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松本人志、訴訟取り下げ「心痛めた方々いたならお詫び」 文春側も同意
(2024年11月9日10:30)
お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志(61)が、自身の性加害疑惑を報じた昨年12月の週刊文春の記事をめぐり発行元の文芸春秋社などを相手取って5億5000万円の損害賠償などを請求した民事訴訟で、松本が訴訟を取り下げたことを7日発表した。
松本は弁護士を通じて、「これ以上、多くの方々にご負担・ご迷惑をお掛けすることは避けたい」などとするコメントを発表。文春側も「原告代理人から、心を痛められた方々に対するお詫びを公表したいとの連絡があり、女性らと協議のうえ、被告として取下げに同意することにしました」などとコメントを発表した。
松本は1月に提訴し、3月28日に第1回口頭弁論が行われた。松本側は「客観的証拠がないのに一方的な(A子さんらの)供述を取り上げた」「筆舌に尽くしがたい精神的損害を受けた」などと主張して5億5000万円の損害賠償などを求めた。一方、文春側は「芸能界のトップに君臨する原告が複数の女性に対し、同意を得ることなく性的行為に及んだ事実を報じた」「記事は公益を図る目的に出たものと認められるべき」などとして松本側の請求の棄却を求めて全面的に争う姿勢を見せていた。
そうしたなか、2回目の弁論準備手続きが8月14日に開催される予定だったが、前日になって突然延期されていた。約3か月間の空白があって11月11日に2回目の期日が決定していたが、それを前に、松本側が訴えを取り下げることを発表した。
吉本興業は公式サイトで、「弊社所属タレント 松本人志の代理人弁護士より、本日、一部週刊誌報道に関して提起した損害賠償請求等訴訟について、裁判を終結した旨の連絡を受けましたので、お知らせいたします」と報告したうえで、松本の代理人によるコメント全文を掲載した。
■松本人志のコメント
「これまで、松本人志は裁判を進めるなかで、関係者と協議等を続けてまいりましたが、松本が訴えている内容等に関し、強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認いたしました。そのうえで、裁判を進めることで、これ以上、多くの方々にご負担・ご迷惑をお掛けすることは避けたいと考え、訴えを取り下げることといたしました。
松本において、かつて女性らが参加する会合に出席しておりました。参加された女性の中で不快な思いをされたり、心を痛められた方々がいらっしゃったのであれば、率直にお詫び申し上げます。
尚、相手方との間において、金銭の授受は一切ありませんし、それ以外の方々との間においても同様です。
この間の一連の出来事により、長年支えていただいたファンの皆様、関係者の皆様、多くの後輩芸人の皆さんに多大なご迷惑、ご心配をおかけしたことをお詫びいたします。
どうか今後とも応援して下さいますよう、よろしくお願いいたします。」
■週刊文春 コメント
「本日お知らせした訴訟に関しましては、原告代理人から、心を痛められた方々に対するお詫びを公表したいとの連絡があり、女性らと協議のうえ、被告として取下げに同意することにしました。 なお、この取下げに際して、金銭の授受等が一切なかったことは、お知らせのとおりです」
■今後の展開は
テレビ関係者は、「松本側は、このまま裁判で争えば、その間松本のメジャーな番組などへの復帰は遠のくばかりだった。そこで、和解を持ち掛け、文春側が主張していたといわれる『女性への謝罪と公表』を大筋で飲む形で訴訟を取り下げ、早期復帰をと考えたのではないか」と指摘する。
そして、松本がコメントの中で「『強制性の有無を直接に示す物的証拠はない』ことを確認した」としていることについて、「そもそも密室の出来事で物的証拠がないのは、この種の性被害問題では通常のケースのこと。被害者の証言で真実性が判断される。女性らが証言して判決が出る前に訴訟を取り下げたので、性被害疑惑が完全に晴れたとはいえないのではないか」とみる。そして、松本の復帰について、「裁判は終わったが、勝訴したわけではないので、すぐに復帰とはいかないかのではないか。いずれにしても、松本は復帰するためには記者会見して説明すべき」(同関係者)と指摘した。