ガーシー被告初公判 起訴事実をおおむね認め謝罪 常習性は争う構え

(2023年9月20日11:00)

ガーシー被告初公判 起訴事実をおおむね認め謝罪 常習性は争う構え
ガーシー被告(Instagram/@gassyy_ch)

ユーチューブで俳優の綾野剛(41)ら4人を繰り返し脅迫したなどとして暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)、証人等威迫の罪などに問われた元参院議員ガーシー(本名=東谷義和)被告(51)の初公判が19日、東京地裁で開かれ、ガーシー被告は起訴事実をおおむね認めて謝罪した。弁護側は「常習性は認められない」として一部争う姿勢を見せた。

ガーシー被告は昨年2月から8月にかけて、ユーチューブに配信した動画で綾野剛と所属事務所の代表、実業家、デザイナーの4人を常習的に脅迫し、このうち2人の刑事告訴を取り下げさせようと、「絶対許さん」などと脅したとして、暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)、名誉毀損、強要、威力業務妨害、証人等威迫の5つの罪に問われている。

検察側は冒頭陳述で、視聴者の関心を得られるように意に沿わない芸能人などを対象に 、家族などを含めて秘密を暴露すると称して動画を配信し、多額の収入を得るようになった、などと指摘した。

ガーシー被告は、起訴内容について「間違いありません」と認め、「多大な精神的苦痛と経済的な損失を与え、大変申し訳ありませんせんでした。一生をかけて反省し、償っていきたい」などと述べて、傍聴席に向かって頭を下げて謝罪した。

弁護側は、脅迫行為について常習性はなく、より刑が軽くなる脅迫罪にとどまると主張。常習性をめぐって争う姿勢を見せた。
「常習的脅迫が認定されると実刑になる可能性が出てくると予想される。実刑を回避するために常習性で争い、執行猶予付きの有罪判決を獲得したいという作戦ではないか。それでも4人を脅迫して、さらに2人の告訴を取り下げさせようと脅迫したと認定されると厳しい判決もありうる」(法曹関係者)。

傍聴席18席の一般傍聴席を求めて560人が並んだ。倍率は約31倍だった。次回公判は来月30日の予定で、判決は来年3月に言い渡される見通しだという

ガーシー被告は2022年、NHK党(現・政治家女子48党)から参院選に比例区から立候補しで当選したが、海外に滞在し続け登院せず、参議院から懲罰を受けた。その際国会での謝罪に応じなかったため、同年3月15日に「除名」処分を受けて参議院議員を失職した。
ガーシー被告は日本時間6月4日午前、UAEから飛行機に乗り日本に向かい同日夕,成田空港に到着したところで警視庁の捜査員に逮捕された。