-
ハリウッド特急便
ジョニー・デップのマネージャー証言「ハードのコラムでデップは29億円の『パイレーツ・オブ・カリビアン』の契約を失った」
(2022年5月3日21:45)
ジョニー・デップ(58)とアンバー・ハード(36)の名誉棄損裁判で2日(現地時間)、デップのタレントマネージャー、ジャック・ウィガムが証言し、2018年にハードがワシントンポストで発表したコラムが出た後、デップは2250万ドル(約29億2500万円)の「パイレーツ・オブ・カリビアン」の巨額契約を失ったと証言した。
米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、2016年からデップのマネージャーを務めているウィガムは「ハードのコラムが出た後、彼をスタジオ作品に出演させることは不可能だった」と証言した。ワシントンポストのコラムには、デップの名前はなかったが、それが明らかにデップのこととわかり、デップのキャリアを台無しにし、評判を落とし、数千万ドルの損失を被ったと主張した。
ウィガムによると、デップは2016年に初めてハードのDV被害の主張が出た後も仕事をすることができ、「シテイ・オブ・ライズ」(2018年)で800万ドル(約10億4000万円)、「オリエント急行殺人事件」(2017年)で1000万ドル(13億円)、「ファンタスティック・ビースト黒い魔法使いの誕生」(2018年)で1350万ドル(約17億5500万円)の報酬を得ていたという。これらの映画は、デップに対するDV疑惑が浮上する前に結ばれた契約のもと、2017年に撮影されたものだという。しかし2018年12月にハードのコラムがワシントンポストに出た後、デップが仕事を得るのは困難になり、彼が再び大スクリーンでジャック・スパロウを演じることはないだろうとウィガムは証言した。
これに対してハードの弁護士は、デップが当時、トランプ大統領を殺したいとほのめかしたことや、イベントに酔っぱらって現れるなどの過去の問題を挙げ、ハードのコラムだけが影響を与えたとは言い切れないと反論した。
■デップのボディガード証言「ハードはかつてデップにレッドブルの缶を投げつけ、彼を『くそったれ親父』と呼んだ」
さらに、デップの長年のボディガード、ラヴィス・マクギヴァンが証言し、ハードがかつてデップにレッドブルの缶を投げつけ、彼を「くそったれ親父」と呼んだことなど、元夫婦の不安定な関係について述べた。2015年にデップとハードがロサンゼルスのペントハウスで喧嘩した際、ハードがデップの顔の左頬を殴ったことがあると述べた。デップの反応について、マクギヴァンは「彼の最初の表情は、私と同じように、衝撃的な表情でした」と語った。デップはそのパンチで顔が腫れて赤くなったが彼は報復をしなかったという。さらに、マクギヴァンは、ハードがデップを「くそったれ親父」と罵倒するのを目撃したと主張している。ボディガードは、かつて自分がハードの怒りの対象になったこともあり、ハードが自分の選んだ職業を「卑下し」、あざ笑ったなどと証言した。
ハードはデップから肉体的、性的虐待を受けたと主張しているが、デップはその主張を否定しており、暴力的なのはハードの方だったと非難している。
デップのチームは、さらに知的財産の損害賠償と評価の専門家などを証人として呼び、専門家らはハードが元夫の地位を「大きく毀損した」と述べた。
■ジョニー・デップVSアンバー・ハードの”バトル“の経過
デップとハードは2012年に「ラム・ダイアリー」で共演したのがきっかけで恋愛関係になり、同年デップは長年のパートナーだったヴァネッサ・パラディ(45)との破局を発表。14年にハードと婚約して翌年2月に結婚したが、わずか1年3か月の結婚生活で16年5月にハードが離婚を申請。酒に酔ったデップからDVを受けていたとしてあざができた顔写真を公開して波紋を広げた。デップはDVを否定していたが17年8月にデップが700万ドル(約7億6300万円)を支払うことで離婚が成立した。これで一件落着かと思われたが続きがあった。
18年10月、デップが雑誌「GQ」(英国版11月号)のインタビューで、ハードに対するDVを全面否定して、ハードのDV告発で「シンデレラから醜い男にされた」などと激しく非難。さらにハードが同年12月ワシントン・ポストに手記を寄せて、(デップの名前は出さず)DVを告発したら脅され、決まっていた役を降ろされるなど報復されたと主張して、そうした社会構造を変える必要があるなどと訴えた。
その後デップが「ワイフ・ビーター」(妻虐待夫)と報じた英紙「サン」を訴え、さらにワシントン・ポストに手記を書いたハードを名誉棄損で提訴した。ロンドンの裁判所で行われたデップの名誉棄損裁判では、壮絶な夫婦喧嘩やデップのベッドにウンチが置かれていた“ウンチ事件”、デップの指切断事件、デップのドラッグ使用歴、ハードの3P疑惑など前代未聞の暴露合戦が繰り広げられた。判決は「サン」の記事は「おおむね事実」として名誉棄損の訴えは棄却されデップは敗訴。控訴も棄却されデップの敗訴に終わった。
2022年4月12日(現地時間)、ハードが2018年12月に米紙ワシントン・ポストに寄稿したコラムで名誉を棄損されたとしてデップがハードに5000万ドル(約62億5000万円)の巨額賠償金を請求した訴訟が米バージニア州フェアファックスの裁判所でスタート。ハードは1億ドル(約125億円)を請求して反訴している。