アンバー・ハードの弁護団が名誉毀損裁判でジョニー・デップの新疑惑を指摘

(2022年4月14日16:15)

アンバー・ハードの弁護団が名誉毀損裁判でジョニー・デップの新疑惑を指摘
ジョニー・デップ㊧とアンバー・ハード(インスタグラムから)

ジョニー・デップ(58)が元妻アンバー・ハード(35)がワシントン・ポスト紙で発表したコラムを名誉棄損として5000万ドル(約62億5000万円)を請求して提訴した裁判が12日(現地時間)、米バージニア州フェアファックスの裁判所で行われ、ハードの弁護士がデップの新疑惑を指摘した。その後デップの妹クリスティ・デムブロウスキーさん(61)が証言した。

デップは、ハードが2018年にワシントン・ポスト紙に寄稿したコラムでDVを告発したことで脅迫され決まっていた役を降ろされるなどした。そうした米国の文化を変革する必要があると主張。デップは名誉棄損で5000万ドル(約62億5000万円)の賠償金を求めて訴えた。ハードはコラムの中でデップの名前を出していないが、デップの弁護士は、それが彼についてのものであるとわかり、「ファンタスティック・ビースト」シリーズから降ろされるなどキャリアに悪影響を与えたと主張している。ハードはデップがSNSで中傷を繰り返しハードの女優声明を潰そうとしたとして1億ドル(約125憶円)を求めて反訴している。

米エンタメサイト「TooFab」によると、公判では両者の弁護士が冒頭陳述を行い、その後、デップの妹のクリスティ・デムブロウスキーさんがデップ側の最初の証人として証言台に立った。
デップの弁護士が最初に発言し、ハード側が新たに主張したデップの性的虐待の疑惑について質問した。
デップの弁護士のカミーユ・ヴァスケスは「ハードさんはデップ氏に対して今までそのような告発をしたことはなく、2016年の彼女に対するデップ氏の虐待疑惑の中にもありませんでした。何が変わったのでしょうか」としたうえで「彼女は自分の主張の深刻さに気づいたとき、パニックになって性的暴行を主張したのです。デップ氏の58年間で、一人の女性も彼の暴力を告発したことはなく、ハリウッドでも世界でも、ハードさんが公に告発するまで、誰も彼が虐待者であると信じる根拠はなかったのです」と主張した。そして「証拠はそれが嘘であったことを示すだろうし、それは今でも嘘である」と述べた。

ハードの弁護士エレイン・ブレデホフトは2016 年、オーストラリアでの「パイレーツ・ザ・カリビアン/最後の海賊」撮影中の3日間に言及し、デップは「アンバーを虐待し、性的暴行を加えた」と主張。それを「3日間の人質」状態と呼び、「彼女の命を危険にさらすことになり、彼女は自分の部屋にバリケードを作った」と主張した。 「彼(デップ)はすぐにエクスタシーを8〜10錠飲み、次の3日間は彼による非常に暴力的な行為が繰り返された」と指摘。「彼は時に妄想、偏執的で......かなり恐ろしいことが彼女に起こりました」、「彼は彼女のナイトガウンを引き裂き、彼女をバーに押し付け、瓶やビンを投げつけました。彼は彼女を割れた瓶や酒で床を引きずり回したのです」と続けた。「彼は彼女を殴り、蹴り『殺す』と言い、彼女を『憎む』 と言った。彼は彼女を叩いて」そのとき性的暴行があったという。
冒頭陳述の後、デップのチームは米誌「People」に声明を発表してハード側が新たに主張した"性的暴力 "を否定した。

■デップの妹が証言「ハードは兄を『太ったおっさん』と呼んでいた」

双方の弁護士がデップの新疑惑をめぐって応酬した後、デップの妹でアシスタントのクリスティ・デムブロウスキーさんが証言台に立った。彼女は、「2人が言い争うのは珍しいことではない」ため、兄のためにホテルの部屋を余分に予約することが多かったと主張し、デップは「逃れるために別の部屋に隠れる」こともあったと述べた。彼女は、彼らがお互いに暴力を振るうのを見たことはないと言ったが、ハードがかつてデップのことを「太ったおっさん」と呼び、フランスのファッションブランド、ディオールがなぜ彼と仕事をしたがるのかと疑問を呈したことがあるなどと証言した。
2人が結婚を決めたときのことを聞かれると、「怖かったわ。実際打ちのめされた」といい「実は、もう少し待ってくれるように説得したんです」と語った。ハードは婚前契約へのサインを拒否したという。この姉妹の主張は、婚前契約を見送ることにしたのはデップだとするハードの弁護人の主張に反論するものだ。
反対尋問で、ハードの弁護士はデンブロウスキーさんに兄デップの薬物使用について質問し、2014年2月に兄に送った「酒をやめろ」「コカインをやめろ」「ピルをやめろ」というメールを提示した。しかし、デンブロウスキーさんはメールの内容を思い出せず、「何を指しているのかわからない」と述べた。
デップはハードのコラムに彼の名前が書かれていないが、ハードがデップとの5年間の交際について書いていると広く思われたため、この論説が彼の評判とキャリアを台無しにしたと主張している。この記事について聞かれたデンブロウスキーさんは、「今回のように非難されれば、誰であれキャリアに悪影響があると思います」と答えた。「個人的には、彼は自分がそのような人間であると思われたくないのだと思いますし、実際そうではありません」と弟を弁護した。また、虐待疑惑が「子どもたちに影響を与えることが彼を最も悩ます部分」だと述べた。

裁判は1カ月以上続き、ハードとデップや、イーロン・マスク、ジェームズ・フランコら著名人の証言が相次ぐとみられている。

■ジョニー・デップVSアンバー・ハードの”バトル“の経過

デップとハードは2012年に「ラム・ダイアリー」で共演したのがきっかけで恋愛関係になり、同年デップは長年のパートナーだったヴァネッサ・パラディ(45)との破局を発表。14年にハードと婚約して翌年2月に結婚したが、わずか1年3か月の結婚生活で16年5月にハードが離婚を申請。酒に酔ったデップからDVを受けていたとしてあざができた顔写真を公開して波紋を広げた。デップはDVを否定していたが17年8月にデップが700万ドル(約7億6300万円)を支払うことで離婚が成立した。これで一件落着かと思われたが続きがあった。
18年10月、デップが雑誌「GQ」(英国版11月号)のインタビューで、ハードに対するDVを全面否定して、ハードのDV告発で「シンデレラから醜い男にされた」などと激しく非難。さらにハードが同年12月ワシントン・ポストに手記を寄せて、(デップの名前は出さず)DVを告発したら脅され、決まっていた役を降ろされるなど報復されたと主張して、そうした社会構造を変える必要があるなどと訴えた。
その後デップが「ワイフ・ビーター」(妻虐待夫)と報じた英紙「サン」を訴え、さらにワシントン・ポストに手記を書いたハードを名誉棄損で提訴した。ロンドンの裁判所で行われたデップの名誉棄損裁判では、「サン」の記事は「おおむね事実」としてデップは敗訴し, 控訴も棄却されデップの敗訴に終わった。
2022年4月12日(現地時間)、米バージニア州フェアファックスの裁判所で、ハードが2018年12月に米紙ワシントン・ポストに寄稿したコラムで名誉を棄損されたとしてデップ5000万ドル(約62億5000万円)の巨額賠償金を請求した訴訟が開始。ハードはデップがSNSで中傷するなど女優生命を潰そうとしたとして1億ドル(約125億円)を請求して反訴している。

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