CNNがトランプ大統領と側近を提訴記者の“ホワイトハウス出禁”の撤回求める

(2018年11月14日)

  • CNN
  • CNNの提訴を報じる米誌ハリウッド・リポーター(電子版)

米CNNのホワイトハウス担当記者がトランプ大統領(72)の記者会見で、「移民キャラバン」問題などをめぐって厳しい質問をして大統領に罵倒された挙句にホワイトハウスの記者証を取り上げられた問題で、CNNは13日、大統領と側近を相手取って、直ちに出入り禁止の措置を撤回するように求めて首都ワシントンの米連邦地裁に提訴した。CNNが発表し、米メディアが一斉に報じた。

ことの発端となったのは米中間選挙の翌日の7日、ホワイトハウスで行われた大統領の記者会見で、CNNのホワイトハウス担当のチーフ・ジム・アコスタ記者(47)が、中米からアメリカを目指して大移動している「移民キャラバン」について、大統領が「侵略者」と発言していることについて「侵略ではない」などと質問をして、大統領は「侵略だ。君とは意見が違う」などと反論。さらに質問を続ける記者に「CNNは君を雇っていることを恥じるべきだ。君は無礼で恐ろしい人物だ」などとまくし立てた。

その後アコスタ記者はホワイトハウスの取材を許可する記者証を取り上げられ無期限の”出入り禁止“に。その理由はマイクを取り上げようとした女性スタッフに触る不適切な行為をしたというもの。記者は「うそ」と全面否定し、CNNは「詐欺的ないいがかり」と反論していた。

「米メディアのサイトで公開されている記者会見の動画を見ると、女性スタッフがマイクを取り上げようとしたときに、記者が体をそらしてマイクを渡さなかった。そのときに記者の左手が女性スタッフの腕に触れたように見えるが、女性スタッフに触ったとか、まるでセクハラみたいな言い方はどうなのか。質問が気に入らなかったから出禁にしたとしか思えない」(マスコミ関係者)という声も。大統領はかねてからCNNを「フェイクニュース」「国民の敵」などと“口撃”していた。

提訴についてCNNは「憲法に規定された報道の自由の侵害」としたうえで「問題ににしないで放置しておくと、ホワイトハウスの行動が議員を取材するすべてのジャーナリストに危険で恐ろしい影響をもたらす」と警鐘を鳴らした。