大谷翔平記者会見 水原氏が「僕の口座に勝手にアクセスしてブックメーカーに送金していた」 水原氏の違法賭博への関与を全面否定

(2024年3月26日12:30)

大谷翔平記者会見 水原氏が「僕の口座に勝手にアクセスしてブックメーカーに送金していた」 水原氏の違法賭博への関与を全面否定
大谷の記者会見を報じる米スポーツチャンネルESPN(電子版)

ドジャースの大谷翔平選手(29)が25日(日本時間26日)、記者会見して、元通訳・水原一平氏(39)が、違法なスポーツ賭博に関与した疑いでドジャースを解雇され、賭博で巨額の借金を背負い、大谷選手の口座から「大規模な窃盗」をした疑いを報じられている問題について語った。本人の声明のみで、質疑応答は行われなかった。
疑惑発覚後初めての大谷選手の会見に米スポーツ専門チャンネルのESPNが「大谷はスポーツに賭けたことはない、通訳が金を盗実ショックを受けたと語った」と報じたほか、米メディアも一斉に報道した。ESPNによると、少なくと450万ドル(約6億8000万円)が大谷選手の口座から違法なブックメーカーに送金された疑いがあるという。

新しい通訳を伴って記者会見した大谷選手は、「僕自身もそうですけど、ファンの皆さんもここ1週間ぐらい厳しい1週間だと思うんですけども、まず僕自身も信頼していた方の過ちで悲しいというかショックをですし、今はそういう風に感じています」と語り、「現在進行中の調査もありますので、今日話せることは限りがあるというのもご理解頂きたい」として用意したメモを見ながら説明した。

まずは「僕自身は何かに賭けたりと。誰かに代わってスポーツイベントに賭けたりとか、それを頼んだりとかはない」と賭博への関与を否定。そして「僕の口座からブックメーカーに対して、誰かに送金を依頼したことはもちろん全くありません」と語った。

「数日前まで、彼がそういうことをしていたというのも全く知りませんでした」といい、「結論から言うと、彼が僕の口座からお金を盗んで、なおかつ、皆にうそをついていた」と明かした。

そして水原氏の一連の疑惑を知った経緯について「先週末、韓国で僕の代理人に対して、メディアの方から、私が違法なブックメーカーから私がスポーツ賭博に関与しているのではないかという連絡があった」という。
「一平さんは僕にこういった取材の依頼があるということは僕に話していなかったし、僕の方にそういう連絡は来ていなかった」という。そして「一平さんにではなく、某友人の借金の肩代わりとして支払ったという風に僕の代理人も含めてみんなに話していた」ことが分かったという。

「その翌日に、さらに尋問で、一平さんは僕たちの代理人に対して、借金は自分のもの、つまり一平さん自身が作ったものだという説明をした。それを僕が肩代わりしたということを、その時代理人に話した」という。

「そしてこれらは全てうそだったということです。一平さんは(メディアの)取材依頼のことを僕にはもちろん伝えていなかったですし、代理人の人たちに対しても、僕がすでに彼と話してコミュニケーションをとっていたと嘘をついていた」という。

水原氏はESPNの90分のインタビューで、大谷選手が借金の肩代わりをすることになり、水原氏も立ち会って、大谷選手が自分のパソコンから50万ドルづつ8~9回に分けてブックメーカーに送金したなどと語っていたが、大谷選手の代理人弁護士が、「大規模な窃盗」にあったと発表すると、翌日に水原氏は前言を翻してうそだったことを認めたと同チャンネルは報じていた。

「そして僕がこのギャンブルに関しての問題をはじめて知ったのは、韓国での第1戦が終わった後に行われたチームミーティングの時です」と明かした。
「そのミーティングで彼は全部英語で話していたので、僕に通訳はついていなかったので、完全には理解できていなくて、なんとなくこういう内容だろうなと理解はできてましたけど、なんとなく違和感は感じていました」。
「僕は一平さんがギャンブルの依存症だということは知らなかったですし、彼が借金しているということはそのミーティングの時には知りませんでした。ぼくは彼の借金返済にももちろんそのとき同意してませんし、彼に送金してくれと頼んだことも了解したことももちろんないです」と語った。

そしてホテルに帰ってから水原氏と話し,「彼に巨額の借金があることを知りました。そして彼はそのとき、僕の口座に勝手にアクセスしてブックメーカーに送金していたということを僕に伝えました」という。
「僕はやっぱりおかしいなと思って代理人に話したいということで代理人を呼んで、そこで話し合いました。僕の代理人も彼にうそをつかれていたということを初めて知って、すぐにドジャースの皆さんと弁護士のひとたちに連絡しました。ドジャースの皆さんも代理人の人たちも初めて自分たちがうそつかれていたことをその時に知りました」と明かした。

「そして弁護士の人たちがこれは窃盗と詐欺なので、警察の当局に引き渡すという報告をしました。これがそこまでの流れなので、僕はもちろんスポーツ賭博に関与してないですし、ブックメーカーに送金していたという事実は全くありません」と改めて水原氏の賭博借金と巨額送金への関与を否定した。

「正直ショックという言葉が正しいとは思わないですし、それ以上の…うまく言葉では表せないような感覚でこの1週間くらいはずっと過ごしてきたので、いまはそれを言葉にするのは難しいなと思ってます」と胸中を明かした。
「ただ、もうシーズンも本格的にスタートするので、ここからは弁護士の方にお願いしますし、僕自身も警察当局に全面的に協力したいと思ってます。なので気持ちを切り替えるのは難しいですけど、シーズンに向けてまたスタートしたいですし、今日まずお話しできて良かったとも思っているので、今日はこれがいまお話できる全てなので、質疑応答はしませんが、これからさらに進んでいくと思います」と締めくくった。

水原氏の違法賭博への関与を全面否定した大谷選手。水原氏がESPNの最初のインタビューの発言(大谷選手が借金の肩代わりをして自分のパソコンから送金)はうそだったことをESPNに認めていることからも、大谷選手が20日の韓国での試合の後に事情を知ったことなどの詳細な経過説明には不自然なところは感じられない。疑問として残されたのは、水原氏が大谷氏の口座からどうやって「お金を盗んだ」のか、FBIなどの捜査でその実態が解明されるのか、今後の捜査の成り行きが注目される.大谷選手が巻き込まれた今回のスキャンダルで被った精神的ダメージを一日も早く払しょくして、新天地ドジャースでこれまで以上に活躍を続けてほしいものだ。