第37回東京国際映画祭 ウィメンズ・エンパワーメント部門新設&Nippon Cinema Now 部門 入江悠監督特集決定

(2024年8月29日12:30)

第37回東京国際映画祭 ウィメンズ・エンパワーメント部門新設&Nippon Cinema Now 部門 入江悠監督特集決定
ウィメンズ・エンパワーメント部門の作品選定を行うアンドリヤナ・ツヴェトコビッチ氏

第37回東京国際映画祭(10月28日~11月6日)では、女性監督の作品、あるいは女性の活躍をテーマとする作品に焦点をあてたウィメンズ・エンパワーメント部門を新設する。さらにNippon Cinema Now部門で「SR サイタマノラッパー」などの入江悠監督を特集することが決まり29日発表された。

■ウィメンズ・エンパワーメント部門の新設(共催:東京都)

東京国際映画祭ではこれまでメインの「コンペンティション」部門や長編3本目までのアジアの新人監督のコンペである「アジアの未来」、日本公開前の国内外の話題作をプレミア上映する「ガラ・セレクション」など主要9部門で構成されていたが、今年新たにもう1つ「ウィメンズ・エンパワーメント」(Women’s Empowerment)部門が加わる。
同部門は東京都と連携し女性監督の作品、あるいは女性の活躍をテーマとする作品に焦点をあてた部門となる。中心となるのは女性監督の作品、あるいは女性の活躍をテーマとする世界の新作上映(7本を予定)で、初代駐日マケドニア大使であり、2021年に第34回東京国際映画祭で「Amazon Prime Video テイクワン賞」の審査委員も務めたアンドリヤナ・ツヴェトコビッチ氏がシニア・プログラマーとして現在作品選定を行っているという。この他、シンポジウムやゲストトーク付き上映も予定。2021年に映画界での男女平等を推進している国際団体「Collectif 50/50」にアジアの映画祭として初めて署名をした東京国際映画祭がジェンダーに関して更なる一歩を踏み出す。このウィメンズ・エンパワーメント部門が女性の活躍を称え、未来の映画の地平を広げることを期待しているという。

アンドリヤナ・ツヴェトコビッチ氏は「長年にわたり、スクリーンの表現は主に男性の視点で描かれるものが多く、より幅広い鑑賞体験というものが欠けていました。しかし、デジタル技術の進歩により、映画製作はより身近なものとなり、女性監督、脚本家、主人公が大幅に増えてきています。今回の東京国際映画祭のこの部門は、このような新しい声に焦点を当て、彼女たちの多様なストーリーと映画への貢献を称えるものとなります」とコメントした。

第37回東京国際映画祭 ウィメンズ・エンパワーメント部門新設&Nippon Cinema Now 部門 入江悠監督特集決定
 入江悠監督

■Nippon Cinema Now部門特集   入江悠監督

この1年の日本映画を対象に、特に海外に紹介されるべき日本映画という観点から選考された作品を上映するNippon Cinema Now部門では、2009年の自主制作による『SR サイタマノラッパー』が大きな話題を呼び、以降ジャンルの垣根を越えた形で振り幅の大きい野心作を次々と撮り続けており、今年公開の『あんのこと』も話題となった入江悠監督を特集する。
【上映作品5本】
『SR サイタマノラッパー』(09)、『SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』(10)、『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(12)、『太陽』(16)、『あんのこと』(24)
※いずれも英語字幕付き上映

入江悠監督は「あっちにいきこっちにいき、右往左往しながら、映画を作ってきました。特集上映をしていただけるとのこと、身に余る光栄です。これまで一緒に映画を作ってくれたスタッフ・俳優の皆さんと、観客の皆さんに感謝します」とコメントした。

東京国際映画祭プログラミング・ディレクター市山尚三氏は「入江悠監督はインディペンデント映画とメジャー製作の大作を行き来しつつ、常に刺激的な作品を発表し、日本映画の未来を担う監督の一人とみなされています。これまでの経歴の一つの区切りともいえる傑作『あんのこと』(24)が公開されたことを機会に、入江監督のこれまでの功績を振り返るとともに、来るべき海外での評価のきっかけになれば、という思いでこの特集を企画しました」と選考理由を語った。

■プロフィール

アンドリヤナ・ツヴェトコビッチ
初代駐日マケドニア大使であり、2022年にはWIN Inspiring Women Worldwide Awardを受賞。日本大学で映画研究の博士号を取得、欧州大学で名誉博士号を授与され、京都大学では客員教授を務めた。映画監督としては映文連アワードの部門優秀賞を受賞。その他、世界経済フォーラムや国連気候変動会議で講演を行う。東京国際映画祭では2023年に「SDGs in Motion トーク」のプログラム・キュレーター、2021年にはAmazon Prime Video テイクワン賞の審査委員を務めた。

入江悠監督
映画監督、脚本家。1979年、神奈川県生まれ、埼玉県育ち。03年、日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。2009年、自主制作による『SR サイタマノラッパー』が大きな話題を呼び、ゆうばり国際ファンタスティック映画オフシアター・コンペティション部門グランプリ、第50回映画監督協会新人賞など多数受賞。その後、同シリーズ『SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』(10)、『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(12)、『SRサイタマノラッパー マイクの細道』(17)を制作。『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』(11)で高崎映画祭新進監督賞。『AI崩壊』(19)で日本映画批評家大賞脚本賞。その他に『ジョーカー・ゲーム』(15)、『太陽』(16)、『聖地X』(21)、『映画ネメシス 黄金螺旋の謎』(23)、『あんのこと』(24)などを監督。

<第37回東京国際映画祭 開催概要>
■開催期間:2024年10月28日(月)~11月6日(水)
■会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区 ■公式サイト:www.tiff-jp.net
<TIFFCOM2024開催概要>
■開催期間:2024年 10 月30日(水)~11月1日(金)
■公式サイト:www.tiffcom.jp

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