アレック・ボールドウィンの銃誤射死傷事件、米TVプロデューサーが撮影現場で実銃の使用を禁止 署名運動に16000人

(2021年10月25日21:00)

アレック・ボールドウィンの銃誤射死傷事件、米TVプロデューサーが撮影現場で実銃の使用を禁止 署名運動に16000人
アレック・ボールドウィン (Instagram/@alecbaldwininsta)

アレック・ボールドウィン(63)の撮影中の銃誤射死傷事件を受けて、米テレビプロデューサーが、撮影現場で本物の銃を小道具として使うことは禁止することを決めたことが分かった。映画界の大物たちの中にはすでにこの "古臭い慣習 "を禁止している人もいるという。また撮影での実銃使用禁止を求める署名運動で16000人の署名が集まるなど波紋が広がっている。

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、米ABCテレビのドラマ「The Rookie」のエグゼクティブ・プロデューサー、アレクシ・ハーレイ氏はボールドウィン事件の翌日の22日(現地時間)、警察ドラマのスタッフに宛てたメモの中で、「番組内で "生きた "武器(実銃)はもう使用しない」と発表した。

また、ケイト・ウィンスレット主演のミニシリーズ「メア・オブ・イーストタウン」のクレイグ・ゾーベル監督は、ツイッターで「空砲を装填した銃などをセットに置く理由はもうない。完全に非合法にすべきだ」と訴えた。「今はコンピューターがある。『メア・オブ・イーストタウン』の銃声はすべてデジタルだ。でも誰も気にしないよ。(本物の銃を使用するのは〉不必要なリスクだ」としている。一般的に、ハリウッド映画では空砲を装填した実銃が使用されているという。

アレック・ボールドウィンの銃誤射死傷事件、米TVプロデューサーが撮影現場で実銃の使用を禁止 署名運動に16000人
死亡した撮影監督ハリナ・ハッチンスさん㊧と負傷したジョエル・ソウザ監督 (Instagram/@halynahutchins /@#joelsouza)
事件があった映画「ラスト」の撮影現場(ハリナさんのインスタグラム)

21日(現地時間)にニューメキシコ州の映画「ラスト」の撮影現場で起きた悲劇で、ボールドウィンは不注意で空砲ではなく実弾の入った銃を渡された。その銃を発砲し、銃弾が撮影監督のハリナ・ハッチンスさんの胸を直撃して死亡させ、ハリナさんの体を貫通した銃弾がジョエル・ソウザ監督の鎖骨に当たり負傷させた。教会の中で椅子に座ってカメラに向かって撃つシーンの撮影だったという。

撮影で実銃使用禁止を求める署名運動も起きている。「change.org」で撮影現場での実銃の使用禁止を求める署名活動が始まり24日正午(現地時間)までに約16000人の署名が集まったという。主催者は「このような回避可能な悲劇が二度と起こらないようにする必要があります21世紀にこのようなことが起こっていいわけがありません」と訴えている。
この署名運動では、ボールドウィンが「自分の力と影響力を使って」禁止を推進し、映画の撮影現場で本物の銃を使用することを違法とする法律「ハリナ法」を業界に働きかけることを求めているという。この法律に死亡した撮影カメラマンの名前を使って「ハリナ法」と名付けたという。

■「空包」と「空砲」とは

空包(くうほう)は、小火器に用いる弾薬の一種であり、内部に火薬が収められているが、弾頭や鉛の散弾などは詰められていない。発射時、空包は閃光や発射音を作り出す。
空包を撃つこと、または実弾を込めていない銃を「空砲」という。空包は、しばしば演技(歴史的事件の再演、演劇、映画の特殊効果)や訓練、信号(競技に使用するスターティングピストル)に用いられる。(ウイキペディアより)