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ハリウッド特急便
ジョニー・デップの熱狂ファンがアンバー・ハードへの誹謗中傷で法廷から追い出される「私の脚はあなたの顔を破壊するほど強い」
(2022年4月15日12:15)
ジョニー・デップ(58)が元妻アンバー・ハード(35)がワシントン・ポスト紙で発表したコラムを名誉棄損として5000万ドル(約62億5000万円)を請求して提訴した裁判で14日(現地時間)、デップの熱狂的ファンがハードをSNSで脅迫したとして米バージニア州フェアファックスの裁判所から追い出される騒動があった。米メディアが報じた。
米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、ジョニー・デップの熱狂的ファン2人が、ソーシャルメディア上で元妻アンバー・ハードを脅迫したことが発覚し法廷から退場させられたという。
2人は、ブルック・ウォルシュとイザベル・オルシーニと名乗り、今週デップを支援するために数十人の支援者とともに傍聴席に座っていたという。ウォルシュはSNSで「アクアマン」でのハードの役柄(海底国ゼベルの王女メラ)に言及して彼女を「あの人魚の "c-t"(女性器の俗称)」と中傷し「アンバー・ハードを殺す日が来るのが待ち遠しい」と脅迫したという。
オーシーニは「親愛なるハードさん、私は小さなかわいい少女ですが、元バレーダンサーです。私の脚はあなたの顔を破壊ほど強い…もう一度ジョニー・デップを脅せば、私の言っている意味がわかるだろう」とツイッターで脅迫したという。
ある関係者がポスト紙に語ったところによると、裁判長のペニー・アズカラート判事は、法廷の傍聴席の椅子の下にガムを貼り付けるなど傍若無人な態度を取る大勢のデップ・ファンに不満を募らせているようだという。
ウォルシュはポスト紙の複数回のコメント要請に応じず、デップとハードのチームもコメントを控えた。オルシーニは、デップの ファンであることを否定して「私たちはファンではなく、サバイバーを支援している虐待サバイバーです」といい、ハードもデップに身体的虐待を加えたという疑惑に言及した。「しかし、このようなことは新聞に載せるべきことではありません。これはエンターテイメントではなく、男性が殺されそうになった家庭内暴力の裁判であり、私たちは私人なのです」などと語ったという。
アンバー・ハードの元アシスタントが証言「給料アップを依頼したら罵声を浴びせられた」
米サイト「TooFab」によると、14日(現地時間)の公判では、ハードの元アシスタント、ケイト・ジェームズさんが証言して、デップの肉体的な虐待やその証拠を目撃したことがないと証言。ハードが彼女に向かって「罵声を浴びせた」と非難した。
ジェームズさんは2012年から2015年までハードのアシスタントとして働いていた。ハードは2013年から2016年にかけてデップから虐待を受けた事例を主張しており、ジェームズさんの雇用と重なりがあったことになる。
ジェームズさんは当初、パートタイムで働きながら時給25ドル(約3000円)をもらっていたがフルタイムになったときにハードが「私に罵声を浴びせながらようやく」年俸5万ドル(約625万円)を支払うことに同意したという。それでもジェームズさんはその給料を「とても侮辱的だ」と感じたが、息子を迎えに行き一緒に仕事に行く時間があること、またハードと一緒に海外旅行する必要がないことで合意したという。
そしてハードとデップの間で口論があったことは全く知らなかったと証言した。デップがハードを虐待していたとは思っておらず、虐待が行われている証拠を「一度も見たことがない」と主張。ハードが身体的虐待について何も言わなかったと証言した。
さらにデップがドラッグやアルコールを乱用しているところを直接目撃したことはなく、彼は「いつも完全に受け身で」「とても紳士的」だと感じていたという。また、ハードが自分の前で服を着るたびに、ハードに切り傷やあざ、腫れがあるのを見たことがないと主張した。
また、ハードが「(デップの)家で彼の友人たちとつるむのは好きじゃない。退屈だし、みんなギターを弾く老人ばかりで、彼女にとっては面白くなかったから」と話していたと語った。さらに、ハードから「言葉による虐待」を受けたと主張した。「電話で叫んだり、直接私に一度だけ叫んだことがあった。午前2時から4時の間、私が目を覚ますと、その怒号が始まっていました」「支離滅裂で、意味不明で理由もわからなかった」という。
また、給料のアップを要求したときにハードは「椅子から飛び降りて私の顔に唾を吐きかけ、私が要求していた給料をよくも要求したものだと言っていました」と主張した。さらにハードはマッシュルーム、エクスタシー、コカインを使用していると話したと主張した。
解雇された後、彼女は少なくともデップとまだ連絡を取っていたようで、2016年のデップからのテキストメッセージが法廷で公開された。その中でデップは、「ありがとう、スイートハート」と感謝し「あのクズ野郎に手を出したことに嫌悪感を覚えるよ」などとハードを非難したという。ジェームズさんはデップと会ったと言い、ハードの話が出たことは知っているが、会話の詳細は思い出せないという。さらに、それが彼を見た最後だったと付け加えた。
■ジョニー・デップVSアンバー・ハードの”バトル“の経過
デップとハードは2012年に「ラム・ダイアリー」で共演したのがきっかけで恋愛関係になり、同年デップは長年のパートナーだったヴァネッサ・パラディ(45)との破局を発表。14年にハードと婚約して翌年2月に結婚したが、わずか1年3か月の結婚生活で16年5月にハードが離婚を申請。酒に酔ったデップからDVを受けていたとしてあざができた顔写真を公開して波紋を広げた。デップはDVを否定していたが17年8月にデップが700万ドル(約7億6300万円)を支払うことで離婚が成立した。これで一件落着かと思われたが続きがあった。
18年10月、デップが雑誌「GQ」(英国版11月号)のインタビューで、ハードに対するDVを全面否定して、ハードのDV告発で「シンデレラから醜い男にされた」などと激しく非難。さらにハードが同年12月ワシントン・ポストに手記を寄せて、(デップの名前は出さず)DVを告発したら脅され、決まっていた役を降ろされるなど報復されたと主張して、そうした社会構造を変える必要があるなどと訴えた。
その後デップが「ワイフ・ビーター」(妻虐待夫)と報じた英紙「サン」を訴え、さらにワシントン・ポストに手記を書いたハードを名誉棄損で提訴した。ロンドンの裁判所で行われたデップの名誉棄損裁判では、「サン」の記事は「おおむね事実」としてデップは敗訴し,
控訴も棄却されデップの敗訴に終わった。
ハードが2018年12月に米紙ワシントン・ポストに寄稿したコラムで名誉を棄損されたとしてデップがハードに5000万ドル(約62億5000万円)の巨額賠償金を請求した訴訟が2022年4月12日(現地時間)、米バージニア州フェアファックスの裁判所で開始。ハードは1億ドル(約125億円)を請求して反訴している。