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ホラー映画特集―「メビウスの悪女 赤い部屋」「事故物件 恐い間取り」などのとっておき情報

(2020年8月24日17:30)

映画評論家・荒木久文氏が、「メビウスの悪女 赤い部屋」「事故物件 恐い間取り」など夏恒例の怖いホラー映画のとっておき情報を紹介した。
トークの内容はFM Fuji「GOOD DAY」(火曜午後3時、8月18日放送)の映画コーナー「アラキンのムービーキャッチャー」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。

ホラー映画特集―「メビウスの悪女 赤い部屋」「事故物件 恐い間取り」などのとっておき情報
(映画トークで盛り上がった荒木氏㊧と鈴木氏)

鈴木   お呼びしましょう。愛しの荒木さーん!

荒木   今日は夏の恒例、怖い話特集ということで、ホラーです。ここのところ気温の高さは文字通り、怖いほどですよね。

鈴木   おっしゃる通りですよ。

荒木   そんなことも含めて怖い映画です。
ダイちゃん、ホラー映画は好きですよね?

鈴木   僕、ホラー映画、オカルト映画とかサスペンスとか大好きですよ。

荒木   そうですよね。スプラッターはあんまり好きじゃないんだよね?血がどろどろとか。

鈴木   そうそう。心理的な怖さが好きです。

荒木   今日はイベントと映画をいくつかご紹介したいと思います。

まずは、『夏のホラー秘宝まつり 2020』という怖い映画のイベントが開催されます。
今年で7回目を迎えるのですが、東京のキネカ大森という映画館で今週末8月21日から公開されます。こわーい映画のオンパレードですのでお好きな方はどうぞ。

このイベントで上映される映画をいくつかご紹介します。

ホラー映画特集―「メビウスの悪女 赤い部屋」「事故物件 恐い間取り」などのとっておき情報
「メビウスの悪女 赤い部屋」 (「第7回夏のホラー秘宝まつり 2020」の公式HPから)

まず一本目です。『メビウスの悪女 赤い部屋』というタイトルの作品。
あの伝説の作家、江戸川乱歩の原作『双生児』を現代風にアレンジしたものです。

今回のこの『メビウスの悪女 赤い部屋』は双子の姉妹が主人公です。妹が姉の婚約者に恋するあまり、姉を殺して姉になりすますというエロティックホラーです。
元グラビアアイドルの清水楓(かえで)さんというきれいな女優さんが、一人二役で双生児の姉妹を演じ分け、初ヌード、初濡れ場に挑んでいます。なかなかエロくて怖いという、一粒で二度おいしいという、ちょっと表現が陳腐ですが、そんな作品です。この作品は出版元キングレコードの“赤い部屋”シリーズの第一弾として製作され、今後、江戸川乱歩を原作としてシリーズ化が決定しているそうです。

続いて『夏のホラー秘宝まつり 2020』の2本目です。
韓国のホラーですね。韓国のホラーも定評がありますよね。
今回は『ワーニング その映画を観るな』というタイトルの作品です。
この作品は“ホラー映画作りにまつわるホラー映画”という構造になっているんです。

ホラー映画特集―「メビウスの悪女 赤い部屋」「事故物件 恐い間取り」などのとっておき情報
「ワーニング その映画を観るな」 (「第7回夏のホラー秘宝まつり 2020」の公式HPから)

主人公はミジョンさんという若い女性で、映画監督の卵。彼女はプロデューサーから、新しいホラー映画の脚本を2週間で仕上げるように厳命されます。,br> ところがアイデアが出なくて煮詰まっていた彼女に、ある呪われたホラー映画の噂が入ってきます。その作品は、とある大学の映画学科の学生の卒業制作作品だったのですが、上映した時には怖すぎて観客の半分は途中で逃げ出し、心臓発作で死人まで出たということです。ミジョンは俄然興味を惹かれ、真相を探ろうとします。そこに、その映画を監督したという男から連絡が入ります。さあ、どうなるのか…。
韓国のホラー映画は日本と違って、ガツンと怖いという評判がありますね。

鈴木   じんわりじゃなくてね。

荒木   じんわりもあるんですが、ガッとくるんです。
この映画、光の使い方がとても印象的で闇をうまく見せていますね。
それと話題作りがうまく、劇中に登場する廃墟の映画館は、実際に心霊スポットとして知られている場所だといいますし、手カメラを使って『パラノーマル・アクティビティ』のような手法も取り入れていてなかなか怖いですよ。

そのほかには日本の作品で、『怪談新耳袋(みみぶくろ)Gメン2020』という作品があります。
新耳Gメンと言われる男たちが心霊映像を撮影するために、各地の心霊スポットに体当たりの撮影に突入するというちょっと苦笑まじりの伝説のシリーズ。今回彼らが挑むのは、実際に起こった殺人・殺傷現場で、事件後に心霊スポットとなっている場所に出向きカメラを回します。さあ、何が映っているのか?という物好きな人の作品です。

そのほかにも旧作ですが、名作傑作映画をリバイバル上映するということで、イタリアのホラー映画の巨匠と呼ばれるマリオ・バーヴァ監督の作品を何本か上映します。
このマリオ・バーヴァはイタリアのみならず全世界のホラー映画に大きな名前を残した、イタリアン・ホラー黄金期を作った巨匠です。1960年に撮ったモノクロのゴシック・ホラー『血ぬられた墓標』はホラー映画史に残る名作といわれています。
その後の作品はリドリ-・スコットの『エイリアン』に影響を与えたといわれており、後に『13日の金曜日』シリーズを始め、多くのフォロワー作品を生み出す事になります。
その傑作と言われる『血塗られた墓標』は、魔女裁判によって処刑されたお姫さまが200年後に甦るというストーリーですが、ほかにも『呪いの館』『血みどろの入江』そして『リサと悪魔』という作品があります。多少マニアックになりますが、お好きな方は是非ご覧になってください。
8月21日からの『夏のホラー秘宝まつり 2020』という怖い映画のイベントのお知らせでした。東京のキネカ大森です。ご興味のある方は是非どうぞ。

他にも怖い新作映画、公開間近のものです。

まずは8月28日から公開される日本の作品『事故物件 恐い間取り』という作品です。 事故物件ってわかりますよね?

鈴木   わかりますよ。

荒木   事故物件(じこぶっけん)とは不動産用語で、土地・建物や、アパート・マンションなどのうち、なんらかの原因で前の居住者が死亡した経歴のあるものをいいます。特に殺人、傷害致死、火災(放火ないし失火)などの刑事事件や事件性のない事故、自殺、災害や孤独死などで前の居住者が死亡した物件をさしますね。一般的にはまあ今は専門的なサイトまであって、どこのどんな事故物件がいくらで出ているなんて一目瞭然です。賃料も販売価格も大幅に安くなっています。ただやはり、気にしないという人もいますが、怖いという人が多いでしょうね。

鈴木   ちょっと気持ち悪いなー。

荒木   誰か好んで住んでいる人、知っていますか?

鈴木   身近な男で一人いますね。

荒木   勇気ありますね。

鈴木   彼は全然怖くないって言ってますね。

荒木   そうですか。うちの娘、昔事故物件の契約寸前までいったんですけど、やっぱりやめると言ってキャンセルしました。

鈴木   じゃあ事故物件だと分かってて、途中まで契約しようと思ってたの?

荒木   そうです。分かってるというか、今は不動産屋さんはそういうことをちゃんと伝えないといけないんですよね。告知事項というらしいですけど、ちゃんと説明して、だから安いんですよって言わないと法律違反になるらしいので、その辺はきちんとしているようです。

鈴木   なるほど。僕、一日目は絶対寝れない。もう無理だと思います。

荒木   そうだよね。

ホラー映画特集―「メビウスの悪女 赤い部屋」「事故物件 恐い間取り」などのとっておき情報
「事故物件 恐い間取り」(©2020「事故物件 恐い間取り」製作委員会 8月28日(金)全国公開 )

そんな怖い事故物件を選んで住むという「事故物件住みます芸人」として、実際に9軒の事故物件に住んだ松原タニシさんという芸人さんの実体験を記したノンフィクションの本『事故物件怪談 恐い間取り』を映画化したがこの作品です。

ストーリーですが、売れない芸人・ヤマメくんは「テレビに出してやるから事故物件に住んでみろ」とテレビプロデューサーの先輩から指示され、テレビの出演と家賃の安さから殺人事件が起きた物件に引っ越します。
その部屋は一見普通の部屋ですが、撮影した映像には謎の白いものが映り込み、音声が乱れるなど不思議な現象が起こります。ヤマメくんの出演したテレビ番組は盛り上がります。彼は新たなネタを求めて事故物件に次々に移り住むようになります。

鈴木   売れっ子になるわけですね。

荒木   そうなんです。住む部屋、住む部屋でさまざまな怪奇現象に会うヤマメくんは「事故物件住みます芸人」として大ブレークするんですが、そんな彼に恐ろしいことが襲い掛かります…。主演はなんとあの亀梨和也くん。昨日今日辺りちょっと話題になっていますね。監督は、『スマホを落としただけなのに』や『貞子』などホラーの巨匠、中田秀夫さん。

鈴木   それすごいじゃないですか。

荒木   すごいですよね。
解決されない怖さや、次々に移り住まなきゃいけない感じという売れない芸人の悲哀なども上手く演じています。亀梨くん、本格的な役作りで関西弁も完璧ですし、もさっとした感じが上手く出ています。
そして中田監督は日本のホラーの代表的監督の一人ですが、さすが怖がらせ方をよく知っています。つぼを心得ているというか、なかなかクオリティーの高い怖さですよ。 つい昨日観たんですけど…。

鈴木   ビクッとくる?

荒木   長いけど本当に怖い映画ですよ。この夏一番のホラー映画ですので、是非ご覧になっていただきたいですね。

鈴木   相当涼しくなりそうですか?

荒木   涼しくなりますね。
8月28日から公開の日本の『事故物件 恐い間取り』という作品です。

ホラー映画特集、他にも洋画の『カウントダウン』という9月11日公開の作品もあるのですが、今日は時間がないのでまた後日にでも。スマートフォンアプリをテーマにしたホラーなのですが、これも面白いので後日ご紹介しようと思います。

今年はコロナの影響でお化け屋敷もやらないところ多いみたいですね。

鈴木   そうでしょうね。 荒木   だからそういう意味では、映画を観るか自分で心霊スポットに行くのもいいと思いますね。

鈴木   いやいや怖すぎるなぁ。

荒木   山梨の心霊スポットって調べてみたらたくさんあるんですね。

鈴木   荒木さん、たくさんあるんですよぉ~~~。

荒木   富士山、霊峰富士の麓ということで、あの有名な湖とか池とか旧Mトンネルとか…。個別の場所は言えないんですけど、他の県に比べて非常に多いですよね。

鈴木   他の県に比べて“非常に”多いですか?

荒木   多いです!多いです!東京なんかも、大きな公園なんかは戦争でそこで、たくさん人が死んだとかそういうのもあるんですけど、霊的な感じは山梨県とか、ほかは四国も多いよね。
いろんな心霊スポット多いので、暇な人は暑さに気を付けて是非行ってみたらいいんじゃないかなと思います。熱中症に気を付けて。涼しくなるかどうかはわかりません。

鈴木   逆に変なもの背負ってきちゃって暑くなったらやだなぁ。

荒木   ははは。それはあるかもしれませんね。
オカルト好きのダイちゃんですから、そういうところに是非行ってみて感想を聞かせていただきたいと思いますね。

鈴木   荒木さんは個人的には、霊体験とかお化け体験はあるんですか?

荒木   全くなし。

鈴木   全くなしですか!?

荒木   私はそういう感受性がないのか全くないですね。

鈴木   じゃあ怖いところかもしれないのに何も感じないタイプですよね?

荒木   そうですね。本当にそういう感受性がないですね。時々かみさんに「気持ち悪い」とか「怖い」とか言われますけど、それ以外は全くないです。

鈴木   まあそれは一番幸せなタイプですよ。

荒木   そうですかね?ダイちゃんはあるの?

鈴木   僕もないつもりでいたんだけど、何回か不思議な霊体験というのがありますね。
昔住んでたアパートを引っ越した理由が「霊」でした。

荒木   そうですか。今度そんな話詳しく聞きたいなぁ。

鈴木   すごくお酒が冷たくなるお話しますよ。

鈴木   そう。まさしく。

荒木   楽しみにしています。
もう一回機会があったらホラー映画特集やりたいなと思います。

鈴木   そうですね。もう一回くらい聞きたいなぁ。
それでは今日もありがとうございました。

■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。

■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。FM Fuji『GOOD DAY』(火曜午前10時)のパーソナリティなどに出演中。

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