トラヴィス・スコットのコーチェラ出演中止を求め5500人が署名

(2021年11月9日10:20)

トラヴィス・スコットのコーチェラ出演中止を求め5500人が署名
トラヴィスス・スコット(Insagram/@travisscott)

米テキサス州ヒューストンで5日(現地時間)に行われたラッパーのトラヴィス・スコット(29)のコンサートで、観客がステージに殺到して8人が死亡し数十人が負傷した事件の波紋が広がる中、来年春に予定されているスコットのコーチェラ・フェスティバルの出演を中止するよう呼びかける署名活動が始まり5500人以上が署名したという。

アストロワールドの被害者は窒息し、群衆のパニックの中で「ゴミのように」踏みつけられたと弁護士が語る 米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、スコットのアストロワールドのコンサートでの死傷事件を受けて、スコットが来年のコーチェラ・フェスティバルでパフォーマンスをするのを止めるための嘆願書に5500人以上が署名したという。コーチェラ・フェスティバルは毎年4月にカリフォルニア州の砂漠地帯コーチェラ・ヴァレーで開催される大規模な音楽祭で週末3日間、2週連続で開催され、トップアーティストが多数出演し観客動員巣は約25万人といわれる。

スコットは多数の死傷者が出たことで非難を浴びている。スコットがステージに上がった直後、ファンがステージに殺到してパニック状態になり、ファンは助けを求める声を上げたが、トラヴィスは30分以上もパフォーマンスを続けたという。スコットは、観客の中で何が起こっているのか知らなかったと主張しているが、音楽愛好家のセンドロ・セクレトスさんは、来年4月に開催されるコーチェラへのスコットの出演を阻止するため、Change.orgで署名活動を開始した。嘆願書の概要によると、スコットのコンサートで起きた「悲劇的で不必要な死」は、「スコット自身の重大な過失と、人命に対する思いやりの欠如によるもの」だと主張している。

あるファンはスコットのコンサートの混乱状態を映した動画をツイッターに投稿して「この被害者の家族の気持ちを想像してみてください。 #TravisScott は自分のファンが運ばれていく間、まるで命よりもパフォーマンスの方が重要であるかのように歌い続けたのです」と非難した。

スコットは過去にもコンサートで混乱を煽ったとして告発されているという。2017年にアーカンソー州で開催された音楽祭と、2015年にシカゴで開催された音楽祭で、パニックを煽り、警備員や観客が負傷する事態となったとして起訴されているという。スコットは2015年に米誌『GQ』のインタビューで「観客がただ立っているだけの状態は好きではない。僕はいつも、WWFのような雰囲気にしたいんだ。怒ること、楽しむこと、良い感情を表現することを世界中に広めようと思っています」 と述べている。今回の事件は起こるべくして起きたと言えそうだ。観客がスコットとイベントの主催者を「予測可能で予防可能な惨事」の責任を追及し損害賠償を求めて訴訟を起こしており成り行きが注目される。