第38回東京国際映画祭 山田洋次監督に特別功労賞 木村拓哉、倍賞千恵子が祝福 最新作「TOKYOタクシー」センターピース上映

(2025年10月29日10:00)

第38回東京国際映画祭 山田洋次監督に特別功労賞 木村拓哉、倍賞千恵子が祝福 最新作「TOKYOタクシー」センターピース上映
登壇した㊧から倍賞千恵子、特別功労賞のトロフィーを持つ山田洋次監督、木村拓哉(©2025 TIFF)

第38回東京国際映画祭で29日、「TOKYOタクシー」がセンターピース上映され、木村拓哉(52)、倍賞千恵子(84)、山田洋次監督(94)が登壇した。上映会で、「男はつらいよ」シリーズや「たそがれ清兵衛」など数多くの作品を手掛け、長年に渡る映画界への多大な貢献に対して山田監督に特別功労賞が贈られ木村と倍賞が祝福した。

「TOKYOタクシー」(11月21日公開)は、フランス映画「パリタクシー」(2023年)を原作に、タクシー運転手の・浩二(木村)が85歳のマダム・すみれ(倍賞)を葉山の施設に送リ届ける道中ですみれが浩二相手に身の上話をはじめ、彼女の波乱の人生が浮かび上がっていくヒューマンドラマ。

第38回東京国際映画祭 山田洋次監督に特別功労賞 木村拓哉、倍賞千恵子が祝福 最新作「TOKYOタクシー」センターピース上映
山田洋次監督に花束を贈呈した木村拓哉㊨(©2025 TIFF)

特別功労賞を受賞した山田監督は、「長い間、わりに長生きしながら沢山映画を撮ってきてしまった。そのことに今日褒められて、こんな賞をいただけたんだと、戸惑いながらも思っています」と語った。そして1961年に「二階の他人」で監督デビューして活動し始めたころを振り返り、「日本映画は充実してまさに黄金時代だった」といい、「今の映画人は苦労して撮っている。だからこそ、映画の素晴らしさを考える、映画を鑑賞して称えるこのような催しに感謝しています」と語った。

倍賞は、「おめでとうございます。(監督は撮影現場で)『はい、本番いくよ、いくよ』といってなかなか本番に行かないんですが、そういう仕事場にまた呼んでいただけるように、これからも映画を撮り続けてください」と祝福した。

木村は山田監督に花束を贈り、「こういう先輩がいるとやる気が出ますよね」といい、「『TOKYOタクシー』を観ていただいた後に、出ていた人間たちだけではなく、撮ってくれた人もいるし、光を当ててくれる人もいるし、山田組全体、その山田組の最たる位置に山田洋次監督という人が、自分たちにこの作品を届けてくれたんだなあというのを、こんな先輩がいてくれるんだなあというのを感じていただければ、その作品を受け取ってくれた皆さんだからこそ味わえる、生きていく力というか、現役でいられる力というか、皆さんに持っていただけるんじゃないかなと思いました」と語り祝福した。

「TOKYOタクシー」が映画祭の中核を担うセンターピース作品として上映されたことに、倍賞は、「84歳の倍賞千恵子です。よろしくお願いします。今日はこんなにたくさんの皆さんが『TOKYOタクシー』を観ていただいて本当に嬉しく思っています」と挨拶し、「一生懸命みんなで一つの山を登ったって、私は思っています」と撮影を振り返った。

木村は、「第38回東京国際映画祭の中でセンターピース作品ということで、『TOKYOタクシー』を選んでいただき、本当に嬉しく思っております。そして本日こんなにたくさんの方に受け取っていただけたことがすごく嬉しいです」と語った。
同映画祭での上映について、「今ご家庭にいても、スイッチを入れればいろんなコンテンツが選べたりとか、上映しているものを選択してそれを楽しむ事ができる世の中になっているんですけど、やっぱり映画のスクリーンという、そして特別な音響に身を置いていただくという、この特別感が僕にとっては非常にスペシャルな環境、状況だと思っています」とした上で、「その状況の中でしっかり作品を受け取ってもらえるということは一番うれしいことなので、今日はうれしさと同時に、色んな国の方がどんな価値観で、どんな恋愛観でこの作品を見てくださったのかなということにすごく興味がわきます」と述べた。

第38回東京国際映画祭 山田洋次監督に特別功労賞 木村拓哉、倍賞千恵子が祝福 最新作「TOKYOタクシー」センターピース上映
「TOKYOタクシー」場面写真(©2025 映画「TOKYOタクシー」製作委員会)

「TOKYOタクシー」は、フランス映画「パリタクシー」(23)が原作。タクシー運転手の浩二(木村)が、葛飾・柴又の自宅を引き払って神奈川県葉山にある高齢者施設に入居することを決意した85歳のマダム・スミレ(倍賞)を乗せて葉山に向かう道中、お互いの身の上話をするうちにすみの波乱の人生が浮かび上がるというヒューマンドラマ。すみれの若いころを蒼井優が演じ、すみれの若いころの恋人キム・ヨンギにイ・ジュニョン、元夫の小川毅に迫田考也、浩二の妻・薫に優香、娘の奈菜に中島瑠菜、などのキャスト。
倍賞と木村の掛け合いがユーモアとペーソスが絶妙。回想シーンですみれの壮絶で数奇な人生が描かれ、浩二とすみれが心を通わせていきエモーショナルなラストが待ち受ける。11月21日(金)より全国公開。

【第38回東京国際映画祭 開催概要】
■開催期間:2025年10月27日(月)~11月5日(水)
■会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
■公式サイト:www.tiff-jp.net
【TIFFCOM2025開催概要】
■開催期間:2025年10月29日(水)~10月31日(金)
■公式サイト:www.tiffcom.jp

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