杉咲花、第78回毎日映画コンクールの女優主演賞 日本映画大賞は阪本順二監督「せかいのきおく」

(2024年1月16日10:30)

杉咲花、第78回毎日映画コンクールの女優主演賞 日本映画大賞は阪本順二監督「せかいのきおく」style=
女優主演賞の喜びを語った杉咲花

第78回毎日映画コンクール(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催)の受賞作品と受賞者が19日に発表され、杉咲花が「市子」で女優主演賞を獲得した。男優主演賞は「エゴイスト」の鈴木亮平、日本映画大賞は阪本順二監督の「せかいのきおく」に決まった。

初の単独主演作「市子」で女優主演賞に決まった杉咲は「嬉しい気持ちでいっぱいです。特にまわりの方々が喜んでくれているのが何より嬉しいです」と喜びを噛み締めた。
「手放しに“感動できる”とか“癒される”とかいった作品ではないのですが、人間の複雑さを描いた『市子』という物語をこんなにもたくさんのお客様が観てくださったということに希望のようなものを感じます」と伝えた。
そして「この映画へのまなざしは、自分たちの実生活にも返ってくるものだと思っています。それがほんのちょっとでも、人々の暮らしや社会に影響を与えられるものであったら嬉しいです」と観客へのメッセージを送った。

「市子」は、監督の戸田彬弘が主宰する劇団チーズ theater 旗揚げ公演作品でもあり、サンモールスタジオ選定賞 2015 で最優秀脚本賞を受賞した舞台「川辺市子のために」が原作。観客から熱い支持を受け2度再演された人気の舞台が映画化となった。
痛ましいほどの過酷な家庭環境で育ちながらも「生き抜くこと」を諦めなかった川辺市子を演じるのは杉咲花。抗えない境遇に翻弄された彼女の壮絶な半生を、凄まじい熱量で体現した。これまでも演技力に定評があった杉咲だが、その期待を遥かに超え圧巻の演技を披露、芝居を超えて役を生き抜く姿がスクリーンに映し出される。
「杉咲 花さんの存在感が圧倒的」「事前に知らなければ杉咲 花だとは気が付かないくらいイメージと違う強烈な目」といった声が相次ぎ、「市子」は年末年始も順調に数字を伸ばし、当初30館程だった上映劇場も現在 80 館程まで拡大が決定しているという。

■第78回毎日映画コンクールの主な各賞

日本映画大賞  「せかいのきおく」(阪本順二監督)
日本映画優秀賞 「ほかげ」(塚本晋也監督)
監督賞     石井裕也(「月」)
男優主演賞   鈴木亮平(「エゴイスト」)
女優主演賞   杉咲花(「市子」)
男優助演賞   宮沢氷魚(「エゴイスト」)
女優助演賞   広瀬すず(「キリエのうた」)
スポニチグランプリ新人賞(男性)アフロ(「さよなら ほやマン」
スポニチグランプリ新人賞(女性)サリ ngROCK(「BAD LANDS バッドランズ」)
田中絹代賞   薬師丸ひろ子
授賞式は、来月 2 月 14 日(水)にめぐろパーシモンホールにて開催予定。