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ハリウッド特急便
ジャスティン・バルドーニのNYタイムズ紙に対する390億円裁判 判事が一時停止
(2025年3月6日11:30)

女優のブレイク・ライヴリー(37)が、映画「ふたりで終わらせる/IT ENDS EITH US」の撮影中に、監督兼俳優のジャスティン・バルドーニ(40)からセクらと中傷キャンペーンの被害にあったと報じたニューヨーク・タイムズ紙に対して、バルドーニが2億9000万ドル(約390億円)の損害賠償を請求して提訴した裁判で、判事が審理の一時停止を認めた。
米誌「USWeekly」(電子版)によると、ルイス・J・ライマン判事は3月4日(現地時間)、NYタイムズ紙の証拠開示の一時停止の要求を認めた。この期間中、判事は同紙側の請求棄却の申し立てを検討するという。NYタイムズはバルドーニが訴訟を取り下げることを求めているという。
判事の決定を受け、NYタイムズの広報担当は、「私たちは、今日の裁判所の判決に感謝しています。これは、ここで問題となっている憲法修正第1条の重要な価値を認めたものです。裁判所は、バルドーニ氏がタイムズ紙に対して、本来なら起こすべきではなかった訴訟での証拠開示請求で負担を強いることを止めたのです」とコメントした。「この訴訟は起こされるべきではなかった」と主張している。
NYタイムズ側は、「ブレイク・ライブリーは、撮影現場や映画公開後の扱いについて深刻な懸念を表明しました。私たちは、報道機関がすべきことを正確に行いました。彼女がカリフォルニア州公民権局に提出した苦情を一般に知らせたのです。バルドーニ氏の、我々の倫理を疑い、我々の報道の信用を失墜させようとし、根拠のない訴訟を起こすタイムズ紙に対する誤ったキャンペーンで我々を黙らせることはできないだろう」と記事の正当性を主張している。
2024年12月、NYタイムズ紙は、「私たちは誰でも葬ることができる:ハリウッドの中傷マシンの内 」とのタイトルで、ライヴリーが同作の監督で共演者のバルドーニをセクハラで告発し、さらには彼女に対する中傷キャンペーンを組織したとする記事を掲載。その後、ライヴリーはセクハラと報復キャンペーンでバルドーニを訴えた。
バルドーニはセクハラ疑惑などを否定し、その後、ライヴリーの主張に基づく記事で読者に誤解を与えたなどとしてNYタイムズ紙を提訴した。
同紙は「独立した報道機関の役割は、事実が導くところに従うことです。私たちの記事は、細心の注意を払い、責任を持って報道しました。記事の中で正確かつ長文で引用したテキストメッセージや電子メールを含む、数千ページに及ぶ原文書のレビューに基づいている。これらのメールと電子メールは、ブレイク・ライブリーがジャスティン・バルドーニとその関係者に対してカリフォルニア州で起こした差別の訴えの核心部分でもあります」などと主張している。
同作の撮影中のセクハラ疑惑をめぐっては、ライヴリーがバルドーニをセクハラなどで訴えた裁判、バルドーニがライヴリーを逆提訴した裁判。そしてバルドーにがNYタイムズを訴えた裁判がある。今回、バルドー二VSNYタイムズの裁判で、判事がNYタイムズ側の証拠開示を一時停止して、請求棄却を検討することになったことで裁判は新局面を迎た。請求棄却が認められれば、今後の裁判全体に影響を与える可能性がある」(法曹関係者)とのしてみもあり、今後の成り行きが注目される。