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映画
稲垣吾郎、新垣結衣らが第36回東京国際映画祭コンペ部門出品「正欲」のワールドプレミアに登壇
(2023年9月2日22:00)

第36回東京国際映画祭(10月23日~11月1日)のコンペティション部門に選出された稲垣吾郎と新垣結衣が初共演する映画「正欲」(11月10日公開)の同映画祭公式上映・ワールドプレミアが25日、都内で行われ、稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香と岸善幸監督が舞台挨拶を行った。
同作は直木賞作家・朝井リョウ氏の同名小説を映画化した作品で、家庭環境、性的指向など様々な異なる背景を持つ人生がある事件をきっかけに交差していくという群像劇で、稲垣は検察官、新垣は特殊な性癖を持つことを隠す契約社員を演じている。
稲垣は、昨年同映画祭の観客賞を受賞した「窓辺にて」に続いて2年連続のコンペ部門選出となり「うれしかったですね。この場所に帰ってこれたというのは本当に光栄に思っております。東京国際映画祭は映画を愛する者の特別な場所なので、また皆さんに、世界中の人に見ていただくのはうれしい」と語った。
新垣と磯村との初共演について聞かれ「普段からいろんな映画やドラマの作品で拝見させていただいている素晴らしい俳優さんたちなので、共演できるのはうれしく思いました」としたうえで「撮影の現場で見る普段の表情と違った、映画の登場人物になり切っていたので、僕もその世界にいざなわれて気持も強く演じることができました」という。
新垣は稲垣との共演について「ご一緒できたシーンがとても濃密というか、とてもシリアスというか重要なシーンだったので、濃い時間を共に過ごして一つのシーンを作り上げるのに一緒に力を尽くすことができたというのがとても光栄でした」と振り返った。
新垣の芝居を試写で見た映画ライターや評論家の間では、新垣の表情とか演技を絶賛しているという話を司会から聞かされ、稲垣は「今までの新垣さんのいろんな作品とか、ビジュアルとか、コマーシャルとかで描く新垣さんのこれまでのイメージを覆された。撮影現場で最初に会った時は本当にびっくりした」と明かした。
稲垣は「大きな覚悟を必要とされる役を皆さん演じたので、それが報われるような素晴らしい作品に監督監督が仕上げてくださったので感謝しています」と述べた。
新垣は「企画書を読ませていただいた時、心引かれるものがありまして、監督とも直接お話しさせていただいて、同じ方向に向いて挑むことができると意思疎通ができて、ぜひよろしくお願いしますとスタートしました。今こうして映画が完成して岸監督のもとで、素晴らしい皆さんと一緒にこういう作品に参加できた事はとてもうれしく思っています」と振り返った。
磯村は「稲垣さんとのシーンはわずかだったんですけど、忘れられないくらい緊張感がありました。稲垣さんは怖いかただったですが、とても助けていただいたというか、空気を出していただいて。何もしなくてもいいくらい引っ張ってもらいました」と振り返った。
「前科者」に続いて岸監督と2度目のタッグとなる磯村は、脚本を読んだ鑑賞について聞かれ「また非常に難しい役と出会ったなという印象でした。人とは異なる性的嗜好、そこについては監督、プロデューサーさん含めて、ここはどういうことなんだろうということを何回もお話ししたぐらいつかむには難しかった」というが、「作品が届けたいメッセージは今の時代にとても合っているし、なにか救いになるんじゃないかと感じました」と同作の持つ意味について語った。
原作の小説を読んでいて、オーディションでダンスサークルの所蔵するイケメンの諸橋役を射止めたという劇団EXILEの佐藤は「受かったときはうれしかったですが、原作を読んだ時の衝撃もあって、いろいろ考えたんです。でもあんまり緊張している時間はなくて、自分がやらなきゃいけないことが目の前にいろいろあって、結構楽しめた感じはあります」と語った。
女子大生の八重子役を演じて共演者から絶賛の声が上がっているといわれた東野は、「大変恐縮です。八重子が感じている不安感だったりとか恐怖心というものは、私の25年か、人として女性として生きてきた中で感じたことのあるものだったので、あとは分岐点で違う道に行っただけだと思っていて、その先の八重子の人生とすごく向き合った時間でした」と振り返った。
岸監督は原作の同名小説について「世界が大多数といわれている人たちがいて、一方でそこのカテゴリーに入らない方々が存在している。マイノリティのなかのマイノリティという人が存在している。その存在をすごく丁寧に今この世界でどう生きているのかということを描いている。衝撃でしたし目から鱗が落ちる作品でした」と映画化の題材に選んだ理由につい明らかにした。
最後に新垣は「あんまりこういうに見てくださいということではなくて、皆さんの心に届くものがあればそれが本当にうれしいし、ありがたいことだなと思っています。じっくり見てください」と観客に語り掛けた。
稲垣は「人それぞれの個性というものを認め合うことの大切さ。そういうものを発見することの喜びを感じていただける作品だと思います。この後(映画に)出てくる登場人物たちを見ていると、息が苦しくなるような、とても切ない物語ではあるんですけど、きっと最後には皆さん居深い感動をお届けできるとても素晴らしい作品に仕上がっていると思います」と自信をのぞかせた。
【第36回東京国際映画祭 開催概要】
■開催期間:2023年10月23日(月)~11月1日(水)
■会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区 ■公式サイト:www.tiff-jp.net
【TIFFCOM2023 開催概要】
■開催期間:2023年 10 月25 日(水)~27 日(金)
■会場:東京都立産業貿易センター浜松町館 ■公式サイト:www.tiffcom.jp