE OVEN FILM PRODUCTION LIMITED PARTERNSHIP)

監督・脚本を務めたのは女優グウィネス・パルトロウの弟のジェイク・パルトロウ。これまで「マッド・ガンズ」(2014年)、「デ・パルマ」(2015年)などを監督してきたジェイクにとって初の外国語作品となる。イスラエルで取材を進める中、「実際に焼却炉を作った人の息子をインタビューしたのがきっかけでこの物語が生まれたんです。火葬を行わない文化・宗教において、それが実行された事実に興味を覚えました」とストーリー作りの発端を明かす。共同脚本にイスラエル出身のトム・ショヴァルを迎え、ヘブライ語で脚本を完成させた。イスラエルとウクライナで撮影された今作は、監督の強いこだわりにより、スーパー16mmフィルムで撮影されたという。

【ストーリー】1962年、ホロコースト(大量虐殺)の中心的人物であったアドルフ・アイヒマンの死刑が執行された。そのときイスラエルでは、3人の人物がこの歴史的かつ国家的重大事件に深く関わっていた。

監督・共同脚本:ジェイク・パルトロウ
1975年、カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。フィクション映画「マッド・ガンズ」、「恋愛上手になるために」では監督を、ドキュメンタリー映画「デ・パルマ」ではノア・バームバックと共同監督を務めた。人気テレビドラマ「ボードウォーク・エンパイア4 欲望の街」、「ホルト・アンド・キャッチ・ファイア 制御不能な夢と野心」なども手がけている。また、ニューヨーク・タイムズ・マガジンの委託により製作したショートフィルム「The First Ones(原題)」は、エミー賞にノミネートされた。ジェイクの作品は、サンダンス、ベネチア、ニューヨーク、カルロヴィ・ヴァリなどの名だたる国際映画祭で上映されている。

共同脚本:トム・ショヴァル
1981年、イスラエルのペタ・ティクバ生まれ。エルサレムのサム・スピーゲル映画学校で学ぶ。監督・脚本家としてテレビドラマや長編映画を手がけており、2013年に「若さ」がエルサレム国際映画祭で最優秀作品賞を受賞。ベルリン国際映画祭、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭、デンマークの国際映画祭CPH:PIXなど、多くの映画祭で上映されている。

タイトル:「6月0日 アイヒマンが処刑された日」
監督:ジェイク・パルトロウ 脚本:トム・ショヴァル、ジェイク・パルトロウ
2022年/イスラエル・アメリカ/ヘブライ語/105分/ヨーロピアン・ビスタ/カラー/原題:JUNE ZERO/日本語字幕:齋藤敦子
配給:東京テアトル 宣伝:ロングライド
© THE OVEN FILM PRODUCTION LIMITED PARTERNSHIP
9月8日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開