スピルバーグ監督、「E.T.」20周年記念版でオリジナルに修整を加えたことに後悔を表明

(2023年4月29日11:00)

スピルバーグ監督、「E.T.」20周年記念版でオリジナルに修整を加えたことに後悔を表明
「Time100 Summit 2023」で「E.T.」について語るスピルバーグ監督(YouTubeから)

スティーブン・スピルバーグ監督(76)が、「E.T.」の20周年記念版を公開した際にオリジナル版.に一部変更を加えたことについてに後悔の念を表明した。

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、スピルバーグ監督は25日(現地時間)、ニューヨークで開催された「Time100 Summit 2023」に出席して、1982年のSFファンタジーの名作「E.T.」の20周年記念版「E.T.20周年アニバーサリー特別版」を2002年に公開した時に、一部内容を変更したことについて後悔の念を表明した。

「E.T. 」のクライマックで、主人公の少年たちがETを自転車に乗せて警官の追ってから逃げるシーンで、警官が持っていた拳銃とショットガンを、最新技術のデジタル処理でトランシーバーに替えたことを後悔していると語った。その変更に伴って「銃はやめて。相手は子供なのよ!」というセリフが削除されたり、「テロリスト」という台詞が「ヒッピー」に変更されるなど修整が施された。

銃の削除はエンディングの危険性を減らすために行った試みといわれているが、「あれは間違いだった。あんなことするんじゃなかった。『E.T.』はその時代の産物だ。どんな映画も、私たちが現在持っているレンズに基づいて、自発的に、または強制的に覗き込んで映画を修整されるべきではありません」と語った。

監督が初めて自作を一部変更した当時、コメディアンや批評家たちから嘲笑され、揶揄されたといわれる。

スピルバーグ監督は、「私にとって、これは神聖なものです。私たちの歴史であり、文化遺産なのです。私はあのような検閲を信じていません」と述べた。