4月のおすすめ映画 文化放送「上地由真のワンダーユーマン」推薦

(2023年4月10日10:30)

文化放送「上地由真のワンダーユーマン」(月曜午後9時30分)でパーソナリティ―の上地由真と映画ソムリエの東紗友美さん、映画評論家の荒木久文さんの3人が4月のおすすめ映画を紹介して見どころを解説した。同番組では毎週テーマを設け“由真的”テイストで進行。毎月第1週目は「今月のシネマログ」と題し、その月に公開される話題の映画作品を上地由真と映画の専門家2人が紹介する。今回は4月3日の放送で「search/#サーチ2」「レッド・ロケット」「ガール・ピクチャー」が紹介された。

上地    上地由真のワンダーユーマン!今週もよろしくお願いします。 今日は月に一度の映画をフューチャーする回、題して「今月のシネマログ」。映画ソムリエの「さゆみん」こと東紗友美さん、映画評論家の荒木久文さんとお届けしていきます。 よろしくお願いします!

荒木・東  よろしくお願いします!

上地    4月公開の映画の中から、私、上地由真とさゆみん、荒木さんの三人が「これはおすすめ!」と思った作品をご紹介していきます。 まずはさゆみんからお願いします。

4月のおすすめ映画 文化放送「上地由真のワンダーユーマン」推薦
「search/#サーチ2」

東     はい、私がご紹介するのは4月14日から公開の「search/#サーチ2です。
ロサンゼルス在住の高校生の女の子ジューンは、シングルマザーの母親と2人暮らしです。ある時、彼女の母親はロサンゼルスから遠く離れた南米・コロンビアに旅行に行くことになりました。 そこで突然、行方不明になってしまいます。デジタルネイティブ世代の高校生のジューンは、検索サイト、家事代行サービス、SNSなど使い慣れたサイトやアプリを駆使して母の捜索を試みるが、事態は思わぬ方向に進んでいってしまいます。いったい母親はどこにいるのでしょうか…?というお話です。2018年に全画面がPC上で進行するという本当に斬新な手法で展開された『searⅽh/サーチ』という作品がありましたが、それの続編になります。
私的には『searⅽh/サーチ』、あの感動をもう一回見られるのね。前作と似たようなことするんじゃないの?って思っていたら、また全然異なる楽しみ方ができる映画になっていたから、大変面白く拝見しました。なぜならね、前回の主人公を思い出していただきたいんですけど、それはパソコンが苦手なお父さんが、忽然と姿を消してしまった16歳の女子高生を、SNSとか見ながらたどたどしく進行している部分が多かったですけど、今回は180度変わります。今回はスーパーデジタルネイティブ世代・10代の女子高生が失踪したお母さんを探すという設定になっているので、今あるアプリとかネットサービスをとにかく知り尽くしているんですよ。この世代、主人公にしたのがこの映画が面白くなる勝因だったなという感じで。スピードで言うと前回の10倍ぐらいの速さで進む…。

上地    速っ!

東     処理がすごい。画面のすべてに伏線があって、もういろんなところ・・・だからね、文字とかも2箇所で出ていたりするから、どこ見ていたらいいかわからないぐらいの情報量で進むんですけど、なんかもうすごかったな~。だからね、私も見落としがあるかもしれないから、もう一度観たいなって思っているんですけど。 オリジナルの『searⅽh/サーチ』とは全然また違った楽しみ方が出来るんじゃないかなって思いました。 荒木さん、いかがでした?

荒木    はい。私ですね、偶然東さんと同じ回の試写を観たんですよね。終わったら、東さん、私を気の毒そうに、上から目線で「荒木さん、よくわかんなかったでしょ?」って言うんです。

上地    ハハハハハ!決めつけ?

東     わかってないでしょ?荒木さん、今も…。難しかったですもん。

荒木    あのね…私ね、前の会社では、デジタルコンテンツ部長ですよ。 そのくらいはわかります。ツイッターもフェイスブックも誰より先に始めて、まあ誰より先にやめましたけどね。

上地    アッハハハ!そうだったんだ?

東     逆にすごい…え、じゃあ、全部理解できました?

荒木    もちろんほぼほぼ、理解できました。で、東さんからは、年寄りにはこの映画、わからないだろうと、バカにされたんですよ、私。 たしかにね、たぶん、私の隣りに座っていた清水さんというおじさんなんですけど、まだガラケー使っている…、彼は全くわからなくて。「荒木さん、コンピューターっていうのは何でも出来る魔法の箱なんですよね」みたいな、そういうノリなんだよね。

東     でもそれぐらいリアルですよね。そう思わせる…。

荒木    そう。世代によって、環境によって、全くこれ。理解出来ない人がいることはたしかですよね。少しでもPCだとかアプリとかサービスをわかっている人には、特にZ世代中心のね、若い人には面白いと思いますよ。まさにデジタルデバイドっていう、いわゆる情報格差、これが如実に表れる作品だね。

東     たしかにそうですよね。もう相変わらず今回もすべてがデジタルデバイス上で展開されて、パソコンだけじゃなくてアップルウォッチが登場したり、とか、画面に普通に撮られているシーンがない、全部がデジタルデバイス上で展開されるので、もう集中力が非常に必要な作品になっていましたし、だからこそこれ、今回2作目ですけど、正直3作4作、作れるな・・・っていうのはやっぱりITの技術もデジタルデバイスも常に進化していくので、どんどんフォーマットを変えることで、かなり面白いシリーズになっていくんじゃないかなって思いませんか?

荒木    そうだね。とにかく、全体のテンポが速いんですよ。とにかく速い。で、主人公のジューンのタイピング能力なんて、私の3倍ぐらい?もっとだな。165キロ球速ぐらいの…。

東     アッハハハハ!

荒木    とにかく展開が早いのでツッコミが出来ないんだよね。もう情報量バンバン出してくる、サクサク行っちゃうので最新のコンピューターみたいので。 逆にわかんない人は観なくていいよっていう、感じだよね。

上地    私、絶対ついていけないわ~!もう1本ずつ押すタイプだから(笑)

東     カチカチカチカチって…ちょっとうるさい人ね、横にいると(笑) でもね、わからなくても面白い。というのは今はパソコンで何が出来るのか、今 IT技術でどこまで出来るのか、進んでいるのかを知るためのちょっとお勉強っぽい側面もあるから、絶対楽しめることは間違いないと思うんですよね。

荒木    あとね、情報管理の恐ろしさっていうのを様々教えてくれる映画ですよね。メールのアカウント、乗っ取られるとどうなるのか?とか、パスワードのリセットが、秘密の質問だとかあるでしょ?そういうものの、私たちが普段使っているものがね、当然登場するんですよ。改めてグーグルとか、巨大企業が私たちのすべての行動を監視しているっていう実態が見えてくるのね。

上地    ひえ~…。

荒木    うん。そう思うと、私がいつも見ているあの恥ずかしい動画とかも見ているのかと思われると、恥ずかしいんですけどね。

上地    誰も荒木さんのそこまで、チェックしてないよ(笑)

東     そんなね、興味ないな。大丈夫、大丈夫…(笑)

荒木    まあとにかく、情報管理。国家がそれを支配する国があるし、そのあたりの恐ろしさも本当によくわかる作品ですね。だから逆に言うとネットに疎いと、今やライフラインになっているネット、これがないと生き延びられない社会だな、と改めて痛感しましたね。

東     いや~、面白かったです。ぜひ由真さん、観てみてくださいね。  はい。私がご紹介したのは『searⅽh/#サーチ2』でした。

上地    続いては、映画評論家・荒木さんのおすすめ作品です。

4月のおすすめ映画 文化放送「上地由真のワンダーユーマン」推薦
「レッド・ロケット」(4 月 21 日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほか全国ロードショー)(© 2021 RED ROCKET PRODUCTIONS, LLC ALL RIGHTS RESERVED.)

荒木    はい。私が紹介するのは、4月21日公開の『レッド・ロケット』という作品ですね。
この映画、私の隣りに座っている映画ソムリエの東さんがすごく熱心で「面白い!これは絶対、荒木さんが紹介すべき」だと、積極的なんですよ。じゃ自分でやればいいのにって言ったら、「これは荒木さん以外考えられない!」って言うんです。

上地    どういうことで?(笑)

荒木    何でか、わかんないんですけど、私には。ただ、この映画に出てくる人出てくる人、みんなクズなんですよね。

東     え~っ?(笑)

荒木    主人公は最悪のクズ。ご都合主義で薄っぺらで口先だけで。うまくいったのは自分のせいで、悪かったのは他人のせい。こういう主人公の映画が、なぜ私にふさわしいのかちょっとわからないんですけども・・。まあ紹介することになりました…。 舞台は2016年のテキサスのド田舎の町です。主人公はマイキー、40歳くらいですかね。彼はロサンゼルスでポルノ男優として活躍していたのですが、まあいろいろあってすっかり落ちぶれて、すっからかん、17年ぶりに一文無しになって故郷に帰ってくる。 彼はまだ籍が入っていた、別居中で元ポルノ女優の妻と、彼女の母親が住む家に、猛烈に嫌がられながらもごまかして何とか転がり込むんですね。
仕事はないので、昔のやばいツテを使って、マリファナを売りながらヒモ同然の生活を始めるわけですね。そんなある日、マイキーはドーナツ店で働くストロベリーという17歳ぐらいの女の子と出会ったことで、再びポルノ業界でカムバックして、V字回復という夢を見るようになる…というストーリーなんですが。 まあお2人ともね、今回観ていただいているんですけども、感想を聞く前にまず、 普通、意識的にでも無意識的にでも映画を観る時は登場人物を誰かに感情移入しますよね。 今回は登場人物がたくさんいるんですけど、クズが多いんですけど、誰に感情移入とか共感出来ましたかね?

東     誰にも出来なかった、っていうのが特長ですよね、むしろ(笑) 誰ひとりとして、理解できるキャラクターがいないことが斬新な映画だなというふうに。

上地    私も誰にも出来なかった~。本当にびっくりするくらい。

荒木    そうですかね~。僕はね…、これ、僕個人の意見ですよ?登場人物に、自分が持っているのと同じ要素や性格…今回、ネガティブでね、嫌な部分、そういうのを見るから感情移入出来ないんじゃないかなって思うんですよ。 私はね、この主人公を見て、自分の持つ嫌な部分をすごくデフォルメして濃くしたら、こんな感じになっちゃうんだろうと、正直、思ったんですよね。まあ東さんが指摘してきた…かどうかわかんないんですけど(笑)

上地・東  アハハ!なるほど!そういうこと…。

荒木    今回のようにネガティブな面を強調すると、みんな、たぶん誰か、どこかに当てはまるんですよ。で、その嫌な部分を見せつけられるのが嫌だから共感できないんじゃないかな、と。私ですよ、私の考えなんですけど、そう思っているんですよね。

上地・東  なるほど~。

荒木    私はまんまとハマってしまいましてね、自分のクソな部分を引き出されて。そこで居直って観るのか、それとも「あ、これダメ」って思っちゃうと、ただの気持ちの悪いおっさんの映画になっちゃうんですよね。ということで2人のご感想はどうですか?由真さんから。

上地    なんかそれでいうと、ちょっと今思ったのがストロベリーちゃんには、めちゃデフォルメしたら、ちょっとは共感出来る部分はある。おじさん、私もダンディなおじさん、大好きだから。でもあそこには、あのクズ男には行かんやろ!っていうところ、ね、ストロベリーちゃんは…。

東     でも17だよ?17歳だよ?

上地    17歳…だから年上の男の人は何でも新しい世界を見せてくれるから、かっこいいと思っちゃう、っていう気持ちは共感出来るけど。本当にもうクズ男過ぎて、私はもう観ていて。なんなんだって、もうイライラして。あとダメなサイクルにはまって、やっぱりそこから抜け出す人生って大変なんだな、っていうか抜け出せないんだな、なかなか、っていうふうに。

東     なるほどね~。たしかにそういう学びにも、教訓をくれるよね。 私はこの映画、すごく面白く拝見して。共感出来るキャラクターがいないっていうところも新鮮ですし、あとね、ちょっとテキサスの田舎町の鬱屈した雰囲気、ああいうところで鬱屈した人々がどういう日常を送っているかっていうのを掘り下げている映画、意外と…まあみんながみんな…もちろんテキサスに怒られちゃうから、違うんでしょうけど(笑)ああいう視点、ちょっと映画として珍しかったな、っていうのも。

荒木    そうですね。やっぱりね、かつてのアメリカの誇りだとかね、そのプライドみたいのを、ああいう寂れていくテキサス…今のアメリカを象徴しているんですよね。住んでいる人たち、みんなクズで白人が多かったでしょ?これ、このあたりに住む、いわばホワイトトラッシュと呼ばれる…なんて言うんだろ、自分が白人に生まれてきたことだけが誇りの貧しいアメリカ人だよね。まああの、トランプを支持する一派でしょうね。そういう社会の底辺なんかに生きている人々とか、それを貶すんじゃなくて、自然に映しているんですよね。普通に。どっちかっていうと思いやりをもって映しているみたいな感じもあるので、そういうところもね…。

東     そこがちょっとすごく新鮮な作品だなっていうふうに思いましたし、あとは、なんだろうな…この人たち見ると本当に…ごめんなさい。「私、まだまだやれるな。私、すごくイケてるじゃん!」って。あまりにも全員が、憧れるキャラクターが1人もいないって、すごいな、って思って。ああ自分、素晴らしいじゃん!って逆説効果で…歪んでいる?私?(笑)

上地    歪んでない?アハハ!

荒木    歪みまくっているよ。

東     でも作品としてもね、スピード感あって面白いですし、そんな感じで拝見させていただいたんですけど。監督、すごいんですよね。

荒木    そうなんですね。この監督は、私も好きな監督なんですよね。ショーン・ベイカーさんという人。『タンジェリン』とか『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』などの監督で、いわばインディペンデント界のピカイチですよね。
この人ね、非常に特徴的な演出をする人なんですよ。まあ道徳だとか社会的な規範を主張したり、結果を出すんじゃなくて、どっちかというとすごくオープンな映画作りをする人なんですよ。だからこの映画もね、ちょっとオープンエンドで、どうなっちゃうのかな?あなたに委ねます、みたいな感じの撮り方だけど、非常にそのあたりの視野が面白い人。それとすごいのが、いきなりズブの素人を起用するのが特長なんですね。
このマイキー演じるのは、テレビ俳優さんでサイモン・レックスさんという人なんですけども、この人、実際にポルノ映画に出ていたんですね。どうりで何の抵抗もなく脱いでて、丸見えですよね。ほかにもね、主演をネットで発掘したりユーチューブで見つけたりとかね。このストロベリーちゃんの女優さんも映画館でスカウトしたらしいですね、声かけてね。

上地・東  えーっ!!すごい、可愛らしかった!

荒木    なんでそんな俳優さんを使うのかというと、この人は演技力を重く考えてキャスティングするより、俳優の伝えることにリアルさだとか雰囲気、それから土着性みたいのを重要視するんですって。今回は非常にはまっていますよね。絶妙なキャスティングですよね。それからもうひとつはその社会風景。工場なんかもね、さっき東さんが言ったひなびた感じを出すためのフィルム、16ミリフィルムを使っているんです。だからね、ちょっとザラっとした感じ。あの前にもこの作品…。

東     『フロリダ・プロジェクト』?

荒木    もそうだったし、あの『ケイコ 目を澄ませて』。あれも16ミリを使っていましたけどもね。共通点があるような気がします。本当に面白い映画です。だいぶね、好き嫌いが分かれると思いますね。特に女性はね分かれると思いますけど。私は大変面白い、好きな監督なのでおすすめだと思います。 『レッド・ロケット』という4月21日からの公開ですが、 最後に東さん、私に教えてくれた『レッド・ロケット』の本来の意味というのをどうぞリスナーさんに教えてください。

東    えっ、 『レッド・ロケット』は、興奮した犬のち〇〇!…嫌なんだけど、こんなこと~(笑)

上地    アッハッハッハ!

荒木    はい、ということでした。

4月のおすすめ映画 文化放送「上地由真のワンダーユーマン」推薦
「ガール・ピクチャー」(© 2022 Citizen Jane Productions, all rights reserved)

上地    「今月のシネマログ」、トリは私、上地由真のおすすめ作品をご紹介します。私がご紹介するのは、4月7日から公開の『ガール・ピクチャー』という作品です。 ストーリーです。同じ高校に通うミンミ、ロンコ、エマという3人の女の子のストーリーで、それぞれ悩みや不安を抱えています。1人目のミンミは少しシニカルで自分の世界観を持っている彼女は、学校では少し浮いた存在なんです。そんなミンミにとって、アルバイト仲間でもある同級生のロンコは何でも話せる親友です。そのロンコはキュートで明るい性格なのですが、実は恋愛感情がわからないという悩みを抱える繊細な女の子です。 セックスすることで何かが変わるかもしれないといろんな男性を誘うんですけど、なかなかうまくいきません。そして3人目はフィギュアスケート選手として将来を期待されているエマ。彼女は大切な大会を前にプレッシャーに押しつぶされそうになっています。 そんな時、ミンミとエマはあるパーティーで出会って特別な何かを感じ、惹かれ合っていきます。ミンミは自分を理解して認めてくれるエマに出会い心を開いていきますが、エマの存在が大きくなるにつれて不安が募り、自ら2人の関係を壊すような態度をとってしまいます。
お互いに傷つけ合いながらも思いを深めるミンミとエマ。本当の自分を探し、さまよう3人の女の子はこの先どうなっていくのでしょうか・・・というお話です。本当にね、この子供から大人になる多感な時期をそれぞれいろんな葛藤とかを繊細に描かれていて、なんかもう3人が本当に愛おしく、可愛らしくなって、最後「頑張れ!」ってすごく応援したくなるような、そういう作品でしたね。さゆみん、どうでしたか?

東     私もね、この作品はグッときたんですけど、振り返るとたった3週間の物語なのが特長だなって思っていて。3週間で成長ってこういうことだよな、って、自分でも気付かないうちに、でもちょっとずつ人って変わっていて大人の階段を上っているじゃないですか。その大きな一歩を、大きなひとつの階段を上る3週間を描いているので、なんか自分にとってのそういう時期を思い出したりしましたし、あと私は学生のこういう青春映画は本当に大好物なジャンルなんですけど、この作品いい意味で、学生映画2.0みたいな印象を受けて。

上地    2.0?

東     そう。どういうことかというと、まあそれぞれに悩みがあるんですけど、1つは女性同士の恋愛をしている2人が出てくるんですけど、そこについては悩みはなく、そうじゃないところで、だからそれがもう、多様性みたいなことがどんどん当たり前になって描かれているのが新しいなとおもって。そうじゃなくてそのカップルの1人の悩みは親との関係とかの方がむしろ悩んでいたりですとか、その3人組のうち1人は、私も2年前ぐらいから名前を聞くようになった「アロマンティック・アセクシャル」。 アロマアセクなんてカタカナで言われているんですけど、恋愛感情を持てないってことに、ちょっと自分って言ってもまだ恋愛至上主義だったりするんだと思うんですけど、そういう状況で自分はどうなんだろう、って思うことを感じていたりですとか、悩みの質がまたちょっと時代に合わせて変わってきているので、そういった意味で非常に新しい若者の姿に触れることが出来たので、自分の視野・価値観みたいなものをぐっと広げてもらえる作品になったので、ただ女の子たちの成長にグッとくるような作品の一歩、枠を超えているなという印象をすごく受けたんですよね。 荒木さん、どうです?

荒木    はい、私はもう、キラキラ女の子たちが眩しくて、よく見えなかったんですけども(笑)

上地    ああ、キラキラし過ぎて?(笑)

東     ああ(笑)それも場面、綺麗でしたよね。

荒木    本当にね、自分が恥ずかしいくらいキラキラしていてね。いろいろ、北欧のお話ですよね。私、もう何十年か前、高校時代、北欧は憧れの国でしたよね。フリーセックスの国っていうふうに言われていた。平凡パンチとかいう雑誌で…知らないでしょうけど。

上地    は~、聞いたことある。お父さんから聞いたことある。

荒木    そういうことなんですよ。イメージにあったの。今と違ってね。

東     初めてそんなイメージ聞きますけど。 荒木さんだけですよ、そういう情報調べているの。

荒木    調べているっていうか、我々の世代ではそういう・・・。そういう意味ではね、気軽にセックス出来るんだな~、いい国だと思いましたよ。

東     映画の感想、お願いします!

上地    アハハハハ!

荒木    ああ、そう…(笑)まあね、本当にキラキラして眩しくてね。おっしゃるように、いつの時代も共通な普遍的な青春映画ではあるんですけども、昔とは 形がね、女の子同士とか異なるんですけど、やっぱりどこか出口を求めてね、もがくという。 しかもさっき東さんがおっしゃったような大きなステップに差し掛かった3週間を凝縮して描いている、っていうところで非常に優れた、ちいさな作品ですけど素晴らしいなって思いました。

上地    ぜひみなさん、観てみてください。私がご紹介したのは、4月7日から公開の『ガール・ピクチャー』でした。 4月公開の映画作品の中から、それぞれの推しをご紹介しました。ぜひ映画館でチェックしてください。 映画評論家の荒木久文さん、映画ソムリエの東紗友美さん、ありがとうございました!

荒木・東  ありがとうございました!

3月のおすすめ映画 文化放送「上地由真のワンダーユーマン」推薦
荒木久さん、上地由真さん、東紗友美さん(左から)

■上地 由真
オーディションがきっかけで関西を中心に音楽活動開始。2007年シングル「shine day」などをリリース、以降全国各地でライブ活動やイベント参加。最近は女優としても活躍、舞台、映画などのジャンルにも進出。

■東 紗友美
映画ソムリエとしてTV・雑誌・ラジオなどで活動中。趣味は、映画ロケ地巡り。国内外問わず廻り、1年で100箇所以上ロケ地を訪れたことも。インスタグラムでも毎日映画に関する写真やコメントをほぼ毎日掲載中。

■荒木 久文
現在 複数のラジオ番組を中心に、新聞紙面 ニュースWEBなどに映画をテーマとした評論 批評 紹介 などの活動を展開。報知映画賞選考委員 ノミネート委員  日本映画ペンクラブ会員

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