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映画
第35回東京国際映画祭 野上照代氏に特別功労賞
(2022年10月8日19:15)
第35東京国際映画祭(10月24日~11月2日)は長年の国内外を含めた映画界への貢献が目覚ましい人たちへ贈る「特別功労賞」を野上照代氏(95)に授与することを決定し8日、発表した。
野上照代氏は、1950年、黒澤明監督の「羅生門」にスクリプターとして参加し、その後、「生きる」(1952年)以降の全黒澤映画に記録・編集・制作助手として参加した。黒澤明賞が復活した今年、長年に渡る映画界への貢献が評価され、特別功労賞の授与が決まった。授賞式は11月2日(水)のクロージングセレモニーにおいて開催予定。
■野上照代(のがみ・てるよ)
1927年5月24日生まれ。東京出身。出版社勤務後、1949年に大映京都撮影所にスクリプター見習いとして入社。野淵昶監督「復活」(1950年)でスクリプターとして一本立ち。続く「羅生門」(1950年)以降、「七人の侍」(1954年)、「デルス・ウザーラ」(1975年)、「乱」(1985年)など、1951年の「白痴」を除く、すべての黒澤明監督作品に主要なスタッフとして参加。スクリプター、プロダクション・マネージャーなどをつとめる。小泉堯史監督「雨あがる」(2000年)、「阿弥陀堂だより」(2002年)では監督補を担当。1984年、自らの少女時代を描いた「父へのレクィエム」が読売ヒューマンドキュメンタリーの優秀賞を受賞。2008年、これを「母べえ」として山田洋次監督が映画化した。その他、著書に「完本 天気待ち」 (草思社文庫)、「とっておき映画の話 蜥蜴の尻っぽ」(文藝春秋)ほか。