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ハリウッド特急便
ジョニー・デップのジョークに大声で笑ったファンに裁判長が「退廷」警告
(2022年4月26日10:45)
ジョニー・デップ(58)のアンバー・ハード(36)に対する名誉毀損裁判が米バージニア州フェアファックスの裁判所で続くなか、デップが弁護側証人尋問で自分の映画を覚えていないとジョークを言うと、デップファンとみられる傍聴人が大声で笑ったため判事が「退廷させますよ」と警告するなど裁判がヒートアップしている。
米誌「People」(電子版)によると、デップの弁護人による証人尋問で、「パイレーツ・オブ・カリビアン」の以外のフランチャイズ映画を挙げるよう求められたときに、デップは「アリス・イン・ワンダーランド」を挙げた後、他のプロジェクトを思い出すことができず、その後、自分の映画を見るのを避けていることを冗談交じりに述べたという。
「私が出演した映画を知ると私はとても悲しくなるんです」と笑顔で言い、「申し訳ない。ただ観ないだけなんだ。見ない方が気分がいいんだ。質問は何だったっけ?」と述べた。このデップの陳述に法廷にいた何人かが大声で笑ったため、アズカラート判事は「法廷命令を出すか、あなたを退廷させますよ。わかりましたか?ありがとうございます」と警告したという。
この裁判はデップのファンを魅了し、裁判所の外では「ジョニーに正義を」などのメッセージを書いたプラカードを掲げるファンが連日詰めかけているという。21日(現地時間)には審理が終了すると、デップは法廷にいるファンに手を振りながら出口に向かったという。
裁判に先立ち、アズカラート判事は、デップもハードも「裁判所や裁判所の敷地内で写真のポーズを取ったりサインをしたりしてはならず、違反すれば法廷侮辱罪に問われそれに応じて罰せられる」ことを裁判所の文書により命じたという。また、「裁判所敷地内での宿泊キャンプは禁止」「すべての傍聴人は、ガイドラインに沿った服装をすることが求められる」とも命じた。チューインガム、食べ物、飲み物も法廷内では禁止されている。
「裁判中のいかなる種類の発言も、法廷内または裁判所内での挑発的または非文明的な行動も容認されない」と文書は付け加えている。「また、裁判中に賛否を示唆するような身振り、顔の表情などをしてはならない。この命令に違反した者は、直ちに法廷から追放され、裁判が行われている間は戻ることができなくなる」としている。
裁判に先立ち、ハードはインスタグラムで、裁判が終わるまではソーシャルメディアを避けると書き、フォロワーに感謝の意を表した。彼女はその中で、「この裁判が終われば、私もジョニーも前に進めるといいんだけど。私は常にジョニーへの愛を持ち続けており、私たちの過去の生活の詳細を世界の前で生きなければならないことは、私に大きな苦痛をもたらします。この時、私はこの数年間、幸運にも受け続けてきた継続的なサポートを認識し、この数週間、私はこれまで以上にそれに頼ることになるでしょう」とコメントしていた。
デップは元妻アンバー・ハードが2028年にワシントン・ポスト紙に「DVからの生還」について書いたコラムを名誉毀損で5000万ドル(約63億5000万円)を請求して提訴した今回の裁判で、虐待者として描かれたことで「パイレーツ・オブ・カリビアン」を降板させられるなどハリウッドのキャリアが台無しになったと主張している。
今月上旬の冒頭陳述で、ハードの弁護士ベン・ロッテンボーンは、「彼女がデップから『身体的、感情的、言語的、心理的』、さらに『デップの手による性的暴力』などの多くの形態のDVを受けたことの証拠が示されるでしょう」と述べた。デップの広報担当者は、DV疑惑を「架空のもの」と否定している。
デップとハードは2012年に「ラム・ダイアリー」で共演したのがきっかけで恋愛関係になり、同年デップは長年のパートナーだったヴァネッサ・パラディ(45)との破局を発表。14年にハードと婚約して翌年2月に結婚したが、わずか1年3か月の結婚生活で16年5月にハードが離婚を申請。酒に酔ったデップからDVを受けていたとしてあざができた顔写真を公開して波紋を広げた。デップはDVを否定していたが17年8月にデップが700万ドル(約7億6300万円)を支払うことで離婚が成立した。これで一件落着かと思われたが続きがあった。
18年10月、デップが雑誌「GQ」(英国版11月号)のインタビューで、ハードに対するDVを全面否定して、ハードのDV告発で「シンデレラから醜い男にされた」などと激しく非難。さらにハードが同年12月ワシントン・ポストに手記を寄せて、(デップの名前は出さず)DVを告発したら脅され、決まっていた役を降ろされるなど報復されたと主張して、そうした社会構造を変える必要があるなどと訴えた。
その後デップが「ワイフ・ビーター」(妻虐待夫)と報じた英紙「サン」を訴え、さらにワシントン・ポストに手記を書いたハードを名誉棄損で提訴した。ロンドンの裁判所で行われたデップの名誉棄損裁判では、壮絶な夫婦喧嘩やデップのベッドにウンチが置かれていた“ウンチ事件”、デップの指切断事件、デップのドラッグ使用歴、ハードの3P疑惑など前代未聞の暴露合戦が繰り広げられた。判決は「サン」の記事は「おおむね事実」として名誉棄損の訴えは棄却されデップは敗訴。控訴も棄却されデップの敗訴に終わった。
2022年4月12日(現地時間)、ハードが2018年12月に米紙ワシントン・ポストに寄稿したコラムで名誉を棄損されたとしてデップがハードに5000万ドル(約62億5000万円)の巨額賠償金を請求した訴訟が米バージニア州フェアファックスの裁判所でスタート。ハードは1億ドル(約125億円)を請求して反訴している。