第78回カンヌ国際映画祭開幕 ロバート・デ・ニーロに名誉パルムドール ディカプリオがプレゼンター

(2025年5月14日11:00)

第78回カンヌ国際映画祭開幕 ロバート・デ・ニーロに名誉パルムドール ディカプリオがプレゼンター
ロバート・デ・ニーロ㊨に名誉パルムドールを授与したレオナルド・ディカプリオ(Joachim Tournebize / FDC)(カンヌ国際映画祭の公式サイトより)

第78回カンヌ国際映画祭が13日(日本時間14日未明)、開幕した。開幕式で映画界における長年の功績をたたえロバート・デ・ニーロ(81)に「名誉パルムドール」が授与され、レオナルド・ディカプリオがプレゼンターを務めた。日本からは最高賞のパルムドールを競うをコンペティション部門に早川千絵監督の「ルノワール」が選出されている。

デ・ニーロの名誉パルムドール授与にはプレゼンターとして「ディパーテッド」(06)で共演するなど親交のあるレオナルド・ディカプリオが登壇した。
同映画祭の公式サイトによると、ディカプリオがステージに上がると、観客はスタンディングオベーションで迎え最高潮に達した。

ディカプリオは「ロバート・デ・ニーロは単なる名優ではなく、ザ・アクターなのです。マーティン・スコセッシとともに、彼らは映画界で最も伝説的な物語、妥協のない物語を語ってきた。彼らは映画を作るだけでなく、映画のあり方を再定義した。彼らは俳優と監督の関係を、リスクを分かち合う坩堝へと昇華させた」とデ・ニーロを称えて名誉パルムドールを授与した。

デ・ニーロは「カンヌ国際映画祭には、大きなスクリーンで物語を語ることを愛する人々のために、このコミュニティ、この宇宙、この 「家 」を作っていただき、本当にありがとうございます。カンヌ映画祭はアイデアのプラットフォームであり、私たちの作品の祭典です。カンヌは新しいプロジェクトにとって肥沃な土地です」と挨拶。
そして「私の国では、当たり前だと思っていた民主主義を守るために懸命に戦っています。これはすべての人に関わることです。芸術は本質的に民主的なものだからです。芸術は包括的であり、人々をひとつにする。芸術は自由を求めるものです。多様性を受け入れる。だからこそ、芸術は今日の脅威なのだ。だからこそ、私たちはこの世界の独裁者やファシストにとって脅威なのです」などと訴えた。

審査委員長はフランスの女優ジュリエット・ビノシュが務め、米女優ハル・ベリーなどが審査員に選ばれた。

日本からは最高賞のパルムドールを競うコンペ部門早川千絵監督の「ルノワール」が出品されているほか、「ある視点」部門にはノーベル賞作家カズオ・イシグロさんの小説を原作にした石川慶監督の「遠い山なみの光」が選ばれた。またカンヌプレミア部門では深田晃司監督の「恋愛裁判」が上映される。授賞式は24日(日本時間25日未明)に行われる。