松本人志の裁判始まる 第1回口頭弁論 文春側全面的に争う姿勢

(2024年3月28日17:15)

松本人志の裁判始まる 第1回口頭弁論 文春側全面的に争う姿勢
松本人志(公式サイトから)

お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(60)が、性的被害を受けたとする女性の証言を掲載した週刊文春の記事で名誉を棄損されたとして発行元の文芸春秋社などに5億5000万円の損害賠償などを求めた裁判の第1回口頭弁論が28日、東京地裁で行われた。

「週刊文春」は昨年12月27日発売号で、都内のホテルで行われた飲み会で性行為を強要されたとする2人の女性の証言を掲載。その後も相次いで複数の女性の松本に関する証言を掲載した。

松本側は昨年12月27日発売号の同誌の第1弾の記事を対象に「記事に書かれているような性行為やそれらを強要した事実はなく、およそ『性加害』に該当するような事実はない」「番組出演を休止せざるを得なくなり、筆舌に尽くしがたい精神的損害を受けた」として提訴していた。

第1回口頭弁論で、文芸春秋側は「芸能界のトップに君臨する原告が複数の女性に対して同意なく性的行為に及んだ事実を報じた」「同意のない性的行為はいずれも真実」「記事は公益を図る目的だった」などとして訴えを退けるよう求めて、全面的に争う姿勢を見せた。松本側は、被害を訴えた2人の女性(記事ではA子さん、B子さん)を特定するよう求めたが、文春側は「女性はSNS上で嫌がらせを受けている」などとして回答しない姿勢を示したという。

松本は出廷せず10分間ほどで終了した。この日の弁論には19席の傍聴席に対して691人が並んだ。次回は6月5日に行われる予定。

松本の弁護士は報道陣の取材に応じて、松本の様子について「憔悴した様子はなく、淡々と普通に生活をしている」と語ったという。また、いずれ松本が「出廷する可能性は高い」といい、後輩芸人の出廷も検討しているという。松本は26日、「世間に真実が伝わり、一日も早く、お笑いがしたいです」などとコメントを発表していた。

今後は複数回に渡って双方が答弁書で主張したり、それに反論したりして、書面による議論が尽くされたところで、松本や、性被害を主張している女性2人が法廷に立つことが予想される。その時期はかなり先になるとみられ、判決までに1年半から2年かかると予想され、判決の行方が注目される。