-
映 画
「私たちの恋が香りとして残る時」「エレクトロフィリア-変異-」などのとっておき情報
(2023年8月5日14:30)
映画評論家・荒木久文氏が「私たちの恋が香りとして残る時」「エレクトロフィリア-変異-」などのとっておき情報を紹介した。
トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、7月29日放送)の映画コーナー「アラキンのムービー・ワンダーランド」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。
鈴木 よろしくお願いします。
荒木 はーい、眠いねー。
鈴木 それは、オリンピックを見続けてる系ですか?
荒木 そうだよね、やっぱり盛り上がっちゃうんだよね。
鈴木 始まった時より盛り上がってくるんですよね。
荒木 そういうもんなんだよねー、毎回だけどね。さて、まず「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2024」の話。先週もチラッとお話したんですが、バラエティ溢れる映画のお祭り、通称「カリコレ」。新宿シネマカリテ”を会場に、10回目を迎えるこのイベントです。ミステリー、SF、コメディ、ホラー、ちょっとこだわった作品が多いのですが、8月8日迄の開催です。今年はね、4つぐらいの柱があるんです。
ひとつめは、大手配給会社「コロンビア・ピクチャーズ」です。100年になるんですね。で、スペシャルセレクションということで、エドガー・ライト監督作の「ベイビードライバー」はじめ、クリントイーストウッドの「ザ・シークレット サービス」とか、コッポラの「ドラキュラ」など名作が多いんです。
そして同じく配給会社の「アスミックエースのカリコレSPコレクション」というのもあります。これは、ジェイク・ギレンホールの「トニー・ダーゴ」とか、ジェラルド・バトラーの「エンド オブ ホワイトハウス」など。見逃している人はこの機会に是非とも…。そしてなんと、あの問題俳優ニコラス・ケイジを讃えて「ケイジ、還暦! 祝・ニコケイ特集」として、ダーティー・コップほか4本を上映します。そして“BB”と言えば古い人にはわかりますかね?
鈴木 ブリジット・バルドー!?
荒木 そうそう。フランスの大女優、ブリジット・バルドーの生誕90年祭なんですね。「ブリジット・バルドー レトロスペクティヴ-BB生誕90年祭-」として、代表作の「裸でごめんなさい」などを上映するそうです。他にも、全36タイトルの新作話題作を上映します。今週も2作品ほどご紹介します。
鈴木 お願いします。
荒木 まず、韓国映画「私たちの恋が香りとして残る時」というちょっと複雑タイトルです。青年会社員のチャンス君は、毎朝バスで一緒になる女性アラさんに片思いをしています。ある日、彼はその香りを嗅いだらどんな女性も自分のことを好きになるという、不思議な香水を手に入れるんです。彼がそれをつけると周囲の女性たちは本当に彼を追いかけ回すようになるんですね。
鈴木 俺も、それ今日買うわ!
荒木 ついには、アラさんの心をも奪うことにも成功するのですが…というラブコメです。こういうのは男の夢ですよね。
鈴木 そうなのよー、欲しいなそれ。
荒木 これを見て私 思い出したのが、中学2年頃だと思うんですけど、今思えばインチキ雑誌の広告で「女が惚れる香水」みたいのがあって、結構高かったんだけど…。
鈴木 買ったの?!
荒木 後ろの席の大久保一馬君と、どうしても買いたいと思ってお金出し合って買いました。
鈴木 最高!最高!いいエピソードです!
荒木 つけたら変な匂いがするなと思ったんですけど、教室で荒木君と大久保君臭い!とか言われて、かえって女子が遠ざかっていきました。で、先生から「何つけてんの!おまえら!」って怒られたのを覚えてますね。
鈴木 マンガだね、それ!
荒木 今は加齢臭で、遠ざかられてますけどね。最近は死臭かな。死臭臭い歳なので。
鈴木 ホントに、拍手でしか返せませんよ。
荒木 「私たちの恋が香りとして残る時」という作品でした。(カリコレで8月7日(水)10:00から上映)
そしてもう一本。「エレクトロフィリア-変異-」という、ちょっと変わったタイトルです。アルゼンチンの映画です。
アダさんという若い女性の獣医さん。ある牧場で牛の診察をしている時に、ピカ!!カミナリの直撃を受けます。びりびりびり!!!!。当然、意識不明で病院に運ばれます。命はとりとめたものの、後遺症のようなものが現れはじめるんです。まず、身体を落雷が通り抜けた跡に血管がまるで稲妻のような、血管のような模様がタトゥーのように浮かび上がります。更には、電流そのものに性的興奮を覚えるようになり、セックスでオーガズムに達すると、びりびりびりと放電のような現象も起きるようになります。アダさんは、カミナリに直撃された人々を探し始めると同じような症状に悩んでいる人々が見つかります。彼女は自分に起きた、そうした変化を共有できる落雷経験者のグループに参加し、そこでリーダーの男と出会いお互いに惹かれていきます…というお話です。
鈴木 シビレまくりじゃないですか、その2人!
荒木 カミナリに打たれるとエロくなっちゃうんですよ。
鈴木 えっ?俺、今日…、そうですか…。
荒木 そうだよね、まあ 一回撃たれてみようという…。(笑)。ダイちゃんでもそれはないよね(笑)。
鈴木 さすがの私も、それ言ったら失言になるかと思って止めたんです。
荒木 最近、カミナリ多いですからね。少ないのは、カミナリ親父ですよね。地震、雷、火事、親父のオヤジ
鈴木 いなくなりましたねー、最近は。
荒木 絶滅危惧種どころか、絶滅種だよね。
鈴木 昔は、そんな親父ばっかりでしたよね。
荒木 そうですよね。そんな人ばかりでしたよね。今はモラハラとか言われますけど・・。かみなり違いで申し訳ないけど、「エレクトロフィリア-変異-」という作品をご紹介しました。8月8日までやってます、「カリコレ」。残念ですが、今年10回目で、最終回との事です。
鈴木 えっ?なんで?
荒木 ねえ。 毎回 面白い作品があるので、楽しみにしてたんですけどね。最後のチケットプレゼントいただいていますので、後でダイちゃんからお願いします。
鈴木 ありがとうございます。
荒木 そして・・・眠い要因ですね、オリンピック。今日もサッカー凄かったですね。
鈴木 なんだかんだ言って盛り上がってるじゃないですか。
荒木 不思議に直ぐ盛り上がるんですよね。ダイちゃん、注目競技は?
鈴木 前、荒木さんにポロっとお話したんですが、誰がどうだとか、日本がどうだとかよくわからないんですけど、なんかここ数年、女子バレーボールが気になってまして。何故か、わからないんですよ。雷が落ちたように盛り上がるんですよ(笑)。
荒木 女子バレーも強いし、男子バレーも負けちゃったけど、希望ありますからね。
鈴木 あとは、フェンシングなんかも面白かったし。
荒木 いろんな競技、幅広いね。日本も。昔と違って。
鈴木 たくさんあって、お家芸だけじゃなくなってますからね。
荒木 ホント、多様性っていうかね。私も競技、球技が好きですね。サッカー、バレーでしょ、特に注目しているのが男子バスケットですね。
鈴木 男子バスケット?!
荒木 男子バスケット。
鈴木 荒木さん、バスやってないじゃない。
荒木 やってないけどね、前からね、八村の活躍もあって注目していましたが、6月に公開された映画を見たんですよ。それが、「ビリーブ 日本バスケを諦めなかった男たち」というドキュメンタリー映画だったんです。
鈴木 それは、熱くなるわ。
荒木 そもそも男子バスケ日本代表は、2021年、「開催国枠」で出場させてもらったんですが、当然全敗で予選敗退ですよね。長い間、「バスケ男子日本代表は世界で勝てない」というのが常識に近かったのですが、女子日本代表を銀メダルに導いたヘッドコーチ、トム・ホーバスが、2021年に、男子の日本代表の新HCに就任。 彼は、チームに戦略と情熱を注ぎ込むわけですよ。そして新たなチームを築き上げます。で、去年、FIBAバスケットボールワールドカップがありましたよね。フィンランド、ドイツ、オーストラリアと 同じ組になって「死のグループ」と言われたんですけど、ホーバスHCは、映画タイトルにもなっているBELIEVE=ビリーブという言葉を掲げて選手たちを鼓舞するんです。そして、フィンランドに勝って、初めて自力で、40数年ぶりのオリンピック出場なんですよ。
映画では、このワールドカップ中、ずーっとのカメラが密着しているんです。試合の様子はもちろん、ゴールが決まらず苦悩する練習中の選手の姿とかロッカールームで檄を飛ばすHCのトム・ホーバスとか、大スクリーンで余すことなく映しだしてるんですよ。
鈴木 それで、荒木さんはハマってしまったという。
荒木 そう!スーパープレーを改めて見てると、ハンドボールなんかもそうなんでしょうけど、フォーメーションの緻密さとかその高度さっていうのを、厳しさも含めて改め教えられました。
今回、予選リーグはドイツに負けて、次フランスかな?これも強いんだよね。ま、ブラジルに勝てれば決勝トーナメントの芽もあるかな?
という感じなんですけども、なんとか決勝トーナメント行きたいなって感じですよね。
映画「ビリーブ 日本バスケを諦めなかった男たち」というタイトルなんですが、
誠に残念ながら、6月公開で、今は日本国内でもやってるところ少ないんですよ。
鈴木 ちょっと、荒木さん!
荒木 東京や山梨近郊では上映していないんですよね。長野とか。静岡・愛知あたりでやってるかなって感じみたいですよ。
鈴木 ちょっと!それは、どういうことかしら?
荒木 でも、バスケ日本代表が活躍したら、再上映あるかもしれませんね。
鈴木 そりゃそうですね。
荒木 だから、期待したいけどね。
鈴木 映画の上映をそこに期待するんですか?
荒木 はい(笑)。でもね、素晴らしい記録映画でした。しばらく寝不足続くと思うんですけど、あと何回オリンピック見られるかわからないんで、貴重な時間ですからね。
鈴木 荒木さん、なんだかんだ言って、5回も10回も見ていると思います。
荒木 ありがとうございます。
鈴木 考えてみたら、ワールドカップなんてひとつの種目でひと月やるじゃないですか。だけど、オリンピックって、こんなに種目あって、2週間って言ったら、全部見られるはずないよね。
荒木 じっくりひとつを見るのが、面白いと思うんですけどね。例えば、競技をフェンシングなら、フェンシングだけ追っかけてくとかね。
鈴木 その方が、よっぽど理解度は高い気がするんだよね。
荒木 理解度、深まるしね。選手の名前覚えたり、国も覚えられたり面白いと思うんですけどなかなかね。総花的にやってからね、
鈴木 しかも、全ての競技を、リアルに生中継ってわけにいかないじゃないですか。
荒木 ですね、だから、チョイスも大変だし。しかも夜中だもん。ああ、ホントにたまらないよね。今は朝かな、パリは。
鈴木 どっちにしろ、たまらないんですよ。早起きもたまらないから。
荒木 ということで、頑張れ ニッポン!!チャチャチャ!です。
鈴木 ありがとうございます。
■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年生まれ。長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。
■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。