高野徹監督「マリの話」メインビジュアル&予告編解禁 濱口竜介監督がコメント

(2023年11月14日17:00)

高野徹監督「マリの話」メインビジュアル&予告編解禁 濱口竜介監督がコメント
「マリの話」メインビジュアル

高野徹監督「マリの話」(12月8日公開)の予告編とメインビジュアルが解禁になった。あわせて濱口竜介監督よりコメントが到着した。

高野監督は、濱口監督の『ハッピーアワー』(15)、『偶然と想像』の助監督を務めており、高野監督が本作で長編映画デビューしたことで、濱口監督がコメントを寄せた。以下全文。

ひたすら逸脱を繰り広げる映画『マリの話』が決して踏み外さない⼀点は「⾯⽩い」ということだ。そもそも⾯⽩い映画は極めてまれなものだけれど、この映画が更に特異なのは「何がどうして⾯⽩いのかまったくよくつかめない」ということだ。
四話構成の第⼀話こそ、果たしてここまで同時代の他の映画作家に似ていてよいのか……と⾯⾷らうが(それにしたって上⼿いと⾆を巻きもする)、話が進むにつれて映画はまったく思いがけないものへと変貌していく。映画の終わる頃には、観客は⾼野徹という⼀⼈の映画作家の誕⽣に⽴ち会うことになる。⾯⽩い。しかし、この得体の知れなさは何だか恐ろしくもある。——— 濱⼝⻯介(映画監督)

高野徹監督「マリの話」メインビジュアル&予告編解禁 滝口竜介監督がコメント
「マリの話」成田結美㊧とピエール瀧

本作は、濱口監督の前述2作の助監督を務め、ひと夏の恋愛を描いた短編映画『二十代の夏』(17)がフランス・ベルフォール国際映画祭でグランプリ&観客賞を受賞するなど、世界的に注目されつつある高野監督待望の初長編作。

マリ役を演じたのは、フランスで俳優としてのキャリアをスタートし、仏リメイク版『キャメラを止めるな!』(22)で個性的な通訳の女性を演じるなど、大ブレイク中の注目女優・ 成田結美。本当は現実に存在しないのでは? と観るものに思わせる美しくも謎めいた魅力を放つマリという女性を見事に演じた。
そして、スランプ中の映画監督・杉田役を演じたのは、Netflix「サンクチュアリ -聖域-」(23)や、映画『福田村事件』(23)など話題作への出演が絶えないピエール瀧。映画『凶悪』(13)や『アウトレイジ 最終章』(17)で見せたアウトローな役柄のイメージをがらりと一新。恋と映画づくりに奔走する情熱的な映画監督という役どころを演じた。
マリとユーモラスな恋バナを繰り広げる女性・フミコ役には、青年団で活躍する女優の松田弘子が出演。猫のように自由奔放で掴みどころのないフミコというキャラクターを、そのまま彼女の魅力として演じ、本作により一層の深みをもたらした。

この度、解禁した予告編では、ヨハン・シュトラウス1世が作曲した行進曲「ラデツキー行進曲」の軽快なテンポに乗せて、スランプ中の映画監督・杉田が、韓国料理屋の入り口で、夢にみた運命の女性を見かけるシーンから幕をあける。「演技することに興味ありませんか?」と彼女に映画への出演を誘う杉田。マリは、戸惑いながらも、にくめない杉田のキャラクターに魅了されていく様子がうかがえる。やがて恋仲に落ちた二人だったが、その関係に悩むマリは、愛猫を探す不思議な女性・フミコと出会うことで「ある決心」をする―。その物語の一部を予告編から垣間見ることができる。

同時に解禁されたメインビジュアルでは、マリの美しい横顔が採用されており、「スランプ中の映画監督、夢で出会った女性、逃げた猫はどこにいった?そして映画はー完成したの?」と謎めいたキャッチコピーが配置されている。

【STORY】
冬がはじまったばかりの海辺の町。シナリオ執筆中の映画監督・杉田は、偶然出会ったマリという若い女性に心奪われ、映画に出演してほしいと声をかける。その情熱的で、にくめない杉田のキャラクターに、戸惑いながらも恋心を抱くマリ。やがて恋仲に落ちた二人だったが、その関係に悩むマリは、愛猫を探す不思議な女性・フミコと出会うことで「ある決心」をする。

【クレジット】
出演:成田結美、ピエール瀧、松田弘子、戎哲史、パスカル・ヴォリマーチ、デルフィーヌ・ラニエル ほか
監督・脚本・プロデューサー:高野徹/共同脚本:丸山昇平/撮影:オロール・トゥーロン/録音・整音:松野泉/照明:北川喜雄/文化庁「ARTS for the future! 2」 補助対象事業
製作・配給:ドゥヴィネット/配給協力・宣伝:ブライトホース・フィルム
2023年製作/60分/ヨーロピアンビスタ/DCP 公式HP: mari.brighthorse-film.com     
©2023 ドゥヴィネット
2023年12月8日(金)よりシモキタ - エキマエ - シネマ「K2」にて公開!以降全国順次