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映画「1980 僕たちの光州事件」 軍事政権下の市民生活が一転する衝撃の本編映像解禁
(2025年4月1日18:15)


映画「1980 僕たちの光州事件」が、4月4日(金)よりシネマート新宿ほか全国公開される。公開に先立って軍事政権が民主化デモを銃弾で弾圧した光州事件によって生活が一転した家族が写し出された本編映像が解禁になった。
『KCIA 南山の部長たち』(20)では長年独裁者の座に君臨したパク・チョンヒ大統領の暗殺事件(1979年10月26日)を、『ソウルの春』(23)ではその直後に起きたチョン・ドゥファンによる軍事クーデターを、それぞれ史実を基にしたフィクションとして傑作映画に仕立て上げ大ヒットに導いた韓国映画界。
そんな中、忘れてはならないのが『ソウルの春』で権力の座を奪った軍事政権が民主化運動のデモ隊を銃で弾圧し3000人を超すといわれる死傷者を出した「光州事件」(1980年5月)だ。
前出の2作品と同じく大ヒットを記録した『タクシー運転手 〜約束は海を越えて〜』(17)で描かれたのは、 民主化を叫ぶ善良な市民たちを虐殺する軍人たちの姿を、世界に伝えなければという使命感に目覚めてゆくタクシードライバーと惨劇を現場で撮影したドイツ人記者のエモーショナルな姿だった。
本作は3000人を超す死傷者を出した光州事件のど真ん中に生活をしていた「ごく普通の家族」の姿に焦点を当て、権力が市民の小さな幸福をいかにして踏みにじったのか、そして悲劇の中にあっても大切な人を守りたいと願う思いがいかに尊いものであるかを、ユーモアを交えながらも切々と描いてゆく。涙なくしては語れない韓国現代史劇の新たな 傑作映画がここに誕生した。
ひたすら自慢のジャージャー麺を作り続ける中国料理店の店主、結婚を目前に控えて浮かれている男、二人目の我が子の出産を控えた母親、美容室の経営がうまくいくことを夢 見ている女性、そして子どもたち。そんな平凡な人々の生活が、1979年12月12日の軍事クーデターから5か月後、突如崩れ去ることとなった光州事件を市民目線で描いた。
『タクシー運転手〜約束は海を越えて〜』では、ドイツ人ジャーナリストのユルゲン・ヒンツペーター記者が日本での準備を経て5月20 日の午前中に光州へ辿り着い てから同23 日までの取材期間を描いたのに対して、 本作では5月17 日から 5月28日の最後の戦いとその後までを描き、さらに大きな悲しみと怒りを観客へ訴えかける。
この度解禁となった本編映像では、暴動から逃げてきたチョルスの父親をかくまうシーンから始まる。父親は、急いで家の中に逃げ込み、とある理由から久々に息子チョルスの顔を見るのだ が、一刻を争う事態に何も言わずその場を走り去ってしまう。その様子に気付いたチョルスの母親が、隠れ場所に誘導するが、無理やり押し入った軍人たちがチョルスの祖父の制止を振り切り家の中に入ってくる。祖父が「やめてください。アカ(共産主義者)などかくまっていません」と主張するも、見つかってしまい家の中を走り回る父親と軍人たち。泣き叫ぶ子供と怯える家族たちの中で響く犬の鳴き声…。途中、母親がきゅうりパックをしながら休んでいた様子からも分かるように、何の変哲もない普通の家族に起こった理不尽な出来事をリアルに描いた生々しい本編映像となっている。市民目線で光州事件を描いたことにより深い悲しみと怒りが観客を包み込む。
【STORY】
1980年5月17日。少年チョルス(ソン・ミンジュ)の祖父(カン・シヌル)は念願だった中国料理の店をオープンさせる。父親(イ・ジョンウ)はどういうわけか家にいないけれど、チョルスの大好きな幼馴染のヨンヒや優しい町の人たちに祝福されて、チョルスと家族は幸せに包まれていた。しかし輝かしい未来だけを夢見る彼らを、後に「光州事件」と呼ばれる歴史的悲劇が待ち受けていた。
【クレジット】
監督・脚本:カン・スンヨン
出演:カン・シニル、キム・ギュリ、ペク・ソンヒョン、ハン・スヨン、ソン・ミンジェ
2024 年/韓国/韓国語/99 分/シネマスコープ/5.1ch/字幕翻訳:本田恵子/字幕監修:秋月望/原題:1980/映倫 G
配給:クロックワークス https://klockworx.com/movies/1980/
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4月4日(金)より、シネマート新宿ほか全国公開