第91回アカデミー賞 「ボヘミアン・ラプソディ」がラミ・マレックの主演男優賞など最多4冠
作品賞は「グリーンブック」

(2019年2月25日)

第91回アカデミー賞の授賞式が24日(日本時間25日)、ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、「ボヘミアン・ラプソディ」がラミ・マレックの主演男優賞など最多4部門を制覇した。

同作でクイーンのフレディ・マーキュリーを熱演したラミ・マレック(写真㊤)(アカデミー協会の公式インスタグラムから)は主演男優賞の最有力とみられていた)、ブラッドリー・クーパー(「アリー・スター誕生」)やヴィゴ・モーテンセン(「グリーンブック」)などを抑えて予想通りの受賞となった。主演男優賞のほかに音響編集賞、録音賞、編集賞と最多4部門での受賞を果たし、ブライアン・メイ、ロジャー・テイラーらクイーンのメンバーが」授賞式でパフォーマンスを行うなど会場を沸かせた。

View this post on Instagram

The legacy of Freddie Mercury lives on. @ramimalek with his Oscar for Best Actor.

The Academyさん(@theacademy)がシェアした投稿 -

注目されていた作品賞は本命視されていた「ROMA/ローマ」を抑えてて対抗馬といわれていた「グリーンブック」が受賞した。作品賞のほかに脚本賞・助演男優賞(マハーシャラ・アリ)の3部門で受賞した。



View this post on Instagram

@alfonsocuaron has his hands full with his three #Oscars tonight.

The Academyさん(@theacademy)がシェアした投稿 -

「ROMA/ローマ」はアルフォンソ・キュアロン監督が監督賞(写真㊥)、撮影賞・外国作品賞の3部門で受賞。ハリウッドで活躍するメキシコの映画監督キュアロン監督の幼少時代をモチーフにして1970年代のメキシコを舞台にした映画で、現在問題になっているメキシコとの国境に壁を建設しようとするトランプ大統領の政策に対するアンチテーゼとなるテーマ性も、反トランプ色が強いハリウッドが後押しするとみられていたが作品賞は逸した。いずれにしても、Netflix製作のネット配信で公開された作品の初のオスカー受賞で、今後のネット配信映画の興隆の先陣を切った作品として注目される。

「グリーンブック」は黒人の天才ピアニストとイタリア系用心棒の絆を描いた作品で、アメリカ社会が今も抱える人種差別問題というテーマもタイムリーだったとみられる。


View this post on Instagram

Olivia Colman stands with her 2019 Oscar for Best Actress. #Oscars

The Academyさん(@theacademy)がシェアした投稿 -

「ROMA/ローマ」と並んで最多10部門にノミネートされていた「女王陛下のお気に入り」はオリヴィア・コールマン(写真㊦)の主演女優賞だけだったが、主要部門の一つを獲ったことでなんとか面目を保った。

グレン・クローズは黄金のドレスで”生きたオスカー像”になったが主演女優賞逸す
 

毎年恒例の女優たちが見せたドレスの競演も豪華絢爛だった。「アリー/スター誕生」で主演女優賞にノミネートされたレディ・ガガはアレクサンダー・マックイーンがデザインした黒のガウンを着て3000万ドル(約3300億円)の「ティファニー ダイヤモンド」ネックレスを身に着けたという。主演女優賞は逸したが、映画の中で歌った「シャロウ~『アリー/スター誕生』愛の歌」が歌曲賞を受賞した。 「天才作家の妻―40年目の真実―」で悲願のオスカーを手にするかと注目されていたグレン・クローズは、ゴールのドレスで登場し“歩くオスカー像”と注目を集めた。黄金のドレスはなんと重さが19キロあるという。300万個以上のビーズがあしらわれており、ニューヨークとインドのムンバイで40人以上の職人が集められて制作されたという。クローズはこれまで6回アカデミー賞にノミネートされている演技派女優だが、本物のオスカー像は今回も手にできなかった。
外国語映画賞部門にノミネートされていた是枝裕和監督の「万引き家族」と長編アニメ映画賞部門にノミネートされていた細田守監督の「未来のミライ」は賞を逸した。

【主要6部門の受賞】
作品賞   「グリーンブック」
監督賞   アルフォンソ・キュアロン(「ROMA/ローマ」)
主演男優賞 レミ・マレック(「ボヘミアン・ラプソディ」)
主演女優賞 オリヴィア・コールマン(「女王陛下のお気に入り」)
助演男優賞 マハーシャラ・アリ(「グリーンブック」)
助演女優賞 レジーナ・キング(「ビール・ストリートの恋人たち」)

<