欧州で急増する〈デュオ安楽死〉をリアルに描く「両親が決めたこと」 場面写真解禁&草刈民代コメント

(2026年1月27日12:00)

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「両親が決めたこと」キービジュアル

“老夫婦の究極の選択”を描く話題作で、トロント国際映画祭で注目を集めた映画「両親が決めたこと」(2月6日公開)の作品世界を象徴するミュージカルシーンの場面写真が解禁になった。あわせて女優・草刈民代の絶賛コメントを公開。

本作が描くのは、人生の最終章において“ある決断”を下した老夫婦と、その選択に揺さぶられながらも向き合わざるを得ない家族の物語。そして今、欧州でも日本でも深刻化する「高齢者の孤独」という社会問題が、物語の根底に静かに横たわる。誰にも言えない不安、家族にさえ言葉にできない痛み、孤立のなかで膨らんでいく「この先」をめぐる恐れ――。本作はそれらを、決して他人事として終わらせない。

欧州で急増する〈デュオ安楽死〉をリアルに描く「両親が決めたこと」 場面写真解禁&草刈民代コメント 
「両親が決めたこと」場面写真
欧州で急増する〈デュオ安楽死〉をリアルに描く「両親が決めたこと」 場面写真解禁&草刈民代コメント 
欧州で急増する〈デュオ安楽死〉をリアルに描く「両親が決めたこと」 場面写真解禁&草刈民代コメント 

〈デュオ安楽死〉とは高齢夫婦どちらかが終末期に安楽死するとき、そのパートナーが健康であっても共に安楽死すること。ジョイント型ともいう。
2024年2月、スペイン大手新聞社エル・パイス(ElPaís)は、オランダのドリース元首相(93)が妻と共に同時に安楽死を遂げたことを伝え、オランダでデュオ安楽死が急増していると報じた。オランダだけでも2022年の1年間で 29組の夫婦(計58人)に実施され年々増加傾向にある。本作はデュオ安楽死を大胆に掘り下げて描く、高齢者を応援する家族ドラマ。

バルセロナの舞台女優クラウディア(80)は末期がんの罹患者。癌は脳に転移し、錯乱や半身麻痺と自我の喪失が近づき、安楽死を選択する。クラウディアは子育てよりも舞台優先で生きてきた。お茶目な女優妻を支え、今なお愛してやまない夫のフラビオ。永縁なる夫婦は共に安楽死することを決意し、3人の子に打ち明ける。
子供たちは父の考えに賛成しない。長女は母の操作と決めつけ喧嘩する始末。しかし父の意志は固く、両親はデュオ安楽死に必要な手順を進め、最後の旅の出発がにわかに訪れるのだが・・・。

本作は両親の終幕を題材にしているが、不思議と暗さを感じさせない。むしろ家族のユーモアあふれるセリフ回しに、それを忘れてストーリーに没頭してしまう。本編の一部は、家族の心情を母の職業だったミュージカル調で表現し、本筋と見事に融合。最後まで自分らしく生きようとする母の終末期と、欧州で急増するデュオ安楽死。なぜ増えるのか。その家族の心の機微と、一つの答えを本作で垣間見ることができる。

欧州で急増する〈デュオ安楽死〉をリアルに描く「両親が決めたこと」 場面写真解禁&草刈民代コメント 
「両親が決めたこと」場面写真
欧州で急増する〈デュオ安楽死〉をリアルに描く「両親が決めたこと」 場面写真解禁&草刈民代コメント 
欧州で急増する〈デュオ安楽死〉をリアルに描く「両親が決めたこと」 場面写真解禁&草刈民代コメント 
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欧州で急増する〈デュオ安楽死〉をリアルに描く「両親が決めたこと」 場面写真解禁&草刈民代コメント 
欧州で急増する〈デュオ安楽死〉をリアルに描く「両親が決めたこと」 場面写真解禁&草刈民代コメント 

今回新たに解禁となったのは、観る者の記憶に強く残るミュージカルシーンの場面写真。海外メディアからは「『ラ・ラ・ランド』クラス」といった声も上がる本作だが、ミュージカルパートは決して“派手さ”で押し切らない。これは「ラ・ラ・ランド」の手法と共通する点だが、あえてミュージカルを“少なめ”に抑え、セリフではこぼれ落ちる感情――たとえば、言葉にできない孤独、揺れる覚悟、愛と恐れの交錯を、身体表現と音楽でそっと浮かび上がらせる。その手法がドラマパートと溶け合い、観客の心に深い余韻を残す。“ドラマとミュージカルの見事な融合”は、トロント国際映画祭作品賞受賞でお墨付き。デュオ安楽死と共に観客の感情を強く揺さぶった大きな理由のひとつとななった。欧州でも日本でも「高齢者の孤独」は社会問題として注目され続けている。孤独は、単に“ひとりで暮らしているかどうか”ではなく、理解されない痛みや、言葉にできない不安として忍び込む。『両親が決めたこと』が描くのは、まさにその“孤独のリアル”。家族がいるのに伝わらない。支え合ってきたはずなのに、最後の最後で言葉が届かない――。そして誰もが、愛する人を守りたい気持ちと、現実を受け止めきれない心の狭間で揺れていく。

【草刈民代の絶賛コメント】
女優として長年第一線を走り続け、映画『Shall we ダンス?』では社交ダンスに挑み、日本中に鮮烈な印象を残した草刈民代が、本作が突きつける“生々しい現実”を、深く鋭く受け止めたコメントを寄せた。(以下全文)
「究極の選択をした老夫婦。彼らを取り巻く家族たち。
この映画を観ているあいだ、深く、鋭く、現実そのものを突きつけられているような感覚になった。 一見すると突飛に見える言動も、「デュオ安楽死」を選んだ夫婦の切迫した日常の延長線にある。
人間とは、本来、こういう“揺れ”を抱えて生きているものなのだ。
両親の主張、それに翻弄され動揺する子どもたち。それぞれの立場から、誰もが“究極の選択”を迫られていく。
避けられない現実に向き合う人たちの、どうしようもない気持ちに引っ張られ、気づけば私も、当事者の一員になったかのように、深く考えさせられながら物語に引き込まれていた。」 

草刈の夫は映画監督・周防正行氏。SNS等でも伝わる“おしどり夫婦”としての姿が知られるなか、「夫婦で人生を共に歩む」ことの美しさだけではなく“夫婦で最期を迎える”というデュオ安楽死という選択を草刈さんがどう見つめたのか――。このコメントは映画を観終わった後の心に、静かに火を灯してくれる“問い”そのものとなっている。

【クレジット】
監督:カルロス・マルセット 脚本:カルロス・マルセット、クララ・ロケ、コーラル・クルス 撮影:ガブリエル・サンドル 編集:キアラ・ダイネーゼ 音楽:マリア・アルナル
出演:アンヘラ・モリーナ、アルフレード・カストロ、モニカ・アルミラル・バテット、パトリシア・バルガロ、アルバン・プラド
2024年/スペイン、イタリア、スイス/英語、スペイン語/106分/16:9/原題:Polvo serán/英題:THEY WILL BE DUST 配給・宣伝:百道浜ピクチャーズ
https://www.m-pictures.net/futarigakimeta/
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2026年2月6日(金)シネマート新宿ほか全国順次公開