米誌がアカデミー賞直前予想 「オッペンハイマー」作品賞・監督賞・主演男優賞・助演男優賞など大勝利!?「ゴジラ-0.1」視覚効果賞最有力

(2024年3月5日13:40)

米誌がアカデミー賞直前予想 「オッペンハイマー」作品賞・監督賞・主演男優賞・助演男優賞など大勝利!?「ゴジラ-0.1」視覚効果賞最有力
最多13部門にノミネートされた「オッペンハイマー」(日本版公式サイトから)

米誌「VANITY FAIR」(電子版)が10日(日本時間11日)に迫った第96回アカデミー賞の全部門の行方を予想した。最多13部門にノミネートされている「オッペンハイマー」が作品賞をはじめ監督賞・主演男優賞・助演男優賞などを受賞すると予想。日本作品では視覚効果賞にノミネートされている「ゴジラ-0.1」が受賞最有力と予想した。

作品賞部門では「アメリカン・フィクション」、「落下の解剖学」、「バービー」、「オールドオーバー」、「キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン」、「マエストロ:その音楽と愛と」、「オッペンハイマー」、「パスト ライヴス/再会」、「哀れなるものたち」、「関心領域」の10作品がノミネートされているが、同誌(電子版)は「オッペンハイマー」が受賞すると予想した。

「オッペンハイマー」は今シーズンの賞レースで、どのライバルも一度もその勢いを奪うことができなかったと指摘。ゴールデングローブ賞、批評家協会賞、映画俳優組合賞、監督組合賞、製作者組合賞、英国アカデミー賞の作品賞またはそれに相当する賞を総なめにして、2013年のアカデミー賞でも作品賞を受賞した『アルゴ』のような勢いがあるという。日本では3月29日に公開される。
同作は第2次世界大戦で米国の原爆開発の極秘プロジェクト「マンハッタン計画」を主導して”原爆の父”と呼ばれたが、広島・長崎の惨状を知り苦悩し、水爆開発に反対した米国の理論物理学者J・ロバート・オッペンハイマーの伝記映画で、同誌は作品賞だけではなく、クリストファー・ノーラン監督の監督賞、オッペンハイマーを演じたキリアン・マーフィーの主演男優賞、ロバート・ダウニー・Jrの助演男優、編集賞などを受賞すると予想している。

主演女優賞は、「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」(マーティン・スコセッシ監督)のリリー・グラッドストーンが受賞すると予想した。エマ・ストーン(「哀れなるものたち」)が受賞する可能性はまだ十分にあるがSAG賞(全米映画俳優組合賞)でリリー・グラッドストーンが大勝利を収めたことでアカデミー賞も有力視されるという。彼女は先住民俳優として初めてSAG賞の主演女優賞を受賞し、アカデミー賞で受賞すれば、先住民俳優として史上初の快挙となる。

助演女優賞は、SAG賞、批評家賞、BAFTA賞、ゴールデングローブ賞、そして数々の批評家賞など、今シーズンの助演女優賞をほぼ総なめにした「ホールドオーバーズ」のダヴァイン・ジョイ・ランドルフと予想し「彼女の行く手を阻むものは何もなさそうだ」と指摘した。

日本の作品としては、山崎貴監督の「ゴジラ-0.1」が視覚効果賞、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」が長編アニメーション賞、役所広司がカンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞したヴィム・ヴェンダース監督の「PERFECT DAYS」が国際長編映画賞にそれぞれノミネートされ、日本映画が同時に3作品ノミネートされたのは史上初と注目されている。
そうしたなか、同誌は、「ゴジラ-0.1」が視覚効果賞を受賞すると予想。長編アニメーション賞は「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」、国際長編映画賞は「関心領域」と予想した。

同誌は、「オッペンハイマー」は13部門にノミネートされているが、脚色賞の熾烈な争いから編集賞や作曲賞まで、多くの競争相手に直面している。また、長編アニメ部門や、衣装・プロダクションデザイン部門など、投票者が「哀れなるもの」と「バービー」という全く異なる世界観のどちらかを選ばなければならないような部門でも、多くのサスペンスが待ち受けていると指摘した。以上は同誌の予想であり、3月10日(日本時間同11日)、ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される授賞式で、プレゼンターが受賞作品や受賞者の名前を記入した封筒を開けるまで結果はわからないのが実情だ。

■第96回アカデミー賞 主なノミネート

【作品賞】
落下の解剖学
キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン
マエストロ:その音楽と愛と
オッペンハイマー
パスト ライブス/再会
関心領域
アメリカン・フィクション
バービー
The Holdovers
哀れなるものたち

【主演男優賞】
ブラッドリー・クーパー(マエストロ:その音楽と愛と)
コールマン・ドミンゴ(ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男)
キリアン・マーフィ(オッペンハイマー)
ポール・ジアマッティ(The Holdovers)
ジェフリー・ライト(アメリカン・フィクション)

【主演女優賞】
アネット・ベニング(ナイアド~その決意は海を越える~)
リリー・グラッドストーン(キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン)
サンドラ・フラー(落下の解剖学)
キャリー・マリガン(マエストロ:その音楽と愛と)
エマ・ストーン(哀れなるものたち)

【助演男優賞】
ロバート・デ・ニーロ(キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン)
ロバート・ダウニー・Jr.(オッペンハイマー)
ライアン・ゴズリング(バービー)
マーク・ラファロ(哀れなるものたち)
スターリング・K・ブラウン(アメリカン・フィクション)

【助演女優賞】
エミリー・ブラント(オッペンハイマー)
ダニエル・ブルックス(カラーパープル)
アメリカ・フェレ―ラ(バービー)
ジョディ・フォスター (ナイアド~その決意は海を越える~)
ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ(The Holdovers)

【監督賞】
ヨルゴス・ランティモス(哀れなるものたち)
クリストファー・ノーラン(オッペンハイマー)
マーティン・スコセッシ(キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン)
ジョナサン・グレイザー(関心領域)
ジュスティーヌ・トリエ(落下の解剖学)

【長編アニメ―ション賞】
「君たちはどう生きるか」
「マイ・エレメント」
「スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース」
「ニモーナ」
「ロボット ドリームズ」

【視覚効果賞】
「ゴジラ-1.0」
「ザ・クリエーター/創造者」
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3」
「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」
「ナポレオン」

【国際長編映画賞】
「PERFECT DAYS」(日本)
「Io Capitano」(イタリア)
「雪山の絆」(スペイン)
「The Teacher’sLounge」(ドイツ)
「関心領域」(イギリス)

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