アレック・ボールドウィン、「ラスト」誤射事件で検察が銃器強化罪の訴追を取り下げる

(2023年2月21日15:40)

アレック・ボールドウィン、「ラスト」誤射事件で検察が銃器強化罪の訴追を取り下げる
アレック・ボールドウィン(Instagram/@alecbaldwininsta)

アレック・ボールドウィン(64)の「ラスト」誤射死傷事件で20日(現地時間)、米ニューメキシコ州サンタフェ郡地方検事局は、有罪判決を受けた場合5年の禁固刑の可能性がある銃強化罪の訴追を取り下げたことが分かった。過失致死罪は有罪の場合1年6月以下の刑になるという。また兵器係ハンナ・グティエレス・リードに対する銃強化罪も取り下げられた。

米サイト「TMZ」によると、ボールドウィンに対する重要な訴追を取り下げたことで、サンタフェ郡検事は困惑しているようだという。過失致死罪だけなら有罪判決を受けたとしても執行猶予が付き刑務所で過ごすことにならないかもしれないという。

検察は、ボールドウィンの弁護士が、適用できない法律を使ってボールドウィンを訴追したとして検察を非難する動議を提出した後、銃強化罪の訴追を取り下げたという。

ボールドウィンはハリナ・ハッチンズさんの死について過失致死罪で起訴された。検察はさらに犯罪を犯すために銃を使用したとして銃強化罪を追加した。問題なのは、事件当時、ニューメキシコ州の法律では、銃が「振り回された」場合のみ、銃器強化罪が適用されることになっていたので、明らかにボールドウィンのケースは当てはまらないという。検察は改正された銃器強化法(振り回すことを必要としない)で訴追可能と考えた。しかし、その法律は、事件の7か月後に制定されたという。

アレック・ボールドウィン、「ラスト」誤射事件で検察が銃器強化罪の訴追を取り下げる
死亡した撮影監督ハリナ・ハッチンスさん㊧と負傷したジョエル・ソウザ監督 (Instagram/@halynahutchins /@#joelsouza)

ボールドウィンが銃強化罪で有罪になれば、最低でも5年の実刑になる可能性があった。だが、過失致死罪での有罪は、最高で18か月の禁固刑で、裁判官はそれ以下、あるいは執行猶予を与えることもありうるという。検事はまた、兵器係のハンナ・グティエレス=リードに対する銃強化の告発を取り下げた。

「ラスト」の撮影が今春再開へ

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、「ラスト」の製作は今春再開される予定。 ジョエル・ソウザ監督は「苦いけれども、かつてのキャストとスタッフに加え、優秀で献身的な新しい制作チームが、ハリナと私が始めたことを完成させるために尽力してくれることに感謝しています」とコメント。「この映画における私のあらゆる努力は、ハリナの遺産を尊重し、彼女の誇りになることに捧げられるでしょう。彼女に代わってこれを見届けることができるのは光栄なことです」としている。

ハッチンズさんの夫のマシュー・ハッチンズさんは、2022年10月にボールドウィンと和解し、エグゼクティブプロデューサーとしてスタッフに加わり、ビアンカ・クラインが撮影監督を引き継ぐ予定だという。また、セットに撮影に使用する銃器や「あらゆる形態の弾薬」がゼロであることを保証するために、安全管理者をクルーに加えたという。

■映画「ラスト」の誤射事件

事件は2021年10月21日(現地時間)、米ニューメキシコ州のロケ地で西部劇「ラスト」のリハーサル中に起きた。教会のセットでボールドウィンが小道具の銃を発砲し、撮影監督のハリナ・ハッチンズさん(当時42)の胸に当たり死亡、彼女を貫通した銃弾が近くに居たジョエル・ソウザ監督(48)の肩に当たり負傷した。

昨年12月、ボールドウィンは米ABCニュースのインタビューで「引き金は引いていない」「銃に実弾が入っていたとは知らなかった」などと語った。ハッチンズさんの死は事故であり、自分に責任はないと主張。スタッフは銃に実弾が入っておらず、適切に空砲が装填されていることを確認するべきだったとしている。また、引き金は引いてなく、拳銃の撃鉄を戻した後、銃が勝手に暴発したなどと主張していた。

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