フジテレビ港社長、加納会長辞任 ”やり直し会見”10時間超で紛糾

 

(2025年1月28日14:30)

フジテレビ港社長、加納会長辞任 ”やり直し会見”10時間超で紛糾
”激震”が続くフジテレビ本社(東京・台場)
フジテレビ港社長、加納会長辞任 ”やり直し会見”10時間超で紛糾
記者会見する㊨から金光修フジ・メディア・HD社長、加納修治フジ会長、港浩一社長、遠藤龍之介副会長、清水賢治・新社長(フジテレビ「イット!」から)

元タレント中居正広さん(52)の女性トラブル問題の波紋が拡大する中、フジテレビは27日。東京・台場のフジ本社で”やり直し記者会見“を行い、港浩一社長(72)と加納修治会長(74)の辞任とフジ・メディア・ホールディングス専務取締役の清水賢治氏が新社長に就任することを発表。中井氏の女性トラブルの対応についての説明が行われた。午後4時に始まった記者会見は日をまたぎ午前2時過ぎまで、10時間超の前代未聞のロング記者会見になり、怒号も飛び交い紛糾する場面もあった。

港社長は、1月17日の、映像を禁止するなど制限した記者会見について「メディアの信頼性を揺るがした」などと謝罪。その上で中居さんと女性とのトラブル、それに対する対応について、2023年6月に発生し、女性の様子に気付いた社員が把握。幹部らが対応し、その後港社長にも報告されたという。「誰にも知られずに、自然な形で職場に復帰したい」という女性の気持ちを最優先して対応した。中居さんの番組(「だれかtoなかい」)を継続、また中居さんが出演する新しい特番を制作したのは、「唐突にやめると女性に刺激を与える」ことや憶測が広がることを心配して、番組を続行したと説明。24年夏に女性が元気になり職場を離れることになったので、番組の終了を考えタイミングを計っていたと説明した。女性より、中居さんを優先したのではないかという質問には「中居さんを優先したということではない」と否定した。

だが、昨年12月の週刊誌の報道で女性が(港氏が考えていたのと)違う気持ちであることを知ったという。「最終的には私の責任」といい、「人権侵害が行われた可能性がある事案」としたうえで、「第三者の調査にゆだねたい」と語った。

一方で、12月に週刊誌の報道で発覚するまで、一部の幹部社員だけが女性に対応し医師に相談しながら進めセクハラなどを担当するフジのコンプライアンス推進室に報告しなかったことや、中居氏の正式な調査はしなかったことについて「なるだけ少人数で職場復帰まで寄り添っていこうと思った」、「(中居さんを)ヒアリングしたことが伝わってしまったら女性に刺激を与えるのではないかと心配してしまった」などと釈明し、「隠したい気持ちはなかった」と語ったが、隠ぺいしようとしたのではないかという疑惑は払しょくされなかった。

また、週刊誌で報道されているフジテレビの社員Aの関与については、当該日(中居さんとのトラブルが発生した日)にAの関与は「なかった」と改めて否定。その根拠として、Aの通信履歴を調べたとした。しかし、女性や中居さんへの確認はなく、その日以前に行われた中居宅でのバーベキューにAや女性が出席し、その後中居、A、女性の3人で寿司店に行っていたことなどが記者から指摘され、当該日に女性が中居宅行ったのは、Aがらみの事案と女性が考えていた可能性は否定できないことなどが指摘されたが、港社長は「私にはわからない」などと明確な答えはなく、これも第三者委員会の調査を待つことになる。港氏は「人権に対する配慮が足りなかった。(女性の)十分なケアが出来なかったことをお詫びしたい」と謝罪した。

■10時間超のロング記者会見の問題

この問題に対応し主導していたとみられる港社長が、知ることをできる限り応えようと記者の質問に対応し、新しい話も明かされたが、週刊誌の報道が出る昨年12月までの1年半にわたって中居さんの番組を続けていた問題や、発覚までコンプライアンス部門に共有せず幹部社員ら「少人数」で女性に対応してコントロールしようとしていたとみられる問題、幹部社員Aの関与疑惑などが改めて浮き彫りになった。
記者会見はテレビカメラも入り、ネットメディアなども含めて430人以上の記者らか参加しオープンに行われ、フジテレビは人気ドラマ「月9」などを飛ばして10時間超に渡り中継(プライバシーに配慮し10分ディレイで放送)するという画期的な対応をしたのは評価されるが、司会が「プライバシーに触れるので質問を変えてください」を連発したり、報道陣から同じような質問が何度も繰り返されたり、中居さんと女性の意見の食い違いの説明をした後に、その言葉を訂正したことをめぐって、不規則発言や怒号が飛び交うなど混乱する場面もあった。「10時間超はさすがに長過ぎで、長くても3時間程度にして、あとはメールで質問を送ってもらい回答するという形をとるなどしてもよかった」(テレビ関係者)

今後は、新たに設置した日本弁護士連合会の基準に基づいた第三者委員会による調査が行われ、3月末に調査結果をまとめる予定だという。徹底的な調査で真相を解明し公表することが望まれる。