第81回ゴールデングローブ賞 「オッペンハイマー」作品・監督・主演男優賞など最多5冠 アニメ映画賞「君たちはどう生きるか」

(2024年1月8日14:00)

第81回ゴールデングローブ賞 「オッペンハイマー」作品・監督・主演&助演男優賞 アニメ映画賞「君たちはどう生きるか」
「オッペンハイマー」

アカデミー賞の前哨戦といわれる第81回ゴールデングルーブ賞の授賞式が7日(現地時時間)、ロサンゼルスで行われ、作品賞(ドラマ部門)は「オッペンハイマー」が受賞。同作は監督賞、最優秀男優賞、助演男優賞など最多5冠を獲得した。アニメ映画賞は宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」が受賞。日本作品が同賞を受賞するのは史上初の快挙となった。

作品賞(ドラマ部門)は、第2次世界大戦中に米国の原爆製造を主導して”原爆の父”と呼ばれた物理学者ロバート・オッペンハイマーの生涯を描いた伝記映画「オッペンハイマー」が受賞した。同作は監督賞(クリストファー・ノーラン)、最優秀男優賞(キリアン・マーフィー)、助演男優賞(ロバート・ダウニーJr)、作曲賞を受賞した。米国では昨年7月に公開されて、同時期に公開された「バービー」とともに大ヒット。だが、2作品を合体させて原爆のきのこ雲などをコラージュした画像が「バーベンハイマ―」という造語と共にネット上で拡散するなど物議をかもし、被爆国の日本での公開が決まらなかった。昨年末にようやく2024年に日本でも公開されることが決まった。

ミュージカル・コメディ部門の作品賞は「哀れなるものたち」が受賞。主演したエマ・ストーンは最優秀女優賞(同部門)を受賞した。

新設されたシネマティック&ボックスオフィス・アチーブメント賞(興行成績賞)には「バービー」が選ばれた。

第81回ゴールデングローブ賞 「オッペンハイマー」作品・監督・主演&助演男優賞 アニメ映画賞「君たちはどう生きるか」
「君たちはどう生きるか」(英題:The Boy and The Heron)(米国版ポスター)

アニメ映画賞は宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」が受賞。ゴールデングローブ賞の日本作品の受賞は一昨年第79回の「ドライブ・マイ・カー」(濱口竜介監督)の外国語映画賞に続く受賞で、日本作品のアニメ映画賞は史上初の快挙となった。「君たちはー」は音楽賞(久石譲)もノミネートされていたが、同賞は「オッペンハイマー」のルートヴィッヒ・ヨーランソンが受賞した。宮崎監督やプロデューサーは授賞式に出席しなかった。
同作は全米週末興行収入で初登場1位獲得し、累計の全米興収が約57億3300万円(1月7日現在)を記録するなど米国でもヒット。これまでにニューヨーク映画批評家協会賞などのアニメ賞を数多く受賞しておりしており、アカデミー賞のアニメ賞の有力候補の一つとみられている。

■映画主要部門の受賞とノミネート



【作品賞(ドラマ部門)】
「オッペンハイマー」

(ノミネート)
「落下の解剖学」
「キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン」
「マエストロ:その音楽と愛と」
「オッペンハイマー」
「パスト ライブス/再会」
「The ZOne of Interest」

【作品賞(ミュージカル・コメディ部門)】
「哀れなるものたち」

(ノミネート)
「AIR/エア」
「American Fiction」
「バービー」
「The Holdovers」
「May December」
「哀れなるものたち」

【最優秀男優賞(ドラマ部門 )】
キリアン・マーフィ(オッペンハイマー)

(ノミネート)
ブラッドリー・クーパー(マエストロ:その音楽と愛と)
レオナルド・ディカプリオ(キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン)
コールマン・ドミンゴ(ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男)
バリー・コーガン(Saltburn)
キリアン・マーフィ(オッペンハイマー)
アンドリュー・スコット(異人たち)

【最優秀男優賞(ミュージカル・コメディ部門)】
ポール・ジアマッティ(The Holdovers)

(ノミネート)
ニコラス・ケイジ(Dream Scenario)
ティモシー・シャラメ(ウォンカとチョコレート工場のはじまり)
マット・デイモン(AIR/エア)
ポール・ジアマッティ(The Holdovers)
ホアキン・フェニックス(ポーはおそれている)
ジェフリー・ライト(American Fiction)

【最優秀女優賞(ドラマ部門)】
リリー・グラッドストーン(キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン)

(ノミネート)
アネット・ベニング(ナイアド~その決意は海を越える~)
リリー・グラッドストーン(キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン)
サンドラ・フラー(Anatomy of a Fall)
グレタ・リー(Past Lives)
キャリー・マリガン(マエストロ:その音楽と愛と)
ケイリー・スピーニー(Priscilla)

【最優秀女優賞(ミュージカル・コメディ部門)】
エマ・ストーン(哀れなるものたち)

(ノミネート)
ファンタジア・バリーノ(カラーパープル)
ジェニファー・ローレンス(No Hard Feelings)
ナタリー・ポートマン(May December)
アルマ・ポウスティ(枯れ葉)
マーゴット・ロビー(バービー)
エマ・ストーン(哀れなるものたち)

【助演男優賞】
ロバート・ダウニー・Jr.(オッペンハイマー)

(ノミネート)
ウィレム・デフォー(哀れなるものたち)
ロバート・デ・ニーロ(キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン)
ロバート・ダウニー・Jr.(オッペンハイマー)
ライアン・ゴズリング(バービー)
チャールズ・メルトン(May December) マーク・ラファロ(哀れなるものたち)

【助演女優賞】
デバイン・ジョイ・ランドルフ(The Holdovers)

(ノミネート)
エミリー・ブラント(オッペンハイマー)
ダニエル・ブルックス(カラーパープル)
ジョディ・フォスター (ナイアド~その決意は海を越える~)
ジュリアン・ムーア(May December)
ロザムンド・パイク(Saltburn)
デバイン・ジョイ・ランドルフ(The Holdovers)

【監督賞】
クリストファー・ノーラン(オッペンハイマー)

(ノミネート)
ブラッドリー・クーパー(マエストロ:その音楽と愛と)
グレタ・ガーウィグ(バービー)
ヨルゴス・ランティモス(哀れなるものたち)
クリストファー・ノーラン(オッペンハイマー)
マーティン・スコセッシ(キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン)
セリーヌ・ソン(Past Lives)

【脚本賞】
ジュスティーヌ・トリエ&アルチュール・アラリ(落下の解剖学)

(ノミネート)
グレタ・ガーウィグ&ノア・バームバック(バービー)
トニ―・マクナマラ(哀れなるものたち)
クリストファー・ノーラン(オッペンハイマー)
エリック・ロス&マーティン・スコセッシ(キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン)
セリーヌ・ソン(パスト ライブス/再会)
ジュスティーヌ・トリエ&アルチュール・アラリ(落下の解剖学)

【非英語作品賞】
「落下の解剖学」(フランス)

(ノミネート)
「ゾーン・オブ・インタレスト」(イギリス、ドイツ語) 「パスト ライブス/再会」(アメリカ、韓国語・英語) 「雪山の絆(きずな)」(スペイン) 「枯れ葉」(フィンランド) 「IO CAPITANO」(イタリア) 「落下の解剖学」(フランス)

【アニメ映画賞】
「君たちはどう生きるか」

(ノミネート)
「君たちはどう生きるか」
「すずめの戸締り」
「マイ・エレメント」
「スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース」
「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」
「ウィッシュ」

【シネマティック&ボックスオフィス・アチーブメント(興行成績賞)】
「バービー」

(ノミネート)
「バービー」
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」
「ジョン・ウィック:コンセクエンス」
「ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE」
「オッペンハイマー」
「スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース」
「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」
「テイラー・スウィフト:THE ERAS TOUR」